
TES の墓や洞窟で出会うゾンビの多くは、死霊術師が起こした死体です。ところが、死霊術師が同業者に向けて書いた Morrowind の本『死体処理』の第3巻は、ただのゾンビを作るのは「怠け者か、切羽詰まった術者のやり方」だと言い切ります。[1:4]その一方で同じ巻は、壊れたゾンビも縫い直せば何十回も起こせると勧めています。[1:3]ESO の死霊術の手引きは、ゾンビの肉は昔の自分を覚えていると書きます。[2:8]では、起き上がったゾンビは、生前のその人なのでしょうか。
この記事では、作中の本と台詞をもとに、ゾンビが何で動き、死霊術師がどう作り直すのかを解説します。そのうえで、レッドガードのラー・ネトゥやアルゴニアンのボグ・ブライト、黒き虫の教団のワーム・スロールなど、土地ごとに違うゾンビの生まれ方を比べます。
『死体処理』は、死霊術師が死体の手に入れ方と下ごしらえを同業者に教える 3 巻の本で、第3巻は肉の残る死体を扱い、ゾンビとミイラの従者の作り方を書いています。[1:2,3]冒頭で引いた言葉は、この巻に出てきます。
- ゾンビとは?|肉の残る死体を起こしたアンデッド
- ゾンビは何で動く?|肉に残る記憶を忘れさせて霊で操る
- ゾンビは何度でも起こせる?|縫い直せば何十回も使える従者
- ラー・ネトゥとは?|レッドガードが打てない祖先のゾンビ
- ボグ・ブライトとは?|墓杭が抜けると沼から起きるアルゴニアンの亡者
- ワーム・スロールとは?|黒き虫の教団が罰と研究のために残す体
- ゾンビはどんな実験に使われた?|首なしゾンビの血と縫い合わせた肉
- ゾンビになる病気はある?|ロドスの疫病と噛まれてうつる腐れ
- 作品ごとにゾンビはどう違う?|Oblivion の首なしゾンビと Skyrim の灰になる死体
- ゾンビは生前の本人なのか?|体はまだ誰かの物として扱われる
- よくある質問
- 参考文献
ゾンビとは?|肉の残る死体を起こしたアンデッド
ゾンビは、肉の残る死体を起こしたアンデッドで、多くは死霊術師が霊を縛りつけて動かします。[5:1][6:6]アンデッドは、死んだあとも動き続ける、かつて生きていた者の呼び名です。ESO の本『不浄の軍団』は、死霊術師が奴隷にした霊を死体に入れて作る亡者を「起こされた者」とまとめ、骨だけのスケルトンから大きなフレッシュ・アトロナックまでを、この仲間に入れています。[6:6]体を動かす霊の多くは小さなデイドラで、デイドラは、定命の者の世界の外にある異界オブリビオンに住む者たちです。[6:6]
Morrowind の本『死者の軍団』によると、西でゾンビと呼ばれる肉の亡者は、モロウウィンドではボーンウォーカーと呼ばれます。[7:3]ゾンビの腐り方はさまざまで、頭が無くても動き、手足の欠けた物もいます。[5:2]
ゾンビの生まれ方は、死霊術師の儀式だけではありません。
- 死霊術師の儀式
死体を適した場所へ運び、儀式をして起こします。[1:3] - 召喚
魔術師は、異界オブリビオンからゾンビを呼ぶ術を学べます。[5:1] - 病気
ロドスの疫病のような病から生まれます。[5:1] - 葬りの守りが外れる
アルゴニアンの死体は、墓杭が抜けると自然に起き上がります。[8:6]
死霊術師がいなくても、病気や葬りの守りが外れることで、ゾンビは生まれるわけです。生まれ方は違っても、起き上がるのはどれも、かつて誰かだった体です。
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ゾンビは何で動く?|肉に残る記憶を忘れさせて霊で操る
ゾンビを動かすのは死霊術師が縛りつけた霊で、ESO の本『死霊術の初心者向け素材』によると、肉が覚えている昔の自分を忘れさせてから操ります。[6:6][2:8]この本は、不死のギララという死霊術師が、初心者に向けて幽霊・スケルトン・ゾンビ・レイス・リッチの扱い方をまとめた手引きです。
ギララは、ゾンビは「まったく別物」だと書きます。[2:8]スケルトンは魔法でつないだ骨組みにすぎず、骨は袋に入れて持ち運べますが、ゾンビの肉は昔の自分の記憶を残しているからです。[2:6,8]儀式と場所を変えることで肉を混乱させて元の自分をはぎ取ると、死体は一種の止まった状態になり、命令をたやすく聞くようになります。[2:8]
