人間がタムリエルを治める前の、暁の時代とメレシック紀をまとめた年代記です。
『人類の誕生以前』(Before the Ages of Man)
本
『人類の誕生以前』の詳しい説明
暁の時代は、アヌとパドメイが宇宙を作ってから、神々と魔法が世界を去るまでを言います。メレシック紀は、そこからイスグラモルがタムリエルに来るまでの時代です。本はエルフの入植から、ネードの民とペリナル・ホワイトストレイクまでを順に書いています。
暁の時代
アカトシュが形を取って時が始まり、ロルカーンは神々を説き伏せるかだまして、定命の世界ニルンを作らせました。マグナスが計画をやめると、神々はアダマンティンの塔に集まりました。ロルカーンの心臓は引き抜かれて塔から投げ捨てられ、落ちた所に火山ができました。
年の数え方
初期のノルドの学者は、カモラン朝の始まりを第一紀 0 年とし、そこからさかのぼって年を数えました。最も古いメレシック紀 2500 年は、バルフィエラ島にアダマンティンの塔が建った年と伝わっています。
メレシック紀の出来事
中ごろ: アルドメリが故郷アルドメリスを離れ、タムリエルの南西に住みつきました。シロディールではアイレイドが栄えました。
中ごろの終わり: チャイマーが預言者ヴェロスに従ってモロウウィンドへ移り、ドゥーマーと争いました。
終わり: ネードの民がアトモーラから渡り、イスグラモルがサールザルを築きました。涙の夜のあと、イスグラモルは五百人の同胞と戻りました。
読める場所
Skyrim では、ホワイトランのドラゴンズリーチやアンガルヴンデの遺跡などに置かれます。
『人類の誕生以前』の全訳
年代記の巻 1
人間がタムリエルを治めるようになる前、そして歴史家の年代記がタムリエルの支配者たちの営みを記すようになる前の、この世界の出来事は、神話と伝説、そして九大神から授かった教えを通してしか知られていません。
歴史家たちは便宜上、有史以前の遠い時代を、暁の時代とメレシック紀という、二つの大きな時期に分けています。
暁の時代
暁の時代とは、定命の者の時が始まる前の、神々の偉業が行われた時期のことです。暁の時代は、アダマンティンの塔が建てられ、神々と魔法がこの世界から去ったところで終わります。
「メレシック」という言葉はノルドの言葉から来ていて、文字どおりには「エルフの時代」という意味です。メレシック紀とは、アダマンティンの塔が建てられて神々と魔法がこの世界から去ったあとから、ノルドのイスグラモルがタムリエルに来るまでの、有史以前の時代のことです。
次に挙げるのは、暁の時代の主な出来事です。私たちのような時の中の生き物が理解するしかない順に、おおよそ並べています。
アヌとパドメイによって、オービス(混沌、あるいは全体)から宇宙が形作られました。アカトシュ(アーリエル)が形を取り、時が始まりました。神々(エト・アダ)が形を取りました。ロルカーンは神々を説き伏せて、あるいはだまして、定命の世界ニルンを作らせました。このころの定命の世界は、魔法に満ちた危険な場所でした。神々が歩くにつれて、定命の世界の物としての成り立ちも、時を超えた存在の続き方そのものも、揺らぎ始めました。
定命の世界の計画を描いた魔法(神マグナス)が企てをやめると決めたとき、神々はアダマンティンの塔(ディレニの塔。知られている中でタムリエル最古の建物)に集まり、どうするかを話し合いました。ほとんどの神は、魔法とともに去りました。ほかの神々は、とどまるために自らを別の形に変えて捧げました(エルノフェイ)。ロルカーンは神々によって定命の世界への追放を言い渡され、その心臓は引き抜かれて塔から投げ捨てられました。心臓が落ちた所には、火山ができました。(神話の意味での)魔法が去ったことで、宇宙は落ち着きました。ようやくまっすぐに流れるようになったエルフの歴史が、始まりました(メレシック紀 2500 年)。
メレシック紀
メレシック紀は、初期のノルドの学者たちによって、彼らの「時の始まり」、つまり第一紀 0 年と記されたカモラン朝の始まりから、さかのぼる向きに番号をふった年として数えられました。ここでは、メレシック紀の有史以前の出来事を、ノルドの昔ながらのメレシック紀の年で挙げます。ハラルド王の学者たちが挙げた最も古いメレシック紀の年は、メレシック紀 2500 年で、これがノルドの数え方での時の最初の年です。つまり、メレシック紀は、遠い昔のメレシック紀 2500 年から、カモラン朝が始まり、白金の塔が独立した都市国家となる前の年である、メレシック紀 1 年までにわたります。
