
Skyrim の古代ノルドの墓をいちばん奥まで進むと、石棺の蓋がはじけ飛び、仮面をつけた干からびた魔術師が宙に浮かんで襲ってきます。[1:11]これがドラゴン・プリーストで、倒すと灰の山になり、仮面だけが残ります。[1:127]
ところが作中の本に出てくる司祭は、墓の奥で待ち伏せるだけの魔物ではありません。竜教団の内側から書かれたある本は、墓をさまよう亡者のドラウグルを、司祭に仕える「最も誉れ高い同胞」と呼んでいるのです。[2:5]
この記事では、作中の本と遺跡に残る書き置きをもとに、ドラゴン・プリーストが竜教団で何をしていたのか、なぜ死んだあとも墓で眠り続けるのか、司祭の仮面とコナヒリク、竜に背いたミラーク、竜教団のその後までを解説します。
まず読んでおきたいのは、ESO の本『ドラウグルと竜教団』です。竜教団が滅んでから長い時がたった第二紀に、竜教団の歴史家を名乗るスコルンヴィニル・キルンドが、教団の内側から墓のドラウグルについて書いた短い文書です。[2:3]
この本が誇らしげに語る竜の約束とは、何だったのでしょうか。約束をした竜とは何者で、司祭はなぜ従者に生かされてまで墓で眠り続けたのでしょうか。
- ドラゴン・プリーストとは?|竜に代わって人を治めた竜教団の司祭
- 竜教団はなぜ滅んだ?|暴君になった司祭と竜戦争
- ドラゴン・プリーストの仮面とは?|司祭と同じ名を持つ竜の贈り物
- ヘブノラーク|「残忍」の名を持つ鉄の仮面
- クロシス|竜の巣に眠る「悲しみ」の仮面
- モロケイ|マグナスの杖を握った「栄光」の仮面
- ナークリーン|ソブンガルデの門を守った「復讐」の仮面
- 狂王のオタール|2つの鍵で封じられたマラカイトの仮面
- ラーゴット|最後の拠点の長が残した「怒り」の仮面
- ヴォクン|イスグラモルの子孫と滅ぼした「影」の仮面
- ヴォルサング|旅と商いに向いたコランダムの仮面
- ミラーク|竜に背いた司祭の「忠誠の導き手」
- アージダル|付呪師の司祭の「苦い破壊者」
- ドゥカーン|白い墓に眠る「不名誉」の仮面
- ザークリソス|鉱山が掘り当てた「剣の血」の仮面
- ESO の司祭の仮面|第二紀の墓に残る仮面
- コナヒリクと木の仮面|8つの仮面で開く最上位の仮面
- 司祭はなぜ死んでも動く?|従者の命の力で生きる特別なリッチ
- 墓の司祭はどう封じられた?|カイネの炎と力を狙う死霊術師
- ミラークとは?|竜に背いた最初のドラゴンボーンの司祭
- 竜教団は竜戦争のあとも続いた?|第二紀に現れた新しい司祭と信徒
- 竜教団が待っていたものは?|死霊術ではなく竜による復活
- よくある質問
- 参考文献
ドラゴン・プリーストとは?|竜に代わって人を治めた竜教団の司祭
ドラゴン・プリーストは、竜を神のような王として崇めた竜教団の司祭で、竜から声の力を授かり、竜に代わって王と同じ権威で人を治めました。[5:3]竜教団は、メレシック紀の終わりに北の大陸アトモーラとスカイリムで中心にあった宗教です。[5:2]声の力とは、竜の言葉で叫んで力を放つスゥームのことで、Skyrim の主人公が使うシャウトと同じ物です。[5:3]
竜教団は、アトモーラの人々がタムリエルへ渡ってきたときに持ちこんだ、竜を頂点に置くトーテムの宗教から生まれました。[5:3]竜たちは自分を人より上の神のような王と考えていましたが、人の細かな政治には関心がありませんでした。[5:9]そこで竜は力のある魔術師にスゥームを授けて司祭にし、自分たちと人とのあいだに立てたのです。[5:9]
竜と司祭の取り引きは、竜が絶対の服従と引き換えに力の一部を分け、司祭が王と並んで人を治めるというものでした。[6:4]古代のノルドの言葉で竜は「drah-gkon」や「dov-rha」と呼ばれましたが、この名を口にすることは司祭のほかには禁じられていました。[6:3]
竜教団の中の位は、上から次のように分かれていました。
- 竜(ドラゴン・ロード)
神として崇められた竜です。自分の司祭を選んだ竜は、ドラゴン・ロードと呼ばれました。[5:9] - ドラゴン・プリースト
竜と結ばれた司祭です。ふつうの信徒からは、竜の言葉で「ドラゴン・プリースト」を意味する「ソナーク」と呼ばれました。[5:42] - 司祭より下の僧
竜の鱗を表す菱形の印を身につけ、口を開けた竜の形の輪を頭にかぶる者もいました。[5:44] - 信徒
竜と司祭を崇めた人々です。司祭が葬られるときには、一緒に墓へ葬られました。[7:4]
司祭と竜の結びつきが魔法によるものか、政治だけのものかは分かっていませんが、少なくとも一部には強い心の結びつきがありました。[5:9]ESO の本『ザーン・スケイルコーラーの歴史』は、竜のサーヴォクンに異例の若さで選ばれた司祭ザーンの話を伝えています。[8:3]
サーヴォクンが神殿を去ると、ザーンは沈み込んで人を避けるようになり、竜を追い払ったと信徒に責められても何も言い返さず、そのまま殺されました。[8:4,5]本の書き手は、竜を失った悲しみで、ザーンは話す気力か、話す力そのものを失っていたのではないかと考えています。[8:7]司祭の力も身分も竜から借りた物で、竜がいなくなれば、司祭は言葉さえ失うことがあったのです。
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竜教団はなぜ滅んだ?|暴君になった司祭と竜戦争
スカイリムの司祭たちが都ブロムジュナールから暴君として人を治め、背いた人々との竜戦争で竜の長アルドゥインが倒されて、竜教団は表から消えました。[5:4]アトモーラの司祭は、法と暮らしの決まりを定めて竜と人の平和を保っていましたが、タムリエルの司祭はそれほど穏やかではありませんでした。[6:5]
なぜ変わったのかは分かっていません。野心のある司祭が力を握った、ある竜がそうさせた、弱い王が続いた、と学者はいくつかの説を挙げています。[5:15]
位の高い司祭は、今のハイヤルマーチにあったブロムジュナールに集まって、治め方を話し合いました。もとは竜の神殿として建てられ、やがて竜教団の都になった大きな町です。[5:11]
人々が背くと司祭は報復し、竜の答えは素早く残酷でした。こうして始まったのが竜戦争です。[6:6]竜の中にもパーサーナックスのように人の側につく者が現れ、女神カイネの助けを受けて、それまで司祭だけの物だったスゥームを人に教えました。[5:16]最後はハコンら 3人の英雄が、竜を空から落として倒せる体にするシャウトのドラゴンレンドと星霜の書を使い、世界のノドでアルドゥインを時の流れの彼方へ追いやりました。[5:25]Skyrim の主人公が星霜の書をのぞいて目にする、あの戦いです。
戦のあと、司祭は倒され、竜は大勢殺されました。[6:8]それでも竜教団は形を変えて生き延び、倒れた竜の亡骸の上に竜の墓を築いて、いつか竜がよみがえって信じる者に報いると信じました。[6:8]アルドゥインの崇拝は禁じられましたが、ひそかに崇め続ける者もいました。[5:31]
竜教団の最後の拠点になったのが、山の上の修道院フォーレルホストです。第一紀 139 年、エルフと戦っていたハラルドの軍が、滅んだと思われていた竜教団の隠れ里をここで見つけ、数週間にわたって包囲しました。[5:28]ハラルドは、のちにスカイリムの最初の上級王になる人物です。[5:5]第一紀 140 年、包囲の末に教団は集団で自害しました。[5:28]

