「M860クラッカー」の固有版のショットガン。Cost of Hopeで追加された。
クラッパー
クラッパーの詳しい説明
M860ショットガンのカスタマイズ版。サプレッサーとレーザーサイトの装着から、持ち主が古参のショットガンを真のタクティカルウェポンへ仕立てたがっていたことがうかがえる。

クラッパー(Clapper)は、12ゲージ弾を使用するポンプアクションショットガンで、M860クラッカーのユニーク版です。2026年8月20日に配信された拡張「Cost of Hope」で追加されました。
一番目立つのは、やっぱり銃口に付いた巨大なサプレッサーでしょう。『S.T.A.L.K.E.R. 2』ではショットガンに普通のサプレッサーを取り付けられませんが、クラッパーだけは最初から専用品を装備しています。しかも飾りではなく、発砲音を抑える機能もあります。現在のバニラ環境では珍しい一挺です。外装も普通のM860クラッカーとは大きく違います。実銃としては、SilencerCo Salvo 12と蛇皮柄の迷彩を施したRemington 870がベースです。黒一色の通常版よりずっと派手で、武器庫に並べてもすぐ分かるデザインです。
元ネタのRemington Model 870
M860クラッカーとクラッパーの元ネタは、アメリカのRemington Model 870です。Remingtonは1940年代後半、当時のModel 31に代わるポンプアクションショットガンの開発を始めました。L. Ray Crittendon、Phillip Haskell、Ellis Hailston、G. E. Pinckneyらが設計を担当し、半自動式のModel 11-48と一部の設計や部品を共有することで、生産しやすいショットガンに仕上げています。1950年にModel 870 Wingmasterとして発表され、その後は狩猟、スポーツ射撃、警察や軍用まで大量に普及しました。生産数は1000万挺を超えています。ポンプアクションショットガンの代表格と言っていい銃です。

ゲームのM860クラッカーは、この870を現代的にカスタムした姿です。実銃としては、FAB Defense系のピストルグリップ、Mesa Tactical Urbinoストック、XS Ghost Ring系リアサイトを装備した870です。さらに改造すると10発ボックスマガジン式になりますが、これも完全なゲームオリジナルではありません。実際にRemingtonは870 DM(Detachable Magazine)というボックスマガジン式870を製品化しています。ゲーム側はこの仕様を改造として取り込んだようです。

