「RPM-74」の固有版のマシンガンです。
ビースト
ビーストの詳しい説明
コルシュノフの直接指導の下で改造された機関銃。武器番号150289。拡張マガジンと高精度レーザー照準器を備え、特注のグリップとNATOコリメータも装備されています。

ビースト(Beast)は、5.45×39mm弾を使う機関銃です。普通のRPM-74とは別の銃に見えますが、実際にはコルシュノフ大佐専用に改造されたRPM-74のユニーク版。300発の弾薬箱、レーザーサイト、ホログラフィックサイトなどを最初から載せた、ひときわ派手な一丁です。
そして一番変わっているのが弾です。通常のRPM-74は現在7.62×54mm弾を使いますが、ビーストだけは5.45×39mmへ変更されています。AKM-74Sやドニプロと同じ弾を300発ぶち込める機関銃です。まあ、字面からしてだいぶおかしいです。
| 項目 | ビースト |
|---|---|
| 元の武器 | RPM-74 |
| 使用弾薬 | 5.45×39mm |
| 基礎ダメージ | 25 |
| 防具貫通 | 2.8 |
| 連射速度 | 約632発/分 |
| 装弾数 | 300発 |
| 射撃モード | フルオート |
| 基準価格 | 30,000クーポン |
現行2.0.6のゲームデータでは、通常RPM-74はダメージ25、防具貫通3、150発。ビーストはダメージをそのままに、貫通が2.8へ少し下がる代わりに装弾数が2倍の300発になっています。何より、ずっと拾いやすい5.45×39mmを使えるのが大きいです。重量だけは表記が大きく食い違っています。過去の情報には10.3kg、11.4kg、13.6kgという数字があり、古いバージョンが混ざっているうえ、弾や固定アタッチメントを重量に含めるかも情報ごとに揃っていないので、ビーストの重量は固定値として扱いません。
元ネタのPKM
ビーストの元になったRPM-74は、実銃ではPKM系の汎用機関銃です。開発途中のモデルにはPKP Pecheneg系のキャリングハンドルやバイポッドなどが混ざっていましたが、最終的なゲームモデルはPKM寄りです。ビーストもこのRPM-74をそのまま改造したモデルになっています。
実物のPKMを見ると、細長い本体、右側から入るベルト、下に付く弾薬箱、大きな木製ストックなどはゲームのRPM-74とよく似ています。ただしビーストは、ホログラフィックサイトやレーザーサイト、現代的なグリップなどを追加しているので、素のPKMよりだいぶゴツいです。
PKMの開発
PKMの元になったPK(Pulemyot Kalashnikova)は、ミハイル・カラシニコフのチームが1950年代末から開発した汎用機関銃です。基本的な考え方はAK系の作動機構を大型化し、上下をひっくり返すような構成にしてベルト給弾機構を組み合わせたもの。1960年代にPKが採用され、その後1969年に軽量化などを施したPKMへ発展しました。
実銃PKMが使うのは7.62×54mmR。ロシア帝国時代から続くかなり古い弾ですが、現在まで機関銃や狙撃銃で使われています。PKMはこのフルサイズのライフル弾をベルト給弾で撃ちます。しかもPKMは、このクラスの機関銃としては軽いです。実銃の本体重量はおよそ7.5kg。600〜800発/分ほどで撃つ7.62×54mmR機関銃としては持ち運びやすく、PKシリーズが長く使われている理由の一つです。
5.45mmのビーストは実在するのか
ここはゲームの創作要素が強いです。標準的なPKMは5.45×39mmを使いません。PKMは7.62×54mmRを前提に作られたベルト給弾式の機関銃です。5.45×39mm仕様のPKMが制式モデルとして存在するという資料はありません。5.45×39mm自体はAK-74やRPK-74で使われますが、こちらはPKMとは別系統です。ビーストは、PKM系の本体を無理やり5.45×39mmへ変更したゾーン製カスタムです。この変更はよく突っ込まれていて、5.45mmのPKMはおかしい、RPK-74あたりを出したほうが自然だったのでは、という話もあります。コルシュノフ大佐専用品なので、普通の銃である必要はないのでしょう。
旧三部作のRP-74
PK系の機関銃自体は、旧三部作にも登場しています。最初にプレイヤーが持てる武器として登場したのは『Clear Sky』のRP-74。実銃モデルはPKで、7.62×54mmRを100発装填します。ただ、Clear Sky版はなかなか癖があります。構えることができず、腰だめ射撃のみ。持っている間は走れず、取り回しも悪い。その代わり火力は高く、拠点防衛やミュータントの群れを相手にすると気持ちいい銃でした。『Call of Pripyat』でもRP-74が続投。こちらにはズールーのRP-74という150発仕様のユニーク版もあります。