フォーレルホストには、自害の前に信徒が残した書き置きがあります。異教徒の手に落ちるより死を選ぶ、竜こそがかつての神々で、戻ってくれば我らに命を返してくれるのに、奴らはそれを忘れた、という内容です。[5:1]
包囲した側の記録も残っています。指揮を執ったスコルム・スノー・ストライダーの『スコルム・スノー・ストライダーの日記』によると、門を破って中に入ると全員がすでに死んでいて、手首を切った者や、空の小瓶のそばで倒れた者が見つかりました。[9:13]地下の墓所で見つけた井戸の水を兵たちが我先に飲み、止める前に 40人が毒で死んでいます。[9:15]中庭の上の扉には結界が張られ、魔術師たちは、ここで払われた犠牲が少なくとも数十年は結界を保つと考えました。[9:16]
このとき修道院を率いていたのは司祭ラーゴットで、信徒の犠牲が作った結界が、攻め手に修道院を荒らさせなかったと伝わります。[10:31]信徒たちにとって、死は終わりではなく、竜が戻る日までの眠りでした。だから異教徒に捕まるより、竜を待って死ぬほうを選んだのです。[5:1]
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ドラゴン・プリーストの仮面とは?|司祭と同じ名を持つ竜の贈り物
仮面は位の高い司祭だけが竜から授かった付呪の道具で、持ち主の司祭と同じ竜の言葉の名を持ち、最上位の仮面コナヒリクは 8つの仮面がそろわないと取り出せない像に納められていました。[5:42][10:1][11:6]仮面の材質はさまざまで、どれにも強い付呪がかかっています。[5:42]中には、持ち主が死んだあとも顔から外れなかった仮面もありました。[5:42]
仮面がいくつあったのかは分かっておらず、ほかより古い仮面もあります。[10:1]仮面は持ち主と一緒に葬られていましたが、第四紀 201 年に竜が戻ると、多くの司祭が眠りから目覚めました。[10:1]Skyrim の主人公が墓で出会う司祭は、この目覚めた司祭たちです。
Skyrim のブロムジュナール聖域で、コナヒリクの像を囲む台に置くのは、次の 8人の司祭の仮面です。[10:15]名の意味は、竜の言葉を訳した物です。
| 仮面(司祭) | 竜の言葉の意味 | 司祭が眠る所 |
|---|---|---|
| ヘブノラーク | 残忍 | ヴァルスム |
| クロシス | 悲しみ | シアーポイント |
| モロケイ | 栄光 | ラビリンシアン |
| ナークリーン | 復讐 | スクルダフン |
| 狂王のオタール | — | ラグンヴァルド |
| ラーゴット | 怒り | フォーレルホスト |
| ヴォクン | 影 | ハイゲートの遺跡 |
| ヴォルサング | — | ヴォルスキーグ |
狂王のオタールとヴォルサングは、名の意味が記されていません。
ここからは仮面を 1つずつ、持ち主の司祭・眠る墓・仮面の作り・Skyrim でかぶったときの付呪の順に見ていきます。表の 8つのあとに、Skyrim の追加コンテンツ「ドラゴンボーン」の 4つと ESO の仮面を並べ、最後にコナヒリクと木の仮面を置きます。
ヘブノラーク|「残忍」の名を持つ鉄の仮面
ヘブノラークは「残忍」を意味する鉄の仮面で、人を心酔させて兵を集めた司祭ヘブノラークの物です。[10:13]ヘブノラークは生前、人を惹きつける力で忠実な軍を作り、多くの善人を堕落させました。[10:13]死ぬ前には自分の復活を執念深く計画してヴァルスムに葬られましたが、ヴァルダーという男に阻まれ、ヴァルダーの霊は死んだあともヘブノラークを墓に封じ続けました。[10:13]Skyrim でかぶると、病気と毒をまったく受けなくなります。[12:125]