Morrowind の『死体処理 第3巻』も、ゾンビを作るには死体を適した場所へ運んで儀式をすればよいと書いています。[1:3]別の作品の二つの手引きが、そろって死体を起こす前に置き場所を移しています。生前の暮らしの場から体を引き離すことが、肉に昔の自分を忘れさせる手順の一つになっているわけです。
ゾンビには、スケルトンに無い手間もかかります。ESO の本『スケルトンの召喚』は、ゾンビを好む術者もいるとしながら、ゾンビは儀式の円や住みかに体の切れ端を落とし、スケルトンのほうが丈夫で器用で速いと書いています。[9:3]
つまり、ゾンビの体を動かすのは縛られた霊ですが、肉の側にはまだ生前の誰かが残っていて、術者はそれを消してから使います。[2:8]
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ゾンビは何度でも起こせる?|縫い直せば何十回も使える従者
『死体処理』第3巻によると、ゾンビは壊されても部品を集めて骨を革紐で縛り、肉を腸線で縫えば、少しずつ弱りながら何十回も起こし直せます。[1:3]腸線は、動物の腸から作る丈夫な糸です。書き手は、従者をばらばらにするのは「我らの術の値打ちを分からない者」だと書き、壊されることを初めから数に入れています。[1:3]
ここが、スケルトンとの大きな違いです。『死体処理』第2巻は、スケルトンは起こし直せない壊れ方をしやすいと書いています。[10:4]骨は一度壊れると起こし直せないことが多いのに対し、肉の残る死体は、縫い直して何度でも戦わせられるわけです。
ゾンビを群れで動かす工夫もあります。ESO の本『ゾンビ:さらなる実験』の書き手は、何週間も失敗した末に、術者がずっと操らなくても動くゾンビを大量に作る方法を見つけました。[11:5]ただし、できたゾンビのほとんどはひどく愚かで従順で、脅されたときに身を守るだけです。群れに交じる何体かの好戦的なゾンビが番犬の役をして、ほかのゾンビに獲物を知らせます。[11:6]
ゾンビは、死霊術師の腕を見せる名刺にもなります。弟子入りを望む者は、昔からのならわしで、自分の作ったゾンビを師にしたい死霊術師に見せることがあります。[5:1]ESO の『ゴーラーの日記 パート1』の書き手は、そのならわしどおり自作のゾンビを大死霊術師の遺跡へ送り、返事が来ないので「私の作った物が劣っていたのか」と気をもんでいます。[12:8]
ミイラの従者とは?|塩とナトロンに漬けて強くしたゾンビ
『死体処理』第3巻は、ただのゾンビを作るのは怠け者か切羽詰まった術者のやり方で、少しの手間でずっと役に立つ従者を作れると勧めています。[1:4]ミイラの従者は、傷みかけた死体を塩かナトロンに 1 か月以上漬けて布で包んでから起こしたゾンビで、ただのゾンビよりずっと強く、自分で考えて命令に従います。[1:5,6]ナトロンは、ミイラ作りに使う天然の塩です。
塩は腐りを止め、いやな臭いも消します。湿った土地では、塩が水を吸いきったら足していきます。[1:5]硬く干からびて役に立たないように見える死体でも、正しい儀式が自分で動く力を吹き込みます。[1:6]
内臓を取るかどうかは、本によって分かれます。第3巻の書き手は、取る術者もいるが自分は理由を見つけたことがないと書きます。[1:5]一方、ESO の本『死の準備の成果』は、起こす前にある部位を取り除くと強くしなやかな体になると書き、内臓はもう役に立たず、皮は腐りの宿になって大事な組織まで傷めると言います。[13:2,3]残すべきは靭帯と筋肉で、傷んでいなければ、丈夫さと動きを大きく高めます。[13:4]
同じ本は、この発見が、ドラゴン・プリーストに仕えるドラウグルが起こされる前にミイラにされた理由かもしれない、と結んでいます。[13:5]ドラウグルはスカイリムの古い墓に眠る古代ノルドの亡者で、ドラゴン・プリーストは竜を崇めた教団の司祭です。

ミイラは、死霊術師だけの物ではありません。敬われた死者をミイラにして葬る習わしは、タムリエルの多くの文化にあります。[14:1]レッドガードはヨクダから渡ってきた時からミイラを作り、帝国は死刑囚に縛りの儀式をしてミイラの番人に変え、カジートはミイラにした猫を起こしてネズミ捕りにします。[14:6,7]こうして保たれた体は、あの世へ行けないまま、あるいは死霊術師の手で、起き上がることがあります。[14:1]
