「ブーケS-2」の固有版のサブマシンガン。
スピッター
スピッターの詳しい説明
ほとんどストーカーはS-2をあまり好まないが、これは明らかに真の愛好家が所有していたものだろう。側面には前の持ち主のイニシャルと思われる「SC」の文字が刻まれている。

スピッターは、サブマシンガンのブーケS-2のユニーク版です。持ち主はバンディットのサシュコ・チアリーで、ガーベジのサイドクエスト「大戦果」から続く一連のイベントで出会い、サシュコの死体から回収します。後に続くクエスト「欺瞞の連鎖」では、このスピッターそのものが話を進める証拠になります。
見た目は通常版より明るい色のグリップで、側面には元の持ち主のイニシャルらしいSCの文字が刻まれています。銃口には専用のマズルブレーキが固定されていて、反動は通常版より小さい一方、サプレッサーを付けられません。ゲーム内の説明文によれば、ストーカーにあまり好かれないS-2の中で、これは真の愛好家が持っていた一挺です。
| 項目 | ブーケS-2 | スピッター |
|---|---|---|
| 使用弾薬 | 9×18mm | 9×18mm |
| ダメージ | 23 | 23 |
| 貫通 | 2.0 | 2.0 |
| 連射速度 | 698rpm | 698rpm |
| 最適射程 | 7m | 7m |
| 装弾数 | 20発 | 20発 |
| 最大装弾数 | 30発 | 30発 |
| 重量 | 1.60kg | 1.60kg |
表の数値は通常版とまったく同じで、違いは反動の小ささとサプレッサーの有無です。静かに撃ちたいなら通常のブーケS-2、反動を抑えて撃ち続けるならスピッターと、役割が分かれています。
元ネタのOTs-02キパリス
ブーケS-2の元になった実銃は、ソ連で開発されたOTs-02キパリス(ОЦ-02 Кипарис)です。キパリスはロシア語で糸杉のことで、トゥーラの銃器開発機関TsKIB SOOで、ニコライ・アファナシエフを中心とした技術者たちが作りました。

弾は9×18mmマカロフ弾で、PTMの元ネタのマカロフPMと同じです。ただし、キパリスは肩に当てて連射できるサブマシンガンです。外見で目立つのは、機関部の上側へ折りたたむ金属のストックです。細い金属を組んだ骨組みの形で、伸ばすと肩当てになり、たたむと本体の上に収まります。
もう一つの特徴は、引き金の前に差す細長いマガジンです。グリップに弾倉を差し込む拳銃と違い、マガジンが独立して前に伸びています。作動は単純なブローバック式で、機関部はプレス加工の鋼板、グリップは樹脂製です。着脱式のサプレッサーや光学照準器、レーザー照準器を組み合わせる仕様もあり、大きな拳銃というより、ストックを伸ばして構え、必要なら連射するための銃です。
ブーケという名前
ブーケS-2という名前は、花束を意味するロシア語のブーケ(Букет)から来ています。実銃のキパリスが生まれる元になった、ソ連の研究開発計画の名前がБукетでした。
この計画から生まれた試作銃の一つが、アファナシエフのTKB-0104(TKB-104)です。トゥーラ兵器博物館には1974年型の試作品が残っていて、後のTKB-0217、そしてOTs-02キパリスにつながる原型でした。