クロシス|竜の巣に眠る「悲しみ」の仮面
クロシスは「悲しみ」を意味する仮面で、ペイルの山シアーポイントの頂に葬られた司祭クロシスの物です。[10:19]シアーポイントは竜の巣でもあり、Skyrim では竜と司祭が同じ頂にいます。[12:145]クロシスがどんな司祭だったかは伝わっていません。仮面は青銅の色に見えますが、実は鉄でできていて、かぶると開錠・弓術・錬金術が 20% 上がります。[10:19][12:140]

モロケイ|マグナスの杖を握った「栄光」の仮面
モロケイは「栄光」を意味する仮面で、かつての都ブロムジュナール、今のラビリンシアンに眠る司祭モロケイの物です。[10:23]モロケイは第四紀のある時にマグナスの杖を手にし、ラビリンシアンに入ったウィンターホールド大学の魔術師の一行で、生きて戻ったのはのちのアークメイジ、サボス・アレンだけでした。[10:23]サボス・アレンは仲間 2人を犠牲にしてモロケイを閉じこめ、遺跡を封じています。[10:23]仮面は灰色の金属に見えますが、実はムーンストーンで、かぶるとマジカの回復が 2 倍の速さになります。[10:23][12:160]

ナークリーン|ソブンガルデの門を守った「復讐」の仮面
ナークリーンは「復讐」を意味する黒檀の仮面で、スクルダフンでアルドゥインのソブンガルデへの門を守る役を負っていた司祭ナークリーンの物です。[10:25]8人の中でただ一人、Skyrim のメインクエストの途中で主人公が出会う司祭です。[12:169]かぶるとマジカが 50 増え、破壊と回復の魔法を 20% 少ないマジカで使えます。[12:169]

狂王のオタール|2つの鍵で封じられたマラカイトの仮面
狂王のオタールの仮面は、名の意味が記されていないマラカイトの仮面で、ラグンヴァルドに葬られた司祭オタールの物です。[10:27]なぜ「狂王」と呼ばれたのかは伝わっていません。オタールの墓は封じられ、開ける鍵は 2 体のドラウグル、ガーディアン・サエレックとガーディアン・トルステンが守っていました。[10:27]第四紀 201 年に Skyrim の主人公が墓を開け、オタールを滅ぼします。[10:27]仮面はマラカイトなのに透き通っておらず、かぶると炎・冷気・雷への耐性が 30% 上がります。[10:27][12:179]

