.45口径ACPを使うハンドガンです。
M10ゴードン
M10ゴードンの詳しい説明
コストの低さと弾の拡散範囲の広さを顕著な特徴とするサブマシンガン。ルーキー達の間で人気があるが、本当のゾーンでの生活を経験すれば、コストの低さで生き延びることが難しいのがすぐわかる。

M10ゴードンは、.45 ACP弾を毎分1,333発という猛烈な速度で撃つマシンピストルです。元になったのは、アメリカの銃器設計者ゴードン・B・イングラムが開発したIngram Model 10、いわゆるMAC-10。『S.T.A.L.K.E.R. 2』では見た目こそ小型サブマシンガンですが、ゲーム上はハンドガン枠に入り、アーティファクト探知機を出したままでも撃てます。
装弾数は30発、基礎ダメージ9.5、防具貫通2、重量1.4kg。一発は軽いものの、30発を約1.35秒で撃ち切ります。近距離でトリガーを引くと、本当に一瞬でマガジンが空になる銃です。そして「M10ゴードン」という名前にも、元ネタがあります。
ゴードンの由来
一般にはMAC-10として知られていますが、元のモデル名はModel 10、M10です。そしてGordonは、この銃を設計したGordon B. Ingram、ゴードン・B・イングラムから取られています。つまり「M10ゴードン」は、実銃名を少し崩した架空名というより、M10と設計者の名前をそのままつないだ呼び方です。銃の由来を知っていると、分かりやすい名前になっています。
MAC-10という名前
MAC-10という呼び方は世界中で定着していますが、もともとの正式なモデル名とは違います。MACはMilitary Armament Corporationの略で、同社が販売したModel 10だったことからMAC-10という名前が広まりました。実銃を指すならIngram Model 10やM10、一般的な呼び方ならMAC-10、そして『S.T.A.L.K.E.R. 2』ではM10ゴードンという関係です。ゲーム側の名前は、意外と元のM10へ近いところから取っています。
ゴードン・イングラムとM10
ゴードン・イングラムは第二次世界大戦で歩兵として従軍したあと、警察や軍向けの短機関銃を開発するようになりました。初期にはトンプソンに近い姿のModel 5やModel 6を作り、Model 6は少数ながら生産されています。ただ、大きな商業的成功にはつながらず、その後はもっと小さく、安く作れる短機関銃へ方向を変えていきます。
その流れから1960年代に生まれたのがM10です。1969年には、消音器メーカーSionicsを率いていたミッチェル・ワーベルと組み、M10とサプレッサーを軍関係者へ披露。その後Military Armament Corporationが設立され、1970年から.45 ACP仕様と9×19mm仕様のM10、それより小さいM11の生産が始まりました。会社そのものは1976年に倒産しますが、M10の姿は映画やゲームの中に長く残りました。

小さな銃
実銃M10は、短機関銃としてはとても小型です。ストックを収納した状態では全長約269mmで、内部には伸縮式のワイヤーストックを収めています。.45 ACP仕様は30発、9×19mm仕様は32発マガジンを使用し、.45 ACP仕様の連射速度は毎分1,000発を大きく超えます。
この小ささを実現した特徴のひとつが、ボルトの一部が銃身を包み込むテレスコーピングボルトです。機関部を短くまとめられるため、30発入りの短機関銃でありながら拳銃に近いサイズまで縮められました。ただし、小さいから撃ちやすいわけではありません。むしろM10は、その小ささと高すぎる連射速度の組み合わせでよく暴れる銃です。
毎分1,333発の暴れ馬
『S.T.A.L.K.E.R. 2』のM10ゴードンは、実銃よりさらに速い1,333rpmに設定されています。1秒あたり約22発なので、30発マガジンなら約1.35秒、40発マガジンでも約1.8秒で空になります。反動を直そうと思ったころには、だいたい弾がありません。