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ラー・ネトゥとは?|レッドガードが打てない祖先のゾンビ
レッドガードは、ハンマーフェルに住む人間の民で、海の向こうの故郷ヨクダから渡ってきました。ヨク語は、そのヨクダの言葉です。ラー・ネトゥは、レッドガードの祖先の体から起こされたゾンビのヨク語の呼び名で、死者を打つのは呪いで恥とされるため、レッドガードには戦いにくい相手です。[15:5,6]ヨク語で、ラー・ネトゥはおおよそ「転じた戦士」を意味します。[15:9]

ふつう、レッドガードの死者は守られています。アリクル砂漠では、トゥワッカの名で清めた体は、アンセイの結界のもとでは強い死霊術でも起こせません。[15:6]トゥワッカは、レッドガードが死者の魂を導くと信じる神です。だからラー・ネトゥの多くは、海で失われた者や忘れられた墓地の死体のような、清められていない死体から起こされます。[15:6]結界が盗まれたときには、死霊術師の教団が、清めた墓からヨクダの戦士ラ・ガーダの強い祖先まで起こしました。[15:7]
ラー・ネトゥと戦う役目を負うのが、アシャバーという部族です。アシャバーは、亡者と戦うために人々から避けられてきた追放の部族で、第一紀という大昔から続く伝統を守っています。[15:7]レッドガードの一派フォアベアは、それを欠かせない務めとして黙認し、陰で支えています。[15:7]
ESO の本『アリクルの冒涜と狂乱』は、アシャバーがラー・ネトゥの軍勢を倒した事件を伝えます。これは、外部者管理局のタジーム博士がヘガテの王家へ出した報告書です。[16:1]センチネルの王ファハラジャードに仕える高官ストゥラは密かな死霊術師で、ほかの高官を皆殺しにして起こし、王を殺させようとしました。[16:5]
逃げたストゥラは黒き虫の教団の者たちと組み、砂漠の奥の忘れられた墓地から、大半がラー・ネトゥの亡者を起こしてセンチネルへ攻め上りました。[16:6]王に頼まれたアシャバーは、禁じられた神秘の技で奇襲してその軍勢を倒し、ストゥラは首長マリマーの刃に倒れます。[16:7]
報告書の書き手は、王が追放の部族に頼んだことを「身を汚した」と書き、王は表向きには神々の助けに感謝しました。[16:7,8]祖先の亡骸を打つ者は、都を救っても汚れた者として扱われるわけです。
では、アシャバーはどのように祖先を打つのでしょうか。ESO の本『ラー・ネトゥの正しい屠り方:12』は、アシャバーの打ち方を記した書の一部です。ラー・ネトゥはトゥワッカの目には忌まわしい物でも、敬意なく扱ってよいわけではないと前置きして、こう続けます。[17:2]
“人の体は聖なる杯である。”
ESO の本『ラー・ネトゥの正しい屠り方:12』より
(For a human body is a sacred chalice)
アシャバーの役目は、邪な物を追い払いながら、聖杯である体をできるかぎり守ることです。そのために、許しの求めを唱えながら、打撃17と呼ぶ決まった打ち方でラー・ネトゥを倒します。[17:3,8]12 番目の打ち方「美しく首を落とす」では、相手の隙を誘ってすれ違いざまに後ろから首を断ち、その前後に許しの求めと詫びを唱え、落とした首はあとで葬るために体のそばへ置きます。[17:5,9,10,11]
首を落とすときでさえ、体を元の持ち主へ返す手順が付いているのです。死霊術師の手引きが肉に昔の自分を忘れさせて使うのとは逆に、アシャバーは、邪な物に入りこまれた体を、最後まで生前の誰かの杯として扱うわけです。[17:2,11]
ラー・ネトゥの体は、帝都の学者の研究材料にもなりました。ESO の本『肉の縫合 パート1』は、帝都の首席の死霊学者に仕える弟子ヴェリアサの記録です。師は「生も死もない。あるのは肉と体液だけ」と言い、帝都の牢から運んだ死体を解剖していました。[18:5,6]
師は、死んだ肉は水を通しやすくなっただけだと考え、センチネルからわざわざ取り寄せたラー・ネトゥの水浸しの遺骸を解剖し始めます。[18:9,12]アシャバーが聖杯と呼んだ祖先の体は、帝都では肉と体液の見本でした。
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ボグ・ブライトとは?|墓杭が抜けると沼から起きるアルゴニアンの亡者