ラーゴット|最後の拠点の長が残した「怒り」の仮面
ラーゴットは「怒り」を意味するオリハルコンの仮面で、竜教団の最後の拠点フォーレルホストを率いた司祭ラーゴットの物です。[10:31]第四紀 201 年、名の分からない後ろ盾が、アルトマーのヴァルミルをスカイリムへ送り、フォーレルホストからこの仮面を取り戻させようとしました。[10:31]ヴァルミルは帝国軍とストームクロークの兵をだまして仮面を集めさせ、ラビリンシアンへ運ぶよう命じられていました。[10:31]Skyrim の主人公は仮面を手に入れたあと、ヴァルミルのたくらみに気づいて倒します。[10:31]かぶるとスタミナが 70 増えます。[12:187]

仮面をラビリンシアンへ運ばせたのは、8つをそろえてコナヒリクを取り出すためだったのでしょう。[10:31]第四紀になっても、司祭の仮面を力として欲しがる者がいたことになります。
ヴォクン|イスグラモルの子孫と滅ぼした「影」の仮面
ヴォクンは「影」を意味する鋼鉄の仮面で、ハイゲートの遺跡に葬られた司祭ヴォクンの物です。[10:33]ヴォクンがどんな司祭だったかは伝わっていません。第四紀 201 年、Skyrim の主人公と、イスグラモルの子孫アンスカがヴォクンを滅ぼします。[10:33]かぶると、変性・召喚・幻惑の魔法を 20% 少ないマジカで使えます。[12:191]

ヴォルサング|旅と商いに向いたコランダムの仮面
ヴォルサングは名の意味が記されていないコランダムの仮面で、ヴォルスキーグに葬られた司祭ヴォルサングの物です。[10:35]ヴォルサングがどんな司祭だったかは伝わっていません。かぶると水の中で息ができ、持てる重さが 20 増え、売り買いの値が 20% 良くなります。[12:206]8つの中で、戦いや魔法ではなく旅と商いに向いた付呪を持つのは、ヴォルサングだけです。

ミラーク|竜に背いた司祭の「忠誠の導き手」
ミラークは「忠誠の導き手」を意味する金色の仮面で、竜に背いた最初のドラゴンボーンの司祭ミラークの物です。[10:21]竜への忠誠を導くはずの名を持つ司祭が、竜の魂を奪う側に回ったことになります。ミラークの生涯は、あとの見出しで詳しく見ます。Skyrim の追加コンテンツ「ドラゴンボーン」で手に入り、かぶるとマジカが 70 増えます。[12:150]仮面には重装と軽装の形があり、主人公の得意な方が手に入ります。[12:152]

アージダル|付呪師の司祭の「苦い破壊者」
アージダルは「苦い破壊者」を意味する仮面で、ノルドで最初の偉大な付呪師だった司祭アージダルの物です。[10:3]アージダルはオブリビオンの秘密の力を求めて狂い、仲間の司祭に追われて、ソルスセイムのコルビョルン墓地に封じられました。[10:3]仮面は青銅の色に見えますが、実は黒檀で、かぶると炎への耐性が 50% 上がり、炎の魔法の威力が 25% 増します。[10:3][12:109]

ドゥカーン|白い墓に眠る「不名誉」の仮面
ドゥカーンは「不名誉」を意味する仮面で、ソルスセイムのホワイトリッジ墓地に葬られた司祭ドゥカーンの物です。[10:9]ドゥカーンがどんな司祭だったかは伝わっていません。仮面は白っぽい金属に見えますが、実は黒檀で、かぶると冷気への耐性が 50% 上がり、冷気の魔法の威力が 25% 増します。[10:9][12:117]

ザークリソス|鉱山が掘り当てた「剣の血」の仮面
ザークリソスは「剣の血」を意味する仮面で、ブラッドスカル氏族の一人だったと考えられる司祭ザークリソスの物です。[10:41]ザークリソスは、ソルスセイムのブラッドスカル墓地の封じられた奥に葬られていました。[10:41]第四紀 10 年、レイヴン・ロックの黒檀の鉱山が墓地まで掘り抜きましたが、中で人が死に、東帝都社が入口を封じています。[10:41]Skyrim の主人公は、そのとき死んだ男のひ孫に頼まれて墓地に入り、ブラッドスカルの剣で奥の封印を開けてザークリソスを滅ぼします。[10:41]仮面は灰色の金属に見えますが、実は黒檀で、かぶると雷への耐性が 50% 上がり、雷の魔法の威力が 25% 増します。[10:41][12:221]