ゲーム内説明でも、M10ゴードンは安価で精度が低く、新人ストーカーが手を出しやすい銃として書かれています。実際、近ければものすごい勢いで弾を押し込めますが、距離が離れると急に扱いにくくなります。この性格は、実銃M10の高すぎる連射速度ともよく合っています。
前方ストラップの理由
実銃M10には、銃口の下から布製ストラップを垂らした仕様があります。これは飾りではなく、射撃時に前方を支えるためのものです。小さな銃から.45 ACPを猛烈な速度で撃つため、長く連射すると銃口がかなり跳ね上がります。そこでストラップを使って銃を押さえやすくしていました。
ゲームでも、M10ゴードンは近距離なら強烈ですが、少し離れると弾が散りやすくなります。もちろんゲーム向けに調整された挙動ですが、近距離では強く、長く撃つほど制御しづらいという性格は元のM10から大きく外れていません。
オープンボルトも再現
M10ゴードンには、細かい再現もあります。実銃M10はオープンボルト式で、射撃前はボルトが後ろで止まっています。トリガーを引くとボルトが前進し、マガジンから弾を拾ってそのまま発射します。
そのため、一般的な拳銃のように「マガジン30発+薬室1発」で30+1発にはなりません。『S.T.A.L.K.E.R. 2』でもここは再現されていて、M10ゴードンには薬室分の+1発がありません。マガジン交換後の薬室まで管理するゲームなので、この違いは意外と目立ちます。
実銃と違ってフルオート専用
逆に、実銃から変わっている部分もあります。実銃M10にはセミオートとフルオートがありますが、ゲームのM10ゴードンはフルオートのみ。3点バーストも単発モードもありません。
このため、1発だけ撃ちたい場面ではトリガーをごく短く触る必要があります。性能的にも丁寧に一発ずつ頭を狙う拳銃ではなく、近距離で押し付けてまとめて撃つほうが合っています。
.45 ACPなのに一発はかなり弱い
現在の基礎性能は次のようになっています。
| 項目 | M10ゴードン |
|---|---|
| 種類 | ハンドガン |
| 弾薬 | .45 ACP |
| 基礎ダメージ | 9.5 |
| 防具貫通 | 2 |
| 連射速度 | 1,333rpm |
| 装弾数 | 30発 |
| 最適射程 | 9m |
| 威力保持率 | 34% |
| 重量 | 1.4kg |
| 耐久値 | 1,500 |
同じ.45 ACPを使うUDPコンパクトは基礎ダメージ25、Kora-1911は51。それに対してM10ゴードンは9.5です。同じ弾を使っているとは思えない差ですが、『S.T.A.L.K.E.R. 2』では弾薬だけで威力が決まるわけではなく、武器ごとにダメージが設定されています。
その代わりM10は、毎秒約22発を撃ち出します。単純に9.5を22回並べれば瞬間的な火力は高く見えますが、実戦では反動や散らばり、防具、外れた弾もあるので計算どおりにはいきません。特に距離が離れるほど、一発の軽さが目立ってきます。
小型ミュータントには使いやすい
M10ゴードンが気持ちいいのは近距離です。ブラインドドッグやトゥシュカーノなど、小さくて動き回る相手がまとめて寄ってきたときは、一発ずつ丁寧に合わせるより30発をまとめてばらまけるほうが楽な場面があります。
しかもM10はハンドガン枠なので、長物2挺をそのまま持てます。ショットガンとスナイパーライフルを背負った状態でもM10を追加でき、探知機を出したまま撃つこともできます。見た目はSMGですが、ゲーム上は拳銃という扱いのおかげで、実質的に3本目の自動火器を腰へ押し込めるのが一番面白いところです。
代償は.45 ACPの消費量
問題は、弾をたくさん使うことです。30発を約1.35秒で使い切るので、数回まともに撃ち合うだけでも.45 ACPが大きく減ります。同じ.45 ACPでもKora-1911は一発の威力が高く、必要な弾数を抑えやすいので、弾薬効率はほとんど正反対です。
