「RPM-74」の固有版のマシンガン。
グラトン
グラトンの詳しい説明
軽機関銃と戦車用機銃を融合したこのハイブリッド銃は、より大型の弾薬箱、重い銃身、及び軽量のボルトを備えている。信頼性の向上、射程の延長、発射速度の向上の代償として、全体の重量が大幅に増加している。

グラトン(Glutton)は、機関銃RPM-74のユニーク版です。一番の特徴は、銃の下にぶら下がった500発の弾薬箱です。通常版の150発、大容量弾薬箱の250発のどちらと比べても、ずっと多い数です。ただ、箱の大きさを見る限り、500発はまず入りません。オープンコリメーターも最初から付いています。
Gluttonは英語で大食漢のことで、弾を飲み込むように撃ち続けるこの機関銃にぴったりの名前です。ゲーム内の説明によれば、軽機関銃と戦車用機銃を融合した銃で、大型の弾薬箱、重い銃身、軽いボルトを組み合わせて信頼性と射程と発射速度を上げています。その代わり、全体の重量が大きく増えました。
使用弾薬は通常版と同じ7.62×54mmです。ARev系のワルシャワのように口径を変えたユニーク版ではなく、素のRPM-74の弾薬箱だけをひたすら大きくした銃です。パッチ1.5より前は7.62×39mmだったので、古い攻略には以前の口径が残っています。
元ネタのPKMとPKPペチェネグ
RPM-74は、ソ連のPKMから続くカラシニコフ式の汎用機関銃の系統です。旧作のRP-74はPKMをモデルにしていましたが、『S.T.A.L.K.E.R. 2』のRPM-74は、後継のPKPペチェネグ(Pecheneg)系に近い姿をしています。

PKMはミハイル・カラシニコフの設計です。AKシリーズと同じ設計者ですが、弾は違います。PKMが使う7.62×54mmR弾は帝政ロシアの時代に生まれた古い軍用弾で、モシン・ナガン小銃やドラグノフ狙撃銃にも使われてきました。PKMはベルト給弾式で、弾を収めた金属の箱を銃に付けて撃ちます。実銃でよく使う箱は100発、200発、250発といった大きさで、500発の箱を銃の下へ直接ぶら下げるのは、ゲームならではの改造です。
PKMとペチェネグで見た目がはっきり違うのは銃身まわりです。PKMは銃身を交換できる作りで、撃ち続けて熱くなった銃身を取り替えます。ペチェネグは銃身を金属の外筒で覆い、空気の流れで冷やす仕組みにして、長く撃ち続けられるようにしました。グラトンの説明にある重い銃身も、この考え方と重なります。
戦車用機銃の元になりそうなのが、実銃のPKTです。PKシリーズを戦車や装甲車に載せるための型で、肩当てのストックもピストルグリップも無く、車両の側から電気で撃ちます。銃身も歩兵用より長く重い物です。グラトンは、この車載型の特徴を歩兵用の機関銃に持ち込んだという設定です。ストックはPKシリーズの歩兵用モデルの形を受け継いでいます。
PKシリーズの開発史
PKシリーズが出る前、ソ連軍は歩兵が持つ分隊支援火器、三脚に据える機関銃、車両に載せる機関銃を別々の銃で使い分けていました。銃が違えば弾も部品も管理が複雑になります。そこでソ連軍は、共通の基本構造からいくつもの使い方ができる汎用機関銃を採用しました。1961年に採用されたのが、カラシニコフ設計のPKです。
1969年には改良型のPKMが登場し、作り方と構造を見直して軽くなりました。二脚付きの歩兵用が基本で、三脚に載せるPKMSや車載型のPKMTなど、同じ系統に多くの型があります。グラトンの「軽機関銃と戦車用機銃の融合」も、もともと同じPKファミリーの中の話です。

