7.62x54mmを使うスナイパーライフル。パッチ1.5で追加された。
スリーラインライフル
スリーラインライフルの詳しい説明
この由緒正しいスリーラインライフルは、二度の世界大戦とその他の多数の軍事的衝突において活躍してきた。伝説によると、その弾丸はレールを縦方向に切り裂くことができるという。

スリーラインライフル(Three-Line Rifle)は、7.62x54mm弾を使用するボルトアクション式のスナイパーライフルです。2025年6月25日のパッチ1.5で、Kora-1911と一緒に追加されました。
元ネタは、ロシア帝国時代に生まれたモシン・ナガン系ライフルです。ただし、ゲームに出てくる姿をよく見ると、よく知られた長いM1891/30狙撃銃とは少し違います。実銃でいえば、短銃身のM38カービンにPUスコープを組み合わせた仕様に近い銃です。モシン・ナガンっぽい古い狙撃銃をそのまま出したように見えて、実際には史実にそのまま当てはまる仕様ではありません。

モシン・ナガンとスリーラインという名前
モシン・ナガンの原型は、ロシア帝国が1891年に採用したボルトアクションライフルです。1880年代末、ロシア軍は新しい小銃を選定しており、ロシア軍人セルゲイ・モシンの設計と、ベルギーのレオン・ナガンが提出した設計などを比較しました。最終的な銃にはモシンの設計を中心に複数の案が取り入れられ、1891年に制式採用されています。今はモシン・ナガンの名前がよく知られていますが、採用時の正式名称はモシン・ナガンではなく、三線式小銃1891年型にあたる名前でした。

