「スリーラインライフル」の固有版のスナイパーライフル。アップデート1.6で追加された。
ホンタの「ドラフンカ」
ホンタの「ドラフンカ」の詳しい説明
長年ホンタが愛用し、生徒の手に渡ったライフル。よく手入れされてきたため、今でも問題なく動作する。標的がライノやキメラであっても使用者を裏切ることはない。

ホンタのドラフンカ(Honta’s “Drahunka”)は、7.62×54mm弾を使用するボルトアクションライフルで、スリーラインライフルのユニーク版です。2025年9月23日のアップデート1.6で追加されました。公式パッチノートでも、新しいユニーク武器として名指しされています。通常のスリーラインライフルに付いていたPUスコープを外し、アイアンサイトへ戻した渋い仕様です。さらにゲーム上では軽量化や耐久性、貫通力も強化されています。
ただ、この銃でいちばん目を引くのは、性能より名前です。Drahunkaはドラグノフとは関係ありません。東欧でモシン系ライフルを指した古い言葉に由来し、さらに元の持ち主は『Call of Pripyat』でキメラを追い続けていたあのホンタです。分かる人向けの一挺です。
元ネタのモシン系ライフル
スリーラインライフルの大元は、ロシア帝国が1891年に採用した3-Line Rifle Model 1891です。西側では一般にモシン・ナガンと呼ばれています。ただし、『S.T.A.L.K.E.R. 2』の3DモデルをそのままM1891と考えると少し違います。実銃としては、Mosin-Nagant M38 Carbineをベースにしたスナイパー仕様に近いとみられます。実銃のM38はM91/30をさらに短くしたカービンで、砲兵や後方部隊などで扱いやすい銃として作られました。本来はスコープマウントを持たず、PUスコープを載せたM38は戦後に作られた狩猟用やコレクター向けの改造例です。つまりゲームの通常版スリーラインライフルは、歴史上の軍用狙撃銃をそのまま再現したものではなく、M38系にPUスコープを載せた後年のカスタム銃に近いものです。名前は1891年のスリーラインライフル。見た目はM38系。そしてホンタのドラフンカになると、さらに19世紀末の竜騎兵銃(ドラグーンライフル)を思わせる名前が付いています。

ドラフンカという名前
Drahunkaの元になった語は、キリル文字で「драгунка」と書かれる「ドラグーン用ライフル」の俗称です。ロシア語の歴史辞典では「騎兵型のライフル、カービン」という意味が載っています。つまり日本語なら、だいたい竜騎兵銃やドラグーン・ライフルくらいの意味です。そしてモシンM1891には、実際にM1891 Dragoon Rifleが存在します。通常の歩兵用M1891を短くしたモデルで、馬上や下馬して戦うドラグーン向けに用意されました。後のM91/30も、このドラグーン型を基礎に近代化された銃です。なので「ドラフンカ」は、銃そのものの系譜に引っかけた名前です。
英語表記がDragunkaではなくDrahunkaなのもポイントです。ウクライナ語では「Г」をラテン文字へ移す際にHとするため、драгункаをウクライナ語式に転写するとDrahunkaになります。ホンタの英語表記が、旧作のGontaから今作でHontaになったのも同じ事情です。なので、SVDを設計したエフゲニー・ドラグノフのDragunovとは別物です。似た文字が並ぶので最初はドラグノフ系の何かに見えますが、実際は古いモシンの歴史を拾った名前でした。
『Call of Pripyat』のホンタ
ホンタは新キャラクターではありません。『Call of Pripyat』に登場した古参ストーカーで、旧英語版ではGontaと表記されていました。ガルマータ、クラブ、ダニラと狩猟チームを組み、ミュータントを倒したり、生け捕りにして研究者へ引き渡したりしている人物です。旧作で特に印象に残るのが、ザトンのキメラを巡る話です。ホンタたちは負傷したキメラを狩ろうとしますが、見張り役として雇ったマグパイに逃げられ、クラブが重傷を負います。その後、プレイヤーがマグパイを追うクエストに関わり、条件を満たすとホンタからキメラ狩りの依頼を受けられました。このクエストでは午前3時にホンタと合流し、ザトンのIzumrudnoyeで眠っているキメラを狩ります。クリア後はSPSA-14をもらえるため、覚えている人も多いと思います。
ちなみに、旧作のホンタがドラフンカを背負っていたわけではありません。『Call of Pripyat』で設定されている装備はAKM-74/2やKora-919で、モシン系ライフルは旧三部作のバニラ版には登場しませんでした。スリーラインライフル自体が公式シリーズへ追加されたのは『S.T.A.L.K.E.R. 2』のパッチ1.5からです。つまり「長年ホンタが使っていた銃」という設定は『S.T.A.L.K.E.R. 2』で追加されたものです。それでも、キメラ狩りの専門家だったホンタが、古いボルトアクションライフルを愛用していたという後付けはよく似合っています。
通常のスリーラインライフルとの性能差
| 項目 | スリーラインライフル | ホンタのドラフンカ |
|---|---|---|
| ダメージ | 100 | 100 |
| 貫通 | 1.0 | 2.0 |
| 装弾数 | 5発 | 5発 |
| 連射速度 | 52RPM | 52RPM |
| 重量 | 4.00kg | 2.80kg |
| 耐久指数 | 500 | 720 |