その後ロシアでは、撃ち続けたときの銃身の過熱と命中精度を改善する研究が進み、PKMを土台にペチェネグが生まれました。銃身交換に頼らず撃ち続けられることを重視した機関銃で、グラトンの重い銃身と大量の弾は、この方向をさらに極端にしたものです。ただ実銃なら、500発を持っていても銃身の熱や射撃位置を保つ問題があり、一度に撃ち切れるわけではありません。
旧作での扱い
グラトンは『S.T.A.L.K.E.R. 2』で登場したユニーク版ですが、元のRP-74は『Clear Sky』から使えます。当時のRP-74はPKMがモデルで、火力は高いものの、重さと反動と取り回しに難のある機関銃でした。
その『Clear Sky』の赤い森には、戦車用機関銃(Tank machine gun)というユニーク版がありました。RP-74の派生型で、設定上は戦車の砲塔に載せる機関銃ですが、手に持って撃てます。装弾数は2,000発で、今のグラトンをさらに極端にしたような銃です。『Call of Pripyat』では、ズールーが大型の弾薬箱を付けた専用のRP-74を持っていました。
大きな弾薬箱、重さと引き換えの信頼性、戦車用の機関銃を人が抱えて撃つという発想。グラトンの特徴は、どれも旧作のRP-74ですでに描かれていました。
ゲームのモデルと実銃の違い
一番おかしいのは、やはり500発の弾薬箱です。7.62×54mmR弾は薬莢も大きい小銃弾で、500発分の弾と金属のベルトを収めるにはかなり大きな箱が要ります。グラトンの箱は見た目からして小さすぎます。
重さの面でも無理があります。実銃で弾の重さが銃の下に集まると、構えるのも向きを変えるのも重くなります。実銃のPKTは車両に固定するので、銃を肩で支える必要がありません。グラトンは、車載型だから許される重さを、歩兵が抱えて歩いているようなものです。歩兵用機関銃としての取り回しより、補給なしで撃ち続けることを優先した改造です。
アタッチメントと改造
500発の専用弾薬箱とオープンコリメーターは最初から付いています。専用弾薬箱は外せず、通常版の大容量弾薬箱とは別物です。通常版を250発まで増やしても、グラトンの500発には届きません。
改造は、重量を軽くする方向から入れましょう。500発を撃ち続けられても、探索中に重量の上限に達してしまえば持ち歩けません。旧作のRP-74は照準器を覗けませんでしたが、グラトンはオープンコリメーターで狙えます。近くに弾をばらまくなら腰撃ちでも足りますが、少し離れた人間の敵を狙うときにはサイトが役に立ちます。
入手場所
入手場所はロストクの西側にある地下道です。ロストクの西端から地下道へ入り、奥へ進むとトラックの置かれた場所があります。近くの電源スイッチを入れると、閉まっていた扉が開くようになります。スイッチ近くの階段を上り、Y-III-12と書かれた灰色の金属扉の先の部屋にグラトンが置かれています。
同じRPM-74系のユニーク版ビーストが終盤のメインクエストでしか手に入らないのに対し、グラトンはロストクまで進めば探索で拾えます。かなり早い段階から500発の機関銃を使えるのが強みです。ただ、拾ったあとは7.62×54mm弾を集め続ける必要があります。
ほかのユニーク版
RPM-74系には、グラトンのほかにビースト(Beast)というユニーク版があります。ビーストはコルシュノフ大佐の武器で、5.45×39mm弾を使います。ビーストが弾の手に入りやすさで選ぶ銃なら、グラトンは弾切れしない安心感で選ぶ銃です。
500発を毎回撃ち切る必要はありません。リロードを挟まずに次々と敵へ撃ち続けられることに価値があり、モノリスの兵士が続けて現れる場面や、ミュータントの群れに応戦する場面ではこの余裕が大きな差になります。少数の敵を相手にするなら、探索用の軽い銃を別に持つか、エクソスケルトンで重さの負担を減らしましょう。
海外での評価
海外の掲示板では、グラトンは面白いけれど、この重さを持ち歩くのはつらいという声が昔から多いです。狭い場所で何人もの敵と撃ち合うときに便利だという意見がある一方、重すぎて使わないという人もいます。
それでも、重量を軽くする改造を入れれば持ち歩けるようになり、500発あれば予備の弾をあまり持たずに済む、という使い方が支持されています。改造で精度が上がると敵の集団に撃ち込むのが楽しい、エクソスケルトンを着てモノリスやミュータントの群れに撃ちまくるのが楽しい、という感想もよく見かけます。
古い投稿には、500発のはずが100発しか込められないという不具合の話もありますが、今は500発です。重さと弾の消費を考えると常に持ち歩ける機関銃ではありません。それでも、リロードを挟まず撃ち続けられる安心感はほかの銃に無いもので、PKシリーズが大事にしてきた撃ち続ける力を、ゲームの中で極端に広げた一挺です。