ハラルド王の吟遊詩人たちによれば、メレシック紀 2500 年は、ハイロックのバルフィエラ島にアダマンティンの塔が建てられた年です。これは知られている中でタムリエル最古の建物です。(この年は、世に出ていないさまざまなエルフの年代記に記された、最も古い歴史の年とおおよそ合います。)
メレシック紀の初めごろ、タムリエルの土着の獣の民、つまりカジート、アルゴニアン、オーク、そのほかの獣の民の祖先は、文字を持たない集落を作ってタムリエルのあちこちに暮らしていました。
メレシック紀の中ごろ、アルドメリ(エルフを祖とする定命の者)の難民たちは、滅びゆく、今は失われた故郷の大陸アルドメリス(「古きエルノフェイ」とも呼ばれます)を離れ、タムリエルの南西に住みつきました。最初の入植地は、タムリエルの沿岸じゅうの島々に、広い間隔をあけて散らばっていました。のちの内陸の入植地は、主にタムリエルの南西と中央の、肥えた低地に作られました。獣の民がエルフと出会った所ではどこでも、洗練され、文字を持ち、技術の進んだアルドメリの文化が、未開の獣の民を密林や沼地、山や荒れ地へと追いやりました。アダマンティンの塔は、アルドメリの名高く力ある氏族ディレニに再び見いだされ、その手に落ちました。サマーセット島には水晶の塔が建てられ、のちにはシロディールに白金の塔が建てられました。
メレシック紀の中ごろ、アルドメリの探検者たちはヴァーデンフェルの沿岸の地図を作り、モロウウィンドのアルド・レデイニア、バル・フェル、テル・アルーン、テル・モラに、第一紀のハイエルフの魔術師の塔を建てました。同じころ、白金の塔を囲む密林(今のシロディール)では、アイレイド(野生のエルフ)の集落が栄えました。野生のエルフは中心の地のハイエルフとも呼ばれ、暁の時代の魔法と、エルノフェイの言葉を受け継いでいました。表向きはアリノール(島)の上級王に貢ぎ物を納める土地でしたが、サマーセット諸島の主権からの連絡の道が長いため、中心の地のシロディールは、水晶の塔の上級王たちから事実上切り離されていました。
メレシック紀の中ごろの終わりは、盛期ヴェロシ文化の時期です。今のダンマー、つまりダークエルフの祖先であるチャイマーは、原理主義的な祖霊崇拝に身を捧げた、活発で野心にあふれ、長命なエルフの氏族でした。チャイマーの氏族は、預言者ヴェロスに従って南西のエルフの故地を離れ、今はモロウウィンドと呼ばれる土地に住みつきました。チャイマーはドゥーマーの世俗の文化と冒涜的な行いをさげすむ一方で、ドゥーマーの土地と資源を欲しがり、何世紀にもわたって小さな襲撃や領地争いで彼らを挑発しました。ドゥーマー(ドワーフ)は、学問と工学と錬金術の秘密に身を捧げた、自由な考えを持つ、人付き合いを避けるエルフの氏族で、今のスカイリムとモロウウィンドを隔てる山脈(のちのヴェロシ山脈)に、地下の都市や集落を築きました。
メレシック紀の終わりごろは、ヴェロシの文化が急に衰えた時期です。ヴェロシの一部は、衰えて打ち捨てられた古いヴェロシの塔の近くの村に住みつきました。この時期に、ヴァーデンフェル島ではヴェロシの高い文化が消えました。最も古いドゥーマーの自由領の入植地は、この時期にさかのぼります。退化したヴェロシは部族の文化へと変わり、やがてそれがモロウウィンドの今の名家へと発展するか、未開のアッシュランダーの部族として残りました。この部族の文化の名残は、ヴァーデンフェル島に散らばるヴェロシの塔と、アッシュランダーの遊牧民だけです。タムリエルの沿岸に並んでいた第一紀のハイエルフの魔術師の塔も、このころに打ち捨てられました。
文字を持たない人間、いわゆる「ネードの民」が、アトモーラの大陸(アルドメリスでは「アルトモーラ」または「古の森」とも呼ばれます)から渡ってきて、タムリエルの北に住みついたのは、メレシック紀の終わりごろのことでした。タムリエルへの大きな入植の船団を率いたノルドの文化の英雄イスグラモルは、エルフの考え方をもとに、ノルドの言葉をルーン文字で書き表す方法を作ったとされ、そのためイスグラモルは人間で最初の歴史家とみなされています。イスグラモルの船団は、スカイリムのブロークン岬の北の端にあるサーリク岬に上陸しました。ノルドはそこに、伝説の都市サールザルを築きました。エルフたちは涙の夜に人間を追い払いましたが、イスグラモルはまもなく五百人の同胞を連れて戻ってきました。
同じくメレシック紀の終わりごろには、ペリナル・ホワイトストレイク、毛深いズボンのハラルド、イスミール、狐のハンスなど、さまざまな名で知られる伝説の不死の英雄、戦士、魔術師、王が、タムリエルをさまよっていました。彼は軍を集め、土地を征服して治め、それから王国を捨てて、またさすらいの旅に出たのです。