アージダル・ドゥカーン・ザークリソスの 3つは、どれも黒檀でできていて、炎・冷気・雷を 1つずつ受け持つ、そろいの仮面です。[10:3,9,41]
ESO の司祭の仮面|第二紀の墓に残る仮面
ESO の第二紀には、Skyrim に出てこない司祭の仮面がいくつも出てきますが、多くはどんな仮面だったかが伝わっていません。[10:5,11]分かっている事を、司祭ごとに並べます。
- ザーン
竜サーヴォクンに仕えた司祭ザーン・スケイルコーラーの仮面で、金色で牙がついています。[10:43] - ヴォシス
フォーレルホストに葬られた司祭で、第二紀 582 年に虫の教団がこの仮面を狙ってフォーレルホストを襲いました。[10:37] - アキールダル
クラグローンの遠吠えの墓地に、仮面と一緒に葬られた司祭です。[10:5] - アルトシース
ロスガーの墓に葬られた追放の司祭で、墓の宝物庫にはもう 1つ、古い作りの値打ちのある仮面が納められていました。[10:7] - ハルドリーン
ブリークロック島の墓に葬られた司祭で、生前は仮面をかぶっていました。[10:11] - コルソール
ヴルドングラヴに、仮面と一緒に葬られた司祭です。[10:17] - ラカジン
新たなる月の教団の大司祭で、イオンストーンの仮面を授かりました。[10:29]
アルトシースの墓の 2つ目の仮面が「早い時期の作り」とされることは、仮面の中にほかより古い物があることと重なります。[10:1,7]仮面は一度に作られた物ではなく、長い時をかけて司祭に授けられていったのでしょう。
コナヒリクと木の仮面|8つの仮面で開く最上位の仮面
最上位の仮面コナヒリクは、竜の言葉で「将軍」を意味し、持ち主は分かっていません。[10:15]コナヒリクはブロムジュナールの封じられた石の竜の像の中に納められ、8人の位の高い司祭の仮面を像のまわりの台に置いたときだけ取り出せました。[10:15]都が廃れて像が崩れたあとも、コナヒリクは中に閉じこめられたままでした。[10:15]

第四紀 201 年ごろ、ある学者が木の仮面を見つけ、それをかぶると像がまだ崩れていなかった昔へ戻れることを知りましたが、取り乱した傭兵に殺されました。[10:15]Skyrim の主人公はこの木の仮面を拾い、8つの仮面を過去へ運んでコナヒリクを手に入れます。[10:15]
コナヒリクは金でできています。[10:15]Skyrim でかぶると、体力が 15% を切ったときに一定の確率で傷が治り、まわりの敵が吹き飛び、まれに霊のドラゴン・プリーストが現れて味方をします。[12:133,135]木の仮面は、見つかった崩れた建物の中でかぶったときにだけ、持ち主を過去へ運びます。[12:213]