では、この「スリーライン(三線)」とは何なのか。当時のロシアでは「line(линия)」という長さの単位が使われており、1 lineは1/10インチ、約2.54mmです。3 lineなら、2.54mm × 3 = 7.62mmとなります。つまりスリーラインライフルは、ごく簡単に言えば7.62mmライフルという意味です。『S.T.A.L.K.E.R. 2』が、有名なモシン・ナガンではなくスリーラインライフルという名前を使ったのは、渋い選択です。単なる架空名ではなく、むしろ1891年当時の呼び方に近い名前を引っ張ってきています。なお、実銃の弾薬は7.62×54mmRです。末尾のRはリム付き薬莢を意味します。ゲーム内では7.62x54mmと表記されています。
ゲームモデルはM38カービン系
見た目には少しクセがあります。一般的にモシン・ナガンのスナイパーライフルというと、第二次世界大戦で使われたM1891/30にPE、PEM、PUといったスコープを載せた長い銃を思い浮かべます。ところが『S.T.A.L.K.E.R. 2』のスリーラインライフルは、それより短い。実銃は、モシン・ナガン1938年型カービン、いわゆるM38カービンがもとです。M38はM1891/30を短くしたカービン型で、1938年に採用され、翌1939年ごろから生産されました。砲兵や通信兵など、長い歩兵銃を持ち歩く必要が薄い兵士向けの銃でした。
ただし、ゲームの銃と実物には大きな違いがあります。実物のM38は、軍用のPUスコープ付き狙撃型として正式に量産された銃ではありません。M38には本来スコープマウントがなく、スコープ付き仕様として見かけるものは後年に改造された個体などです。対してゲームでは、M38系の短い銃身とストックにPU 3.5倍スコープらしき光学照準器を取り付けています。なので、実銃名を書くなら「M38カービン系」が近い銃です。「M38スナイパー」という実在の制式狙撃銃がそのまま登場している、と書いてしまうと少し違います。
旧三部作での扱い
意外にも、モシン・ナガンは『Shadow of Chernobyl』『Clear Sky』『Call of Pripyat』の旧三部作バニラ版には登場していません。スリーラインライフルとM701スーパーは、公式シリーズで初めて登場したボルトアクションライフルです。ただ、PC版をMOD込みで遊んできた人には、むしろ昔から見慣れた銃かもしれません。モシン・ナガンは長年にわたってS.T.A.L.K.E.R.の武器追加MODで人気があり、『Shadow of Chernobyl』用のSFPSなどにもM1891/30が収録されていました。現在のSTALKER Complete 1.5にも、アイアンサイト仕様とスコープ仕様のM1891/30が追加されています。さらにAnomalyやGAMMA系でもモシンは長く使われてきた武器です。GAMMAの更新履歴にもモシンの開始装備のコスト調整がふつうに出てくるくらいなので、MODを遊んでいた人ほど「やっと公式に来たか」と感じる銃でしょう。パッチ1.5で追加された直後は、昔のMODで見慣れたモシンが本編へ来たことを喜ぶ声がたくさんありました。
ゲーム内での性能
| 項目 | スリーラインライフル |
|---|---|
| 使用弾薬 | 7.62x54mm |
| ダメージ | 100 |
| 貫通 | 1.0 |
| 装弾数 | 5発 |
| 重量 | 4.0kg前後(表記に差あり) |
スリーラインライフルは、5発装填のボルトアクションライフルです。2026年9月時点で、基本ダメージ100、貫通1.0、装弾数5発です。重さは、版によって4.0kg、4.4kg、4.52kgと表記が分かれています。パッチ1.5では7.62mm系弾薬の整理も行われ、スリーラインライフルは安価な7.62x54mm通常弾をそのまま使用できる武器として追加されました。一方、徹甲弾や高品質弾を本格的に使うには銃身改造が絡みます。
この銃の立ち位置は分かりやすいです。序盤から買えて、弾も比較的安い。5発撃つたびにボルト操作とリロードが必要なので、敵を片っ端から倒す銃ではありませんが、人間相手に頭を狙うなら使いやすいです。逆にブラッドサッカーのように高速で詰めてくるミュータントや、数で押してくる敵は苦手です。ボルトアクションなので、一発外したときの隙が大きい銃です。
スコープと改造
標準状態ではPU系のスコープを装備しています。さらに技術者でスコープ・マウントを取り付けると、現代的なコリメーターサイトへ変更できます。この変更は、見た目以上に使い勝手に響きます。標準のPUスコープを使っている場合は弾を1発ずつ装填しますが、レッドドット系サイトへ変更すると、空の状態から5発入りストリッパークリップを使ったリロードアニメーションへ変わります。スコープを変えただけなのにリロード方法まで変わる、細かい作り込みです。
改造では、息止め時間を伸ばすチークパッド、照準速度を上げるバランス調整ストック、重量を減らすバレル軽量化、照準精度を上げる人間工学ハンドガードなどがあります。特に大きいのが外部バレルライフリングです。この改造を入れると貫通性能が上がる代わりに、通常の安価な弾を使えなくなり、高品質弾や徹甲弾を使う仕様へ変わります。序盤では安い通常弾を撃てること自体がスリーラインライフルのメリットなので、すぐに入れるかは悩むところです。終盤まで使うなら欲しくなりますが、そこまで改造すると今度は弾代が上がります。ほかにタクティカルフォアグリップとフラッシュサプレッサーも改造で追加できます。なお、サプレッサーには対応していません。フラッシュサプレッサーは名前どおり発砲炎を抑える部品で、消音器ではありません。
入手方法
早い段階から入手できます。スキフの旅の最初のころから、スリーラインライフルを持ったストーカーに出会えます。確実に拾いたいなら、ガーベジの拘置所にある建物の屋上が分かりやすいです。死体のそばに1丁置かれており、この個体にはフラッシュサプレッサーが最初から付いています。パッチ1.5以前から進めているセーブデータでも、ここへ戻れば追加されたライフルを拾えます。
店で買うこともできます。ザリシアのハムスター、ガーベジのヒューロン、STCマラカイトのヴィクトリア・ドロジニュクなど、何人もの武器商人が売っています。店の商品は更新されるため、一度見ても無ければ後から並ぶことがあります。敵や一般ストーカーが持っていることもあるので、探索を続けていれば、そのうち自然に拾えます。
ユニーク版「ホンタのドラフンカ」
スリーラインライフルには、ホンタのドラフンカ(Honta’s Drahunka)というユニーク版があります。こちらはアップデート1.6(2025年9月23日)で追加された銃で、『Call of Pripyat』にも登場したホンタに関係するサイドクエスト「学園生活」の報酬として入手できます。通常版と違ってアイアンサイト仕様になっており、貫通性能や耐久性などにも違いがあります。詳しくはホンタのドラフンカのページにあります。
使ってみた感想
序盤用のスナイパーとして優秀な銃です。高品質弾向けの改造まで進めれば中盤から終盤でも使えます。初めて遊ぶときにスリーラインライフルを使うと、序盤での強さがよく分かります。
一方で、火力については少し物足りなさもあります。7.62×54mmRを撃つモシンなら胴撃ちでももっと強くていいのでは、という不満は追加直後からありました。実際、無装甲の敵にも複数発必要になる場面があり、ゲーム内の威力設定には違和感を覚えます。100年以上前のボルトアクション、5発装填、連射もできない。それなら一発くらいもっと重くてもいいのでは、と感じます。それでも、安い弾を使えて早くに手に入り、頭を狙えば終盤まで持っていけます。何より、古いモシンでゾーンを歩くという絵がやたら似合います。MODでは昔から見慣れた銃が、十数年越しに公式シリーズへ入ってきました。スリーラインライフルは、性能だけでなく、その経緯まで知ると面白い一挺です。
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