旧三部作でのRemington 870
この点は少し意外です。Remington 870そのものは、旧三部作では使用武器として登場していません。『Shadow of Chernobyl』『Clear Sky』『Call of Pripyat』で中級ポンプアクションショットガンとして登場していた「チェイサー13」の実銃は、Remington 870ではなくMaverick Model 88です。『Clear Sky』ではショットガン改造画面のアイコンに870らしき画像が使われていますが、実際に撃てる870はありません。
少し変わっているのが、今作のユニーク武器「プレデター」です。『Call of Pripyat』ではトラッパーの狩猟クエスト報酬としてプレデターが登場しますが、こちらはチェイサー13、つまりMaverick 88がベースでした。『S.T.A.L.K.E.R. 2』では同じプレデターという設定を引き継ぎながら、銃そのものはM860クラッカー、つまりRemington 870へ変更されています。M860クラッカーは昔からあった銃の再登場というより、旧作ショットガンの立ち位置を受け継ぎつつ『S.T.A.L.K.E.R. 2』で新しく採用された870です。
巨大なサプレッサーの元ネタ
クラッパーの先端についている四角い物体は、架空の装備ではありません。元ネタはアメリカのSilencerCoが開発したSalvo 12です。Salvo 12は2014年に発表された12ゲージショットガン専用サプレッサーで、SilencerCoは当時これを初の商業的に実用化されたショットガンサプレッサーとして発表しました。普通のライフル用サプレッサーとはずいぶん形が違い、銃身の下側へ張り出す長方形の本体が特徴です。
この変わった形にも理由があります。本体を銃身の真上ではなく下方向へ逃がすことで、巨大なサプレッサーを付けても照準線を邪魔しにくくしています。内部の構成を変更して6、8、10、12インチと長さを変えられるモジュラー構造なのも特徴です。接続にはショットガンの交換式チョーク部分を利用する専用アダプターを使います。なのでクラッパーのあの妙に四角くてデカいサプレッサーは、実物に忠実です。初見だとゲーム側が盛った装備に見えますが、実銃のほうもだいたいこんな形です。
蛇皮柄の外装
もう一つ分かりやすい違いが外装です。クラッパーには、レシーバーからストック、フォアエンドにかけて爬虫類の鱗を思わせる模様が入っています。これは蛇皮柄の迷彩と呼ばれる柄です。本物の蛇革を巻いているわけではなく、柄です。あくまで蛇皮を模した塗装や迷彩パターンと考えておいたほうが安全です。Salvo 12の巨大な黒いサプレッサーと、この蛇柄の組み合わせは独特です。普通のM860が警察や軍用っぽい実用一点張りの姿なので、並べるとほとんど別の銃に見えます。
通常のM860クラッカーとの性能差
| 項目 | M860クラッカー | クラッパー |
|---|---|---|
| ダメージ | 160 | 160 |
| 貫通 | 2.0 | 3.0 |
| 連射速度 | 60RPM | 63RPM |
| 最適射程 | 5.0m | 5.0m |
| 装弾数 | 6発 | 6発 |
| 重量 | 3.20kg | 3.50kg |
| 耐久指数 | 453 | 453 |
| 基本価格 | 8,000 | 32,600 |
見た目だけのユニーク版ではありません。2026年9月時点のゲームデータでは、ダメージ160はそのままですが、貫通が2.0から3.0へ大きく上がっています。連射速度も60から63RPMへわずかに速くなっていますが、こちらは体感できるほどの差ではないでしょう。代わりにサプレッサーぶん重量が300g増えています。この貫通3.0はサイガD-12と同じ値です。Saigaほど高速連射はできませんが、一発の基礎ダメージはクラッパーのほうが160と高い。普通のM860は終盤になると貫通不足が気になってくる銃でしたが、クラッパーはそこを強引に直しています。
クラッパーには貫通力を25%上げる技術者改造も存在します。終盤のミュータント相手でも、貫通が通りやすいショットガンです。
アタッチメントと改造
クラッパーのSalvo 12は、通常のサプレッサーのようにインベントリから付け外しする装備ではありません。クラッパー本体に組み込まれた固有装備です。そしてM860系なので、通常版と同じ10発ボックスマガジン化も利用できます。M860クラッカーのマガジンフィード用設計図はケミカルプラント地域の中央エレベーターにあり、通常版を870 DM風のボックスマガジン式へ変更できます。同じ設計図はクラッパーにも使え、10発マガジン化できます。
ここはCost of Hope配信直後、ややこしい不具合がありました。クラッパーを改造するとサプレッサーが消える不具合があり、原因はマガジンフィードなのかチョークなのか特定できていませんでした。2026年9月10日のパッチ2.0.5では、クラッパーにチョーク改造を施すとサプレッサーが外れる問題を正式に修正しています。マガジンフィードを付けた状態でもサプレッサーは維持されます。現在の最新バージョンは9月18日配信の2.0.6ですが、こちらはクラッシュ修正のみで、クラッパーへの追加変更は発表されていません。昔の記事や投稿にある「改造するとサプレッサーが消える」という注意は、現在の仕様には当てはまりません。
入手方法
クラッパーはCost of Hopeのメインクエスト「精神の破壊力」で入手します。このミッションでは、マフカとズールーからそれぞれ別の作戦を提示されます。ここでマフカ側の作戦を選択してください。ズールーを選ぶとクラッパーではなく、ARev系のユニーク武器「ワルシャワ」が手に入ります。1つのセーブデータで普通に進める場合、この場面で両方を取ることはできません。
マフカ側へ進んだあと農業作業所で彼女と合流すると、X16へ潜入する前の会話でクラッパーを直接渡されます。固定配置された箱を探したり、敵から拾ったりする武器ではありません。クラッパーとワルシャワを両方コレクションしたい場合は、「精神の破壊力」でマフカとズールーのどちらを選ぶか決める前に手動セーブを残しておくのが確実です。
使ってみた感想
クラッパーは、Cost of Hope追加武器の中でも評判のいい一挺です。サイガD-12やガーディアンを持っていても、クラッパーを使い続けるプレイヤーは多いです。評価されているのは、高い単発ダメージ、Saiga級の貫通、10発マガジン化、そして何よりショットガンなのに消音できることです。DLCをほぼクラッパーだけで通せるという声や、終盤でも使える数少ないポンプアクションだという声もあります。マフカ側のクラッパーは、ショットガン唯一のサプレッサーという点で、ズールー側のワルシャワよりユニーク武器らしい一挺です。
もちろん、純粋な瞬間火力ならサイガD-12の高速連射には勝てませんし、そもそもステルスが活躍する場面は少ないという反対意見もあります。この銃は、そこが持ち味です。単純にSaigaより強いショットガンではありません。ポンプアクションなので連射は遅いし、チューブ装填のままだとリロードも長いです。でも、普通のM860の160ダメージを残したまま貫通3.0まで引き上げ、Salvo 12を載せて、さらに10発マガジン化までできる。好きでM860を使い続けたかった人に、終盤まで使える理由をきちんと与えたユニーク版です。蛇柄と巨大サプレッサーも含めて、Cost of Hopeの追加武器の中でもキャラの立った一挺です。