持ち主の分からない「将軍」の仮面が、8人の司祭の仮面をそろえないと出てこない仕組みは、位の高い司祭たちがブロムジュナールに集まって治めたことと重なります。[5:11]コナヒリクは一人の司祭の物というより、司祭たちがそろったときの竜教団の頂を形にした仮面なのでしょう。
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司祭はなぜ死んでも動く?|従者の命の力で生きる特別なリッチ
竜が司祭に約束した永遠の命は死後に特別なリッチという形で与えられ、司祭は墓で毎夜起きる従者のドラウグルから命の力を受けて生き続けます。[5:52]リッチは、死霊術で死を越えた魔術師のことです。[13:1]ドラゴン・プリーストの多くがリッチになり、ドラウグルの従者の終わらない崇拝によって、生前の力の多くを保ちました。[14:2]
ふつうの死霊術師がリッチになるときは、自分の魂を「聖句箱」と呼ばれる器へ移します。これは、死霊術の中でいちばん手のこんだ不死の形です。[13:1]
ドラゴン・プリーストは違いました。司祭を生かすのは自分の魂の術ではなく、信徒たちの命の力です。信徒は毎夜ドラウグルとして起き上がって司祭の墓室へ向かい、自分の命の力を司祭の体へ流しこみます。[5:52]
冒頭の『ドラウグルと竜教団』が書いていたのも、この仕組みです。毎夜目を覚まし、司祭に力を移す儀式をして、また眠る。教団の内側の書き手は、それを「最も清らかな崇拝」と呼びました。[2:4]
同じことを、教団の外から確かめた学者もいます。Skyrim の本『ドラウグルに囲まれて』の書き手ベルナデッテ・バンティエンは、ノルドの墓でドラウグルと暮らし、7 か月目にようやく襲われなくなりました。[7:2]毎日ちがう組のドラウグルが目を覚まして司祭の石棺まで歩き、その前にひれ伏して、まわりを丁寧に掃除していたといいます。[7:4]バンティエンが占いの呪文を墓に仕掛けると、信徒から主へ、はっきりと命の力が流れていました。[7:5]
バンティエンはそこから、竜教団の考えを次のようにまとめています。二つ目の永遠の命を約束されたのは司祭の位に上った者だけで、下の位の者たちは、司祭を永遠に支えるために自分の命の力を差し出したのだ、と。[7:6]
教団の内と外の二人の書き手が、同じ仕組みを書いていることになります。[7:6]死霊術師の亡者は、術者が体に縛りつけた魂で動き、術者に従う従者です。[15:2,7]ドラゴン・プリーストはその逆で、主の司祭のほうが従者に生かされているのです。[5:52]
そして、司祭と信徒が受け取った永遠の命は同じではありませんでした。司祭は死んですぐ、リッチとして生き続ける命を受け取りました。下の信徒に残されたのは、命の名残を毎夜ともし直しながら司祭に力を送る務めと、竜が戻れば命を返してもらえるという、フォーレルホストの信徒が書き残した望みでした。[7:6][5:1]墓に眠る司祭は「死んで夢見る者」と呼ばれましたが、その夢を支えていたのは、信徒たちの命だったのです。[5:52]
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墓の司祭はどう封じられた?|カイネの炎と力を狙う死霊術師
目覚めれば災いになる司祭は、カイネの司祭が守る聖なる炎や、命がけで封じた者の霊によって墓に閉じこめられ、その仮面と力を狙う死霊術師が封印を破ろうとしました。[14:2][10:13][16:7]眠りを妨げられた司祭は石棺から勢いよく飛び出し、墓に入った者を滅ぼそうとします。[14:3]
その代表がモロケイです。モロケイはかつての都ブロムジュナール、今のラビリンシアンに葬られた司祭で、竜の声でなければ殺せないほどの力を持っていました。[10:23][17:4]ESO の本『モロケイの危険』の書き手はカイネの年老いた司祭で、仲間とともに 4つの聖なる炎を絶やさず燃やし、モロケイを墓に閉じこめてきたと書いています。[17:5]老いた書き手は、この務めを孫娘のイルシルドに継がせるつもりでした。[17:6]

炎の封印を破ろうとしたのは、司祭の力を欲しがる死霊術師でした。ラビリンシアンに残る死霊術師の書き置き『モロケイの力』には、ノルドの伝説の司祭は着ける者に信じがたい力を与える仮面を持っていて、難しいのは仮面を持ち主から引きはがすことだ、とあります。[16:7]第二紀 582 年ごろ、アルゴニアンの死霊術師がモロケイの力を奪おうと封印を解きにかかりましたが、イルシルドが ESO の主人公の助けで儀式をやり直し、死霊術師はモロケイが解き放たれる前に倒されました。[11:11]
第三紀の終わりごろにはカイネの信者も絶えたようで、自由になったモロケイはマグナスの杖を手に入れました。[11:15]その後ラビリンシアンに入った魔術師の一行はサボス・アレンのほかは戻らず、アレンは仲間 2人を犠牲にしてモロケイを閉じこめ、遺跡を封じています。[11:15]Skyrim のウィンターホールド大学のクエストで、主人公がアークメイジのサボス・アレンの残した封印を開けて進むのが、この遺跡です。[11:16]
封印を守ったのは、カイネの司祭だけではありません。生前に人を惑わせて忠実な従者を集めたヘブノラークは、死ぬ前から自分の復活を執念深くたくらみましたが、ヴァルダーという男に阻まれました。ヴァルダーの霊は、死んだあとも墓が開かないよう見張り続けたのです。[10:13]
竜教団が滅んだあとのスカイリムで、司祭の墓は崇める場所ではなく、閉じておく場所になりました。そして封印を守る者がいなくなるたびに、司祭は目を覚ますのです。[11:15]
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ミラークとは?|竜に背いた最初のドラゴンボーンの司祭
ミラークは竜の魂を持って生まれた歴史で最初のドラゴンボーンにして竜教団の司祭で、ハルメアス・モラの力で竜に背き、それを見抜いた司祭ヴァーロックとの戦いの末にアポクリファへ連れ去られました。[5:19,21]ドラゴンボーンは竜の魂を持って生まれ、竜の魂を取りこめる人のことで、Skyrim の主人公もその一人です。[5:19][1:113]ハルメアス・モラは知識をつかさどるデイドラの王で、アポクリファはその領域です。[18:5][1:113]
ミラークは一時は竜教団を率い、竜の名のもとに、スカイリムの北の海に浮かぶ島ソルスセイムを治めていました。[5:19]しかし竜の仲立ちではなく自分のために島を治めたいと望み、そこへ力を差し出したのがハルメアス・モラでした。[5:19]モラは人と竜の心を曲げるシャウトを教え、ミラークは竜の魂を取りこむために竜を殺しはじめます。[5:20]アージダル・ドゥカーン・ザークリソスの 3人の司祭も、ミラークに従いました。[5:19]


