物語の主役は、ガスリオン出身の貨物パイロットシェードです。帝国が倒れたあと、ダライアス・パックスが作ったギャラクティック・リーグで、シェードは自分の人生を狂わせたチャンピオン、ケスター・ブールに挑みます。
キャンペーンはプロローグと3つの幕、エピローグで終わります。第1幕で予選を勝ち抜き、第2幕でケスターに勝ったものの、勝利を取り消されます。第3幕ではポッドレーサーに乗り換えて、もう一度ケスターに勝ちます。場面の順に、何が起きたのかと、なぜそうなったのかを解説します。
スター・ウォーズの映画を見ていなくても読めるように、映画とつながる場面には「映画のメモ」を付けました。
物語はいつの話?映画とのつながり
物語は、映画『エピソード6/ジェダイの帰還』で銀河帝国が倒れたあとの時代です。戦争で腕を磨いたパイロットたちが新しい居場所を探す中、ダライアス・パックスがギャラクティック・リーグを立ち上げます。惑星を巡ってレースを重ね、本拠地のダーベン・アコスでチャンピオンを決めるリーグです。
| 映画 | その映画で起きたこと | このゲームとのつながり |
|---|---|---|
| エピソード1/ファントム・メナス | 少年のアナキンが、ポッドレースでセブルバに勝つ | セブルバと、当時のポッドレーサーたちが出てくる |
| エピソード5/帝国の逆襲 | ハン・ソロがカーボナイトで固められる | ケスターの脅し文句に出てくる |
| エピソード6/ジェダイの帰還 | 皇帝とダース・ベイダーが倒れ、帝国が崩れる | 物語はこのあと。シェードも帝国の監獄から出られた |
| エピソード7・8 | ずっと後の時代。ジャクーとクレイトが戦いの舞台になる | 同じ惑星をレースで走る |
ジャクーの砂漠に転がる宇宙船の残骸は、帝国との最後の戦いで墜落した物です。映画の人物で物語の中心に関わるのはセブルバだけで、ほかはこのゲームのための新しい人物です。
リーグには、ガスリオンを何世紀も支配してきたブール家が深く関わっています。現チャンピオンのケスターはその御曹司で、父の力とお金を使って、リーグをパックスから奪おうとしています。
| 人物 | 立場 | 物語での役 |
|---|---|---|
| シェード | 主人公。ガスリオン出身の貨物パイロット | ケスターを倒すためにリーグに出る |
| ヒビー | シェードの船の整備士・発明家 | マシンを作り、最後はポッドレーサーまで組み上げる |
| ダライアス・パックス | リーグの創設者 | シェードを誘い、裏でスポンサーになる |
| ケスター・ブール | リーグの現チャンピオン。ブール家の御曹司 | シェードを妨げ、リーグを乗っ取る |
| セブルバ | ポッドレースの伝説のレーサー | 予選の最後の相手。第3幕ではシェードの後ろ盾になる |

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プロローグ|シェードはなぜリーグに出ることになる?
プロローグは、パックスのホロ通信から始まります。帝国の時代にレースは廃れかけていて、パックスはそれを昔の姿に戻したいと語ります。ポッドレーサーは究極のマシンでも操れる者がほとんどいないので、リーグではスピーダーで競います。パックスはランドスピーダー、スピーダー・バイク、スキムスピーダーを1台ずつ走らせて見せます。
そのうえでパックスは、シェードにケスターを倒すレーサーになってほしいと頼みます。ケスターが、父の権力とクレジットを使って、リーグからパックスを追い出そうとしているからです。

シェードはまだ乗り気ではありません。そばにいたヒビーが「いつもの配達仕事で終わる?それとも運命を選ぶ?」と背中を押し、シェードは荷物を届けるついでにリーグのパドックへ向かいます。
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第1幕「予選」|セブルバとの決勝はどうなる?
ケスターとの衝突で、シェードはリーグに出ると決める
ジャクーのパドックで、パックスはシェードを「ただのエキシビションだから」と最初のレースに誘います。シェードは「リーグには参加しない。レーサーじゃないんだ。」と断りますが、パックスに押し切られて走ります。

そのレースで、シェードのマシンはケスターのスピーダーとぶつかります。ケスターは直線で邪魔をされたと責め立て、「ボディガードがいなかったら、お前をカーボナイトで凍らせてるところだ!」とまで言います。ところがケスターは、2人が前にも会っていることを覚えていません。シェードはこれで心を決め、パックスに「協力する。あいつを倒す。」と告げます。
『エピソード5/帝国の逆襲』で、ハン・ソロが生きたまま固められた物質です。ハン・ソロはそのまま運ばれ、ジャバ・ザ・ハットの宮殿の壁に飾られました。ケスターの言葉は、それほどの目に遭わせてやるという脅しです。

スポンサーがいないシェードに、パックスが内緒でトークンを渡す
リーグに出るには、スポンサーが配るリーグトークンが要ります。ところが、ケスターともめた所をスポンサーたちに見られていて、ブール家の御曹司と争うガシイ(ガスリオンの人々)を、表立って支えようという者はいません。
そこでパックスが、自分がスポンサーになったことを隠して、最初のトークンを渡します。リーグの持ち主が選手を支えるのは筋違いなので、「スポンサーが誰か聞かれたら、謎めいた放浪者のようにふるまうんだ。」という約束です。この秘密が、第2幕の終わりで大きな問題になります。
予選の最後の相手は、ケスターが選んだセブルバ
予選のツアーは、ジャクーからランタアナ、アンドー・プライムを回り、ダーベン・アコスで終わります。予選の最後のレースは、ふだんは形だけの1対1ですが、ケスターはシェードの相手にポッドレースの伝説、セブルバをぶつけます。
『エピソード1』のポッドレースで、少年のアナキン・スカイウォーカーと競ったダグ族のレーサーです。相手のマシンを壊すような汚い手も使いましたが、最後はアナキンに抜かれ、自分のポッドレーサーも壊れました。このゲームには、年を取ったセブルバが出てきます。
シェードがセブルバに勝つと、正式なリーグのレーサーになります。レースのあと、セブルバはシェードに近づき、ケスターに呼ばれたのにブール家が報酬を払わないとぼやきます。さらに、ブール家はリーグの惑星すべてに工場などの事業を持っていて、リーグが大きくなるほどブール家も得をすると明かします。
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第2幕|ケスターの「替え玉」