完成した銃の名前はキパリスなのに、ゲームではその前の開発計画の名前を製品名にしています。正式な採用名ではなく開発のころの名前を拾っているのが、少し凝ったところです。
キパリスの開発史
1970年代のソ連軍の主力はAK系の自動小銃でしたが、より小さな自動火器の研究も進んでいました。ブーケ計画もその一つです。1972年、ソ連国防省の求めを受けて、アファナシエフらは小型のサブマシンガンの開発に取りかかりました。計画では消音して使うことも重く見られ、チェコスロバキアのVz.61スコーピオンのような小型火器の構成も参考にしています。
試作銃TKB-0104から改良が続き、TKB-0217を経てOTs-02キパリスになります。ところが採用は1991年で、開発の始まりから20年近くたっていました。そのころにはソ連そのものが解体へ向かっていて、キパリスはロシアの内務省や警察など、主に治安機関の小型自動火器として使われます。歩兵の主力としてAKを置き換えた銃ではなく、狭い場所で扱う小型火器や警備任務の武器という位置づけです。
ゲームでは、ガーベジのバンディットがスピッターを持っています。もとは治安機関向けだった銃が、ゾーンではバンディットの私物になり、反動を抑えるマズルブレーキまで付けられています。元の銃を知ると、持ち主がかなりの愛好家だったという説明にも納得がいきます。
旧作での扱い
ブーケS-2とスピッターは、今作で初めてシリーズ本編に登場した武器です。旧三部作には出てきません。
『S.T.A.L.K.E.R. Anomaly』など、武器を足せるMODの環境ではキパリス系の銃を見かけますが、本編の武器としては今作からの新顔です。
ゲームのモデルと実銃の違い
基本の形は通常版のブーケS-2と同じです。細い金属のストック、前に差すマガジン、小さな機関部は、実銃のキパリスをよく写しています。
違うのはグリップと銃口です。グリップは通常版より明るい色で、黒い機関部の中でよく目立ちます。実銃のキパリスは黒い樹脂のグリップなので、持ち主が自分で交換した部品に見えます。側面のSCの文字も、通常版には無い持ち主の印です。
一番大きな違いは銃口のマズルブレーキです。マズルブレーキは、銃口から出る発射ガスの向きを変えて、反動や銃口の跳ね上がりを抑える部品です。実銃のキパリスには専用のサプレッサーを付ける仕様があり、消音して使うことも特徴の一つでした。スピッターはその逆で、消音を捨てて反動の小ささを取った改造です。
アタッチメントと改造
マズルブレーキが銃口に固定されているので、サプレッサーは付けられません。大容量マガジンは付けられ、通常版と同じく20発から30発に増やせます。
標準の20発は、連射を続けるとすぐに尽きます。何人かを相手にすると途中でリロードを挟みがちなので、大容量マガジンを手に入れたら真っ先に付けておきましょう。反動が小さいスピッターで、そのぶん長く撃ち続けられます。
最適射程は7mです。反動が小さくても遠くを撃つ銃にはならないので、近い距離で狙いを合わせてすばやく撃つ使い方が合っています。9×18mm弾は拳銃と共用できるので、ライフル弾を使わずに人間の敵を相手にする銃として持っておくと便利です。重さも1.60kgと軽く、サブの武器として持ち歩いても負担になりません。
入手場所
スピッターは、ガーベジのサイドクエスト「大戦果」の流れで手に入ります。
- ボタ山でザハル・バベイから「大戦果」を受ける
- 駐車場でザハルの手下と合流する
- 待っていたサシュコ・チアリーたちと戦う
- サシュコの死体を調べてスピッターを回収する
簡単に稼げるはずの仕事は、実はスキフとアコピャンをバンディットの待ち伏せにはめる罠でした。待ち伏せの中にいるのが、スピッターの持ち主のサシュコ・チアリーです。
欺瞞の連鎖での使い道
戦いのあと、生き残ったアコピャンから後続のクエスト「欺瞞の連鎖」が始まります。アコピャンもザハルの罠にはまった一人で、決着を付けるためにスキフの助けを求めてきます。
このクエストでは、サシュコ・チアリーの銃を取ることが目標の一つです。スピッターをボタ山へ持っていき、ザハルを外へおびき出す材料に使います。側面にSCの文字があるので、ただのブーケS-2と違い、誰の銃かがひと目で分かります。スピッターは、サシュコたちが倒された証拠になる銃です。
ザハルをボタ山からおびき出したあとは、護衛するか殺すかを選びます。どちらを選んでも、スピッターはその前の段階で手に入っています。
「欺瞞の連鎖」を終えるまでは、スピッターを売ったり保管箱に預けたりせず、手元に持っておきましょう。クエストを受ける前に駐車場でサシュコたちと戦うと、ザハルのクエストがうまく始まらないことがあり、その場合も銃を持ったままボタ山へ戻ると進められたという声があります。
海外での評価
海外の掲示板では、スピッターに加えて通常版のブーケS-2もよく褒められています。軽さ、安い弾、修理費の安さ、近い距離での撃ちやすさが理由で、9×18mm弾を拳銃と共用して荷物を軽くできる点も好かれています。序盤から中盤で頼れる過小評価の銃として挙げる人もいます。
スピッターを中盤の主力にして、大容量マガジンを探している人もいます。前の周回では終盤までスピッターを使ったものの、次の周回ではサプレッサーを付けられる通常版に戻した、という声もあり、この銃の長所と短所をよく表しています。照準器は付けられるのにサプレッサーは付けられない点を惜しむ声も多く、正面から撃ち合うなら使いやすく、静かに戦いたい人には合わない銃です。
性能の差は小さくても、サシュコ・チアリーの私物を奪い、ザハルをおびき出す証拠に使うまでの出来事と一緒に覚えやすいユニーク武器です。