M10は弾を節約して戦う銃ではありません。弾があるから撃つ。撃つと一瞬でなくなる。それを分かったうえで使う銃です。30発ある安心感と、30発しかなかったことに気付くまでの時間がものすごく短いです。
サプレッサーを付けるとMAC-10らしくなる

M10ゴードンにはタクティカルピストルサイレンサーを装着できます。さらにコリメーターサイトと40発大容量マガジンにも対応しており、全部付けると派手な見た目になります。
サプレッサーは実銃M10の歴史でも重要です。イングラムがSionicsのミッチェル・ワーベルと組んだことで、M10は大型サプレッサーとの組み合わせで売り込まれました。.45 ACPと亜音速9mmを使えることも消音運用と相性がよく、巨大な筒型サプレッサーを付けたMAC-10は、この銃を象徴する姿のひとつになっています。ゲームでもサプレッサーを付けると、ぐっとMAC-10らしくなります。
実銃より軽い
重さは実銃とゲームで大きく違います。実銃M10は空の状態でも約2.8kgありますが、ゲームでは1.4kg。ほぼ半分です。ハンドガンの枠に入れて持ち歩けるよう、軽くしてあります。
連射速度も、実銃の.45 ACP仕様よりゲーム版のほうが速くなっています。つまりゲームでは、実物より軽くして、さらに速く撃てるようにしています。撃ったときの暴れ方はM10らしいですが、スペックそのものはゲーム向けです。
9mm刻印なのに.45 ACP
細かいところでは、銃本体の刻印にも変な部分があります。ゲームのM10ゴードンは.45 ACPを使い、マガジンウェルも.45 ACP仕様に近い形ですが、本体には「9MM」の刻印が残っています。
実銃M10には9×19mm仕様と.45 ACP仕様の両方が存在するので、3Dモデルを作るときに9mm仕様の刻印が混ざった可能性があります。ゲームプレイには何の影響もありませんが、銃をじっくり眺めると気付くタイプの違いです。
旧作にも登場しかけていた
M10ゴードンは『S.T.A.L.K.E.R. 2』で突然候補に入った武器でもありません。初代『Shadow of Chernobyl』の開発データには「wpn_mac10」という未使用設定が残っています。ただし完成した武器ではなく、専用モデルやアイコンもなく、通常プレイには登場しませんでした。
つまり初代の開発中にはMAC-10を入れる案がありながら、そのまま没になり、『S.T.A.L.K.E.R. 2』でM10ゴードンとしてようやく正式に登場しました。約20年越しで戻ってきた武器です。
ユニーク版ギャングスター
M10ゴードンにはギャングスターというユニーク版があります。メインクエスト中に入手でき、最初から40発の大容量マガジンと専用マズルブレーキが付いています。通常のM10では使えないマズルブレーキです。
ただし基礎ダメージは通常版と同じ9.5。一発そのものが強くなるわけではなく、より長く撃てるM10という立ち位置です。それでも1,333rpmなので、40発あっても約1.8秒で空になります。30発が一瞬で消える銃を、ほんの少しだけ長く撃てるようにした武器です。
M10ゴードンの評価
M10ゴードンは、性能だけで考えると癖があります。ダメージは低く、精度も高くなく、.45 ACPをものすごい勢いで消費します。後半の重装備兵へ30発をばら撒くくらいなら、もっと効率のいい武器はいくらでもあります。
それでも、この銃は撃つと妙に楽しいです。小さな箱から.45 ACPがものすごい勢いで飛び出し、1秒少しで30発がなくなります。サプレッサーを付ければ見た目もMAC-10らしくなり、しかもハンドガン枠なので探知機と一緒に使えます。
元ネタの再現も丁寧で、ゴードン・イングラムの名前、30発の.45 ACPマガジン、オープンボルトなので薬室の+1発がないところまで拾っています。その一方で、重量を半分ほどにして、連射速度をさらに上げ、射撃モードはフルオートだけにするなど、ゲーム向けの変更も大胆です。
強いから持つ銃というより、撃つと楽しいから持ちたくなる銃です。ゲーム内では新人が安さにつられて選ぶ武器という扱いですが、最後まで使うなら、たぶん効率とは別の理由になります。