裏切りに気づいたのは、別の司祭ヴァーロックでした。竜の側の司祭とミラークたちが戦い、最後は二人の司祭が何日も呪文とシャウトをぶつけ合って、その激しさで今のソルスセイムが本土から引きちぎられたと伝わります。[5:21]ヴァーロックがとどめを刺そうとしたその時、モラがミラークをアポクリファへさらいました。[5:21]竜はミラークの神殿を焼き払って 3人の司祭を墓所に封じ、ヴァーロックには、ミラークが戻ってこないか島を見張る役を与えました。[5:22]
ヴァーロックの名は竜の言葉で「守護者」を意味し、名のあるドラゴン・プリーストの中でただ一人、自分の名の仮面を持っていません。[19:17,18]
この戦いは、島に住むスカールの伝説にも残りました。帝国の学者がスカールの村のシャーマンから聞き書きした Skyrim の本『ガーディアンと裏切り者』では、守護者は島の主に任じられる前に、裏切り者の帰りを見張る誓いを立てさせられます。[20:5,11]伝説は、島の民は守護者の後継ぎとして油断してはならない、と結ばれています。[20:12]
第四紀 201 年、ミラークはタムリエルへ戻ろうとしましたが、Skyrim の主人公とハルメアス・モラに阻まれます。[10:21]司祭は倒されるとみな灰になりますが、ミラークだけは骨になります。[1:127]墓でリッチとして眠っていたほかの司祭と違い、ミラークはずっとアポクリファにいたのです。[18:8]
ミラークに従ったアージダルも、変わった道をたどった司祭です。アージダルはサールザル生まれの最初の偉大なノルドの付呪師で、知識を求めて司祭になりましたが、オブリビオンの秘密の力を求めて狂い、仲間の司祭に追われてソルスセイムへ逃れました。[10:3]第四紀 201 年、その墓を掘ったダンマーは、坑夫や傭兵の命を次々に捧げてアージダルをよみがえらせています。[10:3]ここでも司祭を起こしたのは、人の命でした。
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竜教団は竜戦争のあとも続いた?|第二紀に現れた新しい司祭と信徒
表の宗教としての竜教団は竜戦争で消えましたが、第二紀にも竜を崇めて新しいドラゴン・プリーストを立てた教団や、竜教団を戻そうとする一団が現れています。[5:38,39]冒頭の『ドラウグルと竜教団』の書き手も、第二紀に竜教団の歴史家として、崇拝は先祖が敗れたあとも続いていると書いていました。[2:3]
一つは、南の州エルスウェアの新たなる月の教団です。アルドゥインがスカイリムを治めていたころ、竜のカールグロンティードは自分の誇りと野心のために一族から離れました。[5:38]第二紀にエルスウェアへ現れたカールグロンティードの配下は、戦乱に苦しむカジートの不安につけこんで竜の崇拝を立て直し、カジートのラカジンを竜の司祭に立てています。[5:38]ラカジンは仮面を与えられ、教団の大司祭になりました。[10:29]
もう一つは、スカイリム西部にある竜教団の古い墓ドラゴンの家に住みついた一団で、竜を呼び出せば竜教団をスカイリムに戻せると信じていました。[5:39]ノルドの魔術師ヘイルナはこの一団を追い、ESO の『ヘイルナの日記』に「かつて強大だった勢力の屍に住んでいる」と書き残しています。[21:4][22:6]ヘイルナは一団を皆殺しにしようと墓へ入りこみましたが、捕まって魂を子どもの人形に縛りつけられました。[5:39]
死霊術で司祭そのものを呼び戻そうとした者もいました。同じころ、竜教団の僕を名乗る死霊術師が、クラグローンの遠吠えの墓地でドラゴン・プリーストのアキールダルをよみがえらせています。[5:39]