アルゴニアンは、ブラック・マーシュに住むトカゲの民で、死者を沼に葬り、ときに聖なる木ヒストの根元に眠らせます。[8:6]ボグ・ブライトは、アルゴニアンの死体を沼の地に留める墓杭が抜けたときに、死霊術師なしで起き上がるゾンビです。[8:6]

墓杭はズル・ヴァートとも呼ばれ、死体を地に縫い留めて、ボグ・ブライトとして起き上がらないようにします。[8:6]杭の役目は、死体が沼の上に浮いてこないよう押さえることだけではありません。杭にはその人の一生が刻まれ、勝ち負けの話・子どものころの話・友の名・夢と悪夢までが、見る者に死者のことを語ります。[8:6]
杭は、何も知らない者か悪意のある者に、泥から引き抜かれることがあります。そのとき杭に留められていた死体が、ボグ・ブライトとして起き上がります。[8:7]ボグ・ブライトは「死んでいて死んでいない、ナガを丸のみにする物」と語られ、群れると危険です。[8:7]ナガは、沼に住むアルゴニアンの一族です。
沼で暮らす者は、パンジーという煙の仕掛けでボグ・ブライトを遠ざけます。油じみた腐った肉を棚に並べ、生きている者の匂いを隠すのです。[8:7]なぜ死者が起き上がるのかは、はっきりしていません。水の中の何かが起こすと考えられていて、ボグ・ブライトの沈む水を飲めるのはナガだけです。[8:7]
ESO の『ファラルへの手紙』は、ボグ・ブライトを使おうとした男の手紙です。ブラックガードの一人モンガノールは、墓杭の集まる場所を見つけて引き抜けば起こせる、水に何かあるに違いない、と書きます。[19:8]
死体が膨らむことは知りながら、モンガノールは、ボグ・ブライトがわざと人へ突進して「ハンマーで叩いたカボチャのように」弾けていると考えました。[19:10][8:7]何体か捕まえてその力を使えれば、仲間に英雄扱いされると夢見ています。[19:7]
ラー・ネトゥを起こすのは死霊術師でしたが、ボグ・ブライトを起こす術者はいません。死者の物語を刻んだ杭が抜かれると、体はひとりでに起き上がります。[8:6,7]アルゴニアンの墓杭は、体を沼に留める重しであり、その人の一生を語る碑でもあって、物語ごと杭を抜かれた死体がゾンビになるわけです。
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ワーム・スロールとは?|黒き虫の教団が罰と研究のために残す体
黒き虫の教団は、魔術師ギルドを開いたヴァヌス・ガレリオンの宿敵、マニマルコが開いた死霊術師の一党です。[20:2,3]ワーム・スロールは、黒き虫の教団が罰として、また長く調べるために人を保存して起こしたゾンビで、もとは教団の下っ端の呼び名でした。[5:10]
ESO の本『黒き虫の教団』は、魔術師ギルドが教団を調べた報告書です。教団の巣を率いる虫の隠者の下に、熟練した死霊術師と虫の戦士、そして下っ端のワーム・スロールがいると書かれていて、ESO の日本語版はこの下っ端を「虫の信者」と訳しています。[20:6]信者はみな、不死の痛みにかけて秘密を守ると誓います。[20:6]誓いを破れば不死にされるのですから、下っ端の呼び名が、罰として起こされたゾンビの名にもなったのでしょう。

Oblivion では、教団に逆らった者の末路をプレイヤーが目にします。魔術師ギルドのムシアナス・アライアスは、死霊術師の動きを探るために自ら間者となって教団に潜りましたが、逆らった罰としてワーム・スロールに変えられていました。[21:14,17]
教団を率いるマニマルコは、Oblivion の魔術師ギルドの最後の仕事で、ワーム・スロールにしようとする相手に、体はワーム・スロールとして保存し、魂は自分の物にして、力の源を知るために両方を調べると告げます。[22:26]
つまりマニマルコは、体と魂を分けて手元に置くわけです。同じ場面で彼は、相手を「長いワーム・スロールの伝統」に加えると言い、ギルドを開いたガレリオンには「保存の具合はよくないが」特に愛着がわいたと語ります。[22:22,24]マニマルコは歴代のアークメイジを何人もワーム・スロールにしていて、宿敵ガレリオンの亡骸まで手元に置いていることになります。[5:10]アークメイジは、魔術師ギルドの長です。
死霊術師の手引きは肉に昔の自分を忘れさせて使いましたが、ワーム・スロールは逆に、その人を調べるために体を残します。罰として、また見本として保存された体は、教団にとって、生前に誰だったかが値打ちになるゾンビです。