性能は通常版から変わっています。ダメージと装弾数、連射速度は同じですが、貫通力、重量、耐久性を改善した仕様です。火力そのものを上げた銃ではありません。ただし、ここは表記によって内部値に食い違いがあります。表示によっては、ドラフンカのダメージ100、耐久値3,000、価格17,600に対して、重さ4.00kg、貫通1と出ることもあります。対して別の情報では重量2.80kg、貫通2.0です。この差は、武器本体の値と、最初から付いている改造の効果を足して表示するかどうかの違いです。少なくとも、実際の武器としてドラフンカが通常版より軽量で、耐久性や貫通性能を伸ばしたユニーク版として扱われている点は複数の情報で一致しています。
見た目の違い
ぱっと見は、ほぼ普通のスリーラインライフルです。専用の彫刻や派手な塗装が入ったユニーク武器ではなく、木製ストックや金属部品も通常版とほぼ共通しています。一番大きな違いはPUスコープがないことです。通常のスリーラインライフルはPUスコープを標準装備していますが、ドラフンカはスコープを外し、モシン本来のアイアンサイトを使います。スリーラインライフルがパッチ1.5で追加された当初から、「モシンをアイアンサイトで使いたい」という声はよくありました。ドラフンカは、その遊び方を公式でできるようにした銃でもあります。
また、PUスコープを付けている通常版ではレシーバー上部をスコープが塞ぐため、リロード時に1発ずつ装填します。光学サイトを外した構成では、空になったときに5発のストリッパークリップでまとめて装填するアニメーションへ変わります。見た目だけの違いに見えて、使ってみるとだいぶ印象が変わります。
アタッチメントと改造
ドラフンカはアイアンサイトのまま使えますが、技術者による改造でレールを追加し、コリメーター系サイトを載せることもできます。ただし、通常版のような倍率付きPUスコープを装着する構成にはできません。さらに通常版にある貫通力強化のバレル改造も、ドラフンカでは利用できません。これは弱体化というより、すでにその方向へ手が入ったユニーク銃として扱われているようです。通常版は改造しながら狙撃銃へ仕上げる余地がありますが、ドラフンカは最初から軽いアイアンサイト式のハンティングライフル寄りです。長距離から倍率スコープで頭を抜きたいなら通常版のほうが使いやすい場面があります。ドラフンカは中距離まで近づき、アイアンサイトやコリメーターで7.62×54mmを撃ち込むほうが似合います。
「学園生活」での入手方法
ホンタのドラフンカは、ザトンで受けられるサイドクエスト「学園生活」を進めることで入手できます。パッチ1.6ではホンタ自身も『Call of Pripyat』から復帰しました。アップデートの見どころには「旧友の帰還」とドラフンカの追加が並んでいて、この旧友がホンタです。ザトンにあるホンタの拠点を訪れると、ミュータント狩りを教わる流れでクエストが始まります。最初はフレッシュなど比較的弱いミュータントを狩り、途中でホンタから第1世代の暗視装置(ナイトビジョン)を受け取ります。その後は夜間のスノーク狩り、ビューラー、そして最後はキメラへと獲物が強くなっていきます。
ここで重要になるのが、ホンタの弟子ヤリク・ジュジャ(Yaryk Zhuzha)です。ジュジャはパッチ1.6で追加された新人ストーカーで、ホンタからミュータント狩りを教わっています。ただ、弱い獲物ばかり任されることに不満を持っており、自分で北トンネルにいるキメラを見つけます。プレイヤーの選択によっては、一緒にキメラへ挑むことになります。ドラフンカを確実に狙うなら、ジュジャを生存させてクエストを終えるのが重要です。ジュジャが生き残った場合、ホンタからドラフンカを受け取れます。クエスト本編を終えたあと、もう一度ホンタに会う追加報酬の段階があるため、キメラを倒した時点で帰らないようにしたほうがいいです。
ジュジャが死亡すると報酬を受け取れなかったり、その後のホンタとの会話でクエストが失敗したりするケースも報告されています。パッチ1.6当時はジュジャが出現しないなどの不具合報告もありました。現在は後続パッチが入っていますが、古い情報を見ると正常ルートと不具合時の挙動が混ざっているので注意してください。武器のゲーム内説明では、ドラフンカは、ホンタが長年使って手入れを続けてきたライフルを、弟子へ譲ったものです。耐久値が高いのも、この設定に合わせたものなのでしょう。
使ってみた感想
ドラフンカは、単純に一番強いスナイパーとして評価されている銃ではありません。通常版とダメージは変わらず、装弾数も5発。さらに倍率スコープを使えないので、遠距離狙撃だけを考えるとM701スーパーなどのほうが扱いやすい場面があります。ただ、通常のスリーラインライフルではできなかったアイアンサイトのモシンを公式で使えること、軽量であること、貫通力と耐久性が改善されていることは特徴的です。パッチ1.5のスリーラインライフル紹介画像ではスコープなしの姿が掲載されていましたが、実際の通常版ではPUスコープが付いていました。そしてパッチ1.6で、ようやくアイアンサイト仕様がユニーク武器として実装されました。
強さだけを見ると、少し変な立ち位置です。でも『Call of Pripyat』を遊んでいた人には刺さる銃だと思います。夜中の3時にホンタとキメラを狩ったあのザトンへ戻り、今度はホンタ本人から古いモシン系ライフルを受け取る。しかも名前は、モシンの古いドラグーン型を指す「ドラフンカ」です。こういうところをわざわざ拾ってくるのが、S.T.A.L.K.E.R. 2らしいところです。