アキールダルの墓室には、死霊術師が唱えた呼びかけの文が本として残っています。墓の主を「強大なるドラゴン・プリースト」とたたえ、自分を「しもべ」と呼んで始まる文は、最後にこう結ばれます。
“我は汝に命じる! 我は汝を操る! 我が言葉を聞き、我に従え! よみがえれ!”
ESO の本『ドラゴン・プリースト—出でよ!』より
(I command you! I control you! Hear my words and obey me! Arise!)
竜教団では、信徒が自分の命を差し出して司祭を生かしました。[5:52]ところが竜教団の僕を名乗ったこの死霊術師は、しもべと名乗りながら、最後は命令で司祭を縛って動かそうとしたのです。[23:8]
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竜教団が待っていたものは?|死霊術ではなく竜による復活
竜教団は死霊術ではなく、戻ってきた竜が死者をよみがえらせる本当の復活を待っていて、第四紀 201 年に竜が戻ると眠っていた司祭たちも目覚めました。[5:27][10:1]竜教団は、竜の墓に眠る竜を、いつか戻ったアルドゥインが死からよみがえらせると信じていました。[5:27]竜が戻れば、信じる者にも報いがあるはずでした。[6:8]
ESO の本『死霊術について』にも、本当の復活は死霊術師の領分ではなく、神々と司祭に任せるべき事だ、という一文があります。[24:6]竜を神とした竜教団から見れば、死者をよみがえらせるのは竜という神の仕事で、死霊術で死体を動かすこととは別の物だったことになります。
Skyrim では、戻ってきたアルドゥインが本当に竜の墓から同胞の竜をよみがえらせはじめます。[25:46]けれども、アルドゥインがよみがえらせたのは竜で、墓の信徒が人の命を取り戻すことはありません。目覚めた司祭の仮面も、多くは最後のドラゴンボーンの手に渡りました。[10:1]
死霊術師の亡者は術者の命令で動き、ドラゴン・プリーストは信徒の命で生き続け、信徒は竜に命を返される日を待ちました。三者は、だれの力で動くのかがそれぞれ違います。第四紀 201 年、待ち続けた竜はたしかに戻ってきました。それでも、墓の奥で何千年も命を送り続けた信徒たちに、竜は約束を果たしたのでしょうか?[7:6]
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よくある質問
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参考文献
記事で引いた本と資料の原文は、次のとおりです。番号の後ろの「行」の数字は、引いた一文へのリンクです。
- UESP「Dragon Priest」(Skyrim のドラゴン・プリースト) 行11,65,71,113,127
- 竜教団の歴史家スコルンヴィニル・キルンド『ドラウグルと竜教団』(Draugr and the Dragon Cult。ESO の本) 行3~5
- The Imperial Library「Draugr and the Dragon Cult」(英語の原文)
- 当サイトの訳『ドラウグルと竜教団』(全訳)
- UESP「Dragon Cult」 行1~5,9,11,15,16,19~22,25,27,28,31,38,39,42,44,52
- 『竜戦争』(The Dragon War。Skyrim の本) 行3~6,8
- ベルナデッテ・バンティエン『ドラウグルに囲まれて』(Amongst the Draugr。Skyrim の本) 行2,4~6
- ドラゴンプリーストの研究家ジョルバルド・ダヴォー『ザーン・スケイルコーラーの歴史』(The History of Zaan the Scalecaller。ESO の本) 行3~5,7
- 『スコルム・スノー・ストライダーの日記』(Skorm Snow-Strider’s Journal。Skyrim の本) 行13,15,16
- UESP「Dragon Priest Masks」 行1,3,5,7,9,11,13,15,17,19,21,23,25,27,29,31,33,35,37,41,43
- UESP「Labyrinthian」 行6,11,15,16
- UESP「Armor Artifacts」(Skyrim の仮面の付呪) 行109,117,125,133,135,140,145,150,152,160,169,179,187,191,206,213,221
- UESP「Lich」 行1
- UESP「Dragon Priest」(ドラゴン・プリーストのロア) 行2,3
- UESP「Necromancy」 行2,7
- 『モロケイの力』(Morokei’s Power。ESO の本) 行7
- 『モロケイの危険』(The Danger of Morokei。ESO の本) 行4~6
- UESP「Miraak」 行5,8
- UESP「Vahlok the Jailor」 行17,18
- 『ガーディアンと裏切り者』(The Guardian and the Traitor。Skyrim(ドラゴンボーン)の本) 行5,11,12
- UESP「Heiruna」 行4
- 『ヘイルナの日記』(Heiruna’s Journal。ESO の本) 行6
- 『ドラゴン・プリースト—出でよ!』(Dragon Priest—Arise!。ESO の本) 行8
- V『死霊術について』(On Necromancy。ESO の本) 行6
- UESP「Alduin」 行46
- UESP「Konahrik」 行8,9





















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