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ゾンビはどんな実験に使われた?|首なしゾンビの血と縫い合わせた肉
レルミナ・ヴェレニムは、Oblivion の追加コンテンツ「シヴァリング・アイルズ」に出るダンマーの魔術師です。肉の魔術の行き過ぎた実験で魔術師ギルドを追われ、狂気のデイドラの大公シェオゴラスに招かれて、その領域で研究を続けました。[23:2]ゾンビは実験の材料にもされてきて、レルミナ・ヴェレニムは首なしゾンビの血を猟犬に混ぜ、痛みに鈍い獣を作りました。[24:7,11]
レルミナの記録『猟犬の血の計画』の 7 日目によると、彼女は猟犬の血の調合に首なしゾンビの血を混ぜれば、怒りが強く痛みに強い獣になると見込みました。[24:7]古い血の猟犬と新しい血の猟犬を戦わせると、新しい血の猟犬は受けた傷をほとんど気にせず、最後まで始めと同じ勢いで戦っています。[24:11,13]次は首なしゾンビの血を薄めて、血そのものの強さを確かめるつもりでした。[24:28]
別の記録『一週間前の血』では、猟犬からゾンビの血を抜き、暑い日なたで一週間腐ったブレトンの死体の血に入れ替えて、戦う力が落ちるかを確かめようとしています。[25:6]レルミナの猟犬の体には、もともとゾンビの血が流れていたことになります。
レルミナの研究は、肉そのものへ向かいました。彼女は肉を「第六の元素」と呼び、魔法をかけた体の部分を縫い合わせて、シヴァリング・アイルズの門番の巨体ゲートキーパーを作っています。[23:2,3]

肉を縫い合わせて動かす亡者は、フレッシュ・アトロナックと呼ばれます。魔法をかけた肉のゴーレムで、皮と筋肉を縫い合わせた塊の姿をしていて、スケルトンやゾンビと並ぶ「起こされた者」に数えられます。[26:5]肉には、魂かデイドラの残滓が縛られています。[26:5]
より大きなフレッシュ・コロッサスの最初の一体は、マニマルコがまだ修道会サイジック会で修行していたころに、密かに作った物です。[26:10]
ゾンビの肉は、魔術師や死霊術師の手で、使い回す従者から、血を取る材料、縫い合わせる部品へと細かく分けられていきました。ここまで来ると、肉はもう誰の物でもない、ただの材料として扱われています。
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ゾンビになる病気はある?|ロドスの疫病と噛まれてうつる腐れ
あります。ESO のロドスの疫病は、かかった人の一部を「疫病ハスク」というゾンビのような者に変え、ある種のゾンビに噛まれると腐る病がうつって、手当てをしないと噛まれた者もゾンビになります。[5:1,2][27:6]ロドスの疫病は、触れるとうつり、空気でも数メートルはうつる病です。[28:2]
ESO の本『秘薬師のメモ』は、隔離所で病人を診た者の記録です。病は微熱と、決して満たされないひどい空腹から始まり、やがて高熱と体に開く傷で食欲が消え、最後には多くが死にます。[27:3,4,6]ところが自然な最期を迎えない病人が増え、人々が「疫病ハスク」と呼ぶ亡者のような物に変わって、出会う命をすべて壊す心の無い暴力の装置になります。[27:6]
この記録の書き手ノストラム・ブレヴァは、治すと約束して病人を集めていました。[27:2]「そんな生き物の軍隊を思い描ける? 計り知れない値打ちよ!」と書き、届いた促進剤で病を速めます。[27:7,8]ロドスの疫病は、モロウウィンドで崇められる三柱の生き神への信仰を終わらせようとした一派が、企てて作った病でした。[28:2]
噛まれてうつる腐れの病のほかにも、ゾンビは多くの病を運びます。[5:2]Oblivion のゾンビは 4 体に 1 体ほどが病を持ち、上位のドレッドゾンビはみな、魔法の力を蝕む病を運びます。[29:9,13]
疫病ハスクには、縛られた霊も、儀式で忘れさせられた肉もありません。生きたまま病に心を奪われた体で、『秘薬師のメモ』も「亡者のような」と書くにとどめています。[27:6]死霊術のゾンビが死体に霊を入れて動かすのに対し、病のゾンビは、生きた人から中身が消えて生まれます。
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作品ごとにゾンビはどう違う?|Oblivion の首なしゾンビと Skyrim の灰になる死体