さらにClear Skyには、戦車用という設定で2000発も入るTank machine gunまでありました。さすがに2000発は無茶ですが、このバカみたいに大きな弾薬箱というネタは『S.T.A.L.K.E.R. 2』にも残っています。グラトンの弾薬箱にあるTANK表記は、旧作のTank machine gunへの小ネタに見えます。ビーストそのものは旧作にはありませんが、元になったRPM-74は昔からいる武器です。
ゲームモデルと実銃の違い
一番大きな違いは、やっぱり5.45×39mm化です。実銃PKMは7.62×54mmR。ビーストは5.45×39mm。しかも300発入ります。実銃のPKMでも100発や200発クラスのベルトは珍しくありませんが、ゲームの弾薬箱は見た目のサイズに対して大容量です。通常RPM-74の150/250発箱や、ビーストの300発箱は、外見に対して容量が大きすぎるという指摘もあります。
もう一つが光学照準器です。ビーストには最初からNATO系のホログラフィックサイトが付いています。ゲーム内説明にも、コルシュノフ大佐の監督で改造され、大容量弾薬箱、高精度レーザーサイト、専用グリップ、NATO系サイトを装備した銃だとあります。ソ連系のPKMへ西側っぽい照準器を載せ、さらに5.45mmへ変更。寄せ集め感の強い構成です。でも見た目は文句なしに格好いいです。
アタッチメントと改造
ビーストは入手した時点でほぼ完成しています。300発の専用弾薬箱、レーザーサイト、ホログラフィックサイトが最初から付いており、専用グリップ系の改造も入っています。通常RPM-74には250発の大容量弾薬箱もあり、ビーストやグラトンにも互換装備として扱われることがありますが、ビースト自身の専用弾薬箱は300発なので、容量目的でわざわざ250発箱へ替える意味はほぼありません。
RPM-74系は技術者の改造で反動や重量、耐久性なども触れます。通常版は重量が大きいので軽量化の恩恵がありますが、ビーストを手に入れるころにはゲームがほとんど終わっています。ここが最大の問題かもしれません。
入手方法
ビーストを持っているのはコルシュノフ大佐です。メインクエスト「下降」でコルシュノフ大佐と戦うルートへ進み、倒したあとに遺体から拾います。逆にウォード側の展開など、コルシュノフ大佐と戦わないルートでは手に入りません。
そしてこのクエスト、すでに帰還不能地点を越えたあとです。つまりビーストを取ったあと、自由にゾーンへ戻ってサイドクエストを消化したり、プリピャチを散歩したりはできません。残っている終盤戦で撃つための武器です。これは惜しいところです。5.45mmの300発機関銃なんて、一番ゾーンを歩き回りたい銃なのに。
もう一つのユニークRPM-74「グラトン」
ビースト自体がユニーク武器なので、ビーストのさらにユニーク版という銃はありません。ただしRPM-74には、もう一挺のユニーク版グラトンがあります。こちらは5.45mmへ変更せず、通常の7.62×54mmを使うタイプ。現在は500発の大容量弾薬箱を装備しています。ロストク西側の地下道出口付近で拾えるため、ビーストよりずっと早く使えます。
性格は大きく違います。グラトンは500発の7.62mmを抱えて押し切る銃。ビーストは300発に減る代わりに、安くて拾いやすい5.45mmを使える銃です。実際に長く使えるのはグラトン。弾薬の気軽さはビースト。ビーストをもっと早く取れたら、この2丁で悩めたと思います。
使ってみた感想
ビーストについて一番よく出てくるのは、性能より入手時期が遅すぎるという話です。PKMを5.45mmへ変更できたらいいのに、という声に対して「その仕様のビーストがあるけど、エンディング直前なのでほとんど使えない」という反応がよく返ってきます。これは的を射た指摘です。5.45×39mmはゾーン中で拾いやすく、通常弾も安い。300発入るので、弾薬箱を替えるまでひたすら撃ち続けられます。通常RPM-74より防具貫通は3から2.8へ少し落ちますが、ダメージ25はそのまま。数字だけ見れば火力を大きく犠牲にしているわけでもありません。
最終ミッションで実際にビーストを使ったプレイヤーもいて、屋外戦やボス戦で撃ちまくり、耐久が尽きるまで使ったという話もあります。一方で実銃好きからすると、5.45mm PKMという仕様は気になるようです。そこを面白い魔改造として見るか、さすがに変だろと思うかで評価が分かれています。
300発、レーザー、ホロサイト、5.45mm。コルシュノフ大佐が自分専用に作らせた機関銃としては、これくらいやりすぎているほうが似合っています。ただ、本当に惜しいのはやっぱり入手時期です。プリピャチ到着くらいで取らせてほしかったところです。