ゾンビの姿と扱いは作品ごとに違い、Oblivion には首や腕の無いゾンビが出て、Skyrim では呪文で起こした死体は術が切れると灰になります。[29:2,8][30:3]

おもな作品のゾンビを並べます。
| 作品 | ゾンビの姿 | 作品での出方 |
|---|---|---|
| Oblivion | まだらの緑の肉に深い傷があり、腕の無いことが多い。走って追い、うなる[29:2] | 上位に首なしゾンビとドレッドゾンビ。黒き虫の教団のワーム・スロールも出る[29:8][21:17] |
| Skyrim | 多くは吸血鬼と死霊術師が起こし、自分では考えられないが戦う[30:2] | 倒れるか術が切れると灰の山になる。プレイヤーも呪文で起こせる[30:3][31:2] |
| ESO | 攻撃で吐きかけるゾンビもいる[5:2] | ラー・ネトゥ・ボグ・ブライト・疫病ハスクなど、土地と病ごとのゾンビ[15:5][8:6][27:6] |
Skyrim では、プレイヤーも召喚の呪文で死体を起こせます。幽鬼作成などの呪文は死体を 60 秒だけ起こし、最上位の死の従徒は人の死体だけをずっと起こしておけて、倒れても何度でも起こし直せます。[31:2][32:1,5]首を落とされた死体は、どの蘇生の呪文でも起こせません。[31:96]
Skyrim のゾンビは、戦いのあいだ「殺す……」とうめき、倒されると、不死から解き放たれたことに感謝する言葉を残すことがあります。[30:3]すでに一度死んでいるので、魂石に魂を閉じこめることもできません。[30:3]
儀式で忘れさせたはずの肉の中に、解き放たれて礼を言う誰かが残っている。Skyrim のゾンビは、死霊術の手引きが消そうとした「昔の自分」が、最後まで消えきっていないことを見せています。[30:3][2:8]
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ゾンビは生前の本人なのか?|体はまだ誰かの物として扱われる
ゾンビを動かすのは本人の魂ではありませんが、どの土地でもゾンビの体はまだ生前の誰かの物として扱われ、誰の死体が何によって起きたかで名前と扱いが分かれます。[6:6][2:8]作中に、ゾンビの中に本人がいるかを確かめた本はありません。それでも、各地のゾンビの扱いを並べると、答えの向きは見えてきます。
ここまでのゾンビを、誰の死体が何によって起きたかで並べます。
| 種類 | 誰の死体 | 起こすもの | 体の扱い |
|---|---|---|---|
| 死霊術師のゾンビ | 清められていない死体[6:6] | 死霊術師が縛った霊[6:6] | 昔の自分を忘れさせ、縫い直して使い回す[2:8][1:3] |
| ミイラの従者 | 塩に漬けて布で包んだ死体[1:5,6] | 死霊術師の儀式[1:6] | 強く、自分で考えて従う[1:6] |
| ラー・ネトゥ | レッドガードの祖先[15:5] | 死霊術(清めていない死体)[15:6] | アシャバーが許しを求めて屠り、首を体のそばに置く[17:8,11] |
| ボグ・ブライト | アルゴニアン[8:6] | 墓杭が抜けること[8:7] | 杭にその人の一生を刻んで留める[8:6] |
| ワーム・スロール | 教団に逆らった者・歴代のアークメイジ[21:17][5:10] | マニマルコと黒き虫の教団[5:10] | 体を保存し、魂と一緒に調べる[22:26] |
| 疫病ハスク | ロドスの疫病にかかった人[27:6] | 病[28:2] | 心を失い、出会う命を壊す[27:6] |
起こすものは霊・儀式・抜けた杭・病とばらばらですが、どの行でも、体は「誰かの体」として扱われています。死霊術師は肉に残る昔の自分を消す手間をかけ、アシャバーは祖先の杯に詫び、アルゴニアンは杭にその人の物語を刻み、マニマルコはその人を調べるために体を残しました。[2:8][17:2][8:6][22:26]
ゾンビが忌まれるのは、腐った肉が動くことそのものより、その体がまだ誰かの物だからなのでしょう。Skyrim のゾンビが倒れぎわに礼を言うとき、言っているのは縛られた霊なのか、忘れさせられたはずの本人なのか。あなたが次に起こすゾンビは、誰の体でしょうか。
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よくある質問
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参考文献
記事で引いた本と台詞の原文は、次のとおりです。番号の後ろの「行」の数字は、引いた一文へのリンクです。
- 『死体処理 第3巻』(Corpse Preparation v III。Morrowind の本) 行2~6
- 不死のギララ『死霊術の初心者向け素材』(Materials for Novice Necromancers。ESO の本) 行6,8
- The Imperial Library「On the Preparation of the Corpse, Volume Three: The Fresh Corpse」(英語の原文)
- 当サイトの訳『死体処理』(全訳)
- UESP「Zombie」(ゾンビ) 行1,2,10
- エリンヒルのファラスタス『不浄の軍団』(Unhallowed Legions。ESO の本) 行6
- 『死者の軍団』(Legions of the Dead。Morrowind の本) 行3
- UESP「Bog Blight」(ボグ・ブライト) 行6,7
- 『スケルトンの召喚』(On Summoning Skeletons。ESO の本) 行3
- 『死体処理 第2巻』(Corpse Preparation v II。Morrowind の本) 行4
- 『ゾンビ:さらなる実験』(Zombies: Further Experiments。ESO の本) 行5,6
- 闇のゴーラー『ゴーラーの日記 パート1』(Gorlar’s Journal, Part One。ESO の本) 行8
- 『死の準備の成果』(Cadaver Preparation Findings。ESO の本) 行2~5
- UESP「Mummy」(ミイラ) 行1,3,6,7
- UESP「Ra-Netu」(ラー・ネトゥ) 行5~7,9
- タジーム博士『アリクルの冒涜と狂乱』(Sacrilege and Mayhem in the Alik’r。ESO の本) 行1,5~8
- 『ラー・ネトゥの正しい屠り方:12』(Correct Ways of Slaying Ra-Netu: 12。ESO の本) 行2,3,5,8~11
- 『肉の縫合 パート1』(Stitching Flesh, Part 1。ESO の本) 行5,6,9,12
- モンガノール『ファラルへの手紙』(Letter to Faral。ESO の本) 行7,8,10
- 幻術師ブルサイル『黒き虫の教団』(The Order of the Black Worm。ESO の本) 行2,3,6
- Oblivion のムシアナス・アライアス(UESP「Mucianus Allias」) 行14,17
- Oblivion の魔術師ギルドの仕事「Confront the King」のマニマルコの台詞(UESP) 行22,24,26
- UESP「Relmyna Verenim」(レルミナ・ヴェレニム) 行2,3
- レルミナ・ヴェレニム『猟犬の血の計画』(Project Hound’s Blood – Day 7。Oblivion(シヴァリング・アイルズ)の記録) 行7,11,13,28
- レルミナ・ヴェレニム『一週間前の血』(Week-old blood。Oblivion(シヴァリング・アイルズ)の記録) 行6
- UESP「Flesh Atronach」(フレッシュ・アトロナック) 行5,10
- ノストラム・ブレヴァ『秘薬師のメモ』(Nostrum’s Notes。ESO の本) 行2~4,6~8
- UESP「Llodos Plague」(ロドスの疫病) 行2
- Oblivion のゾンビ(UESP「Oblivion:Zombie」) 行2,3,8,9,13
- Skyrim のゾンビ(UESP「Skyrim:Zombie」) 行2,3,7
- Skyrim の蘇生の呪文(UESP「Reanimate (spells)」) 行2,96
- Skyrim の死の従徒(UESP「Dead Thrall」) 行1,5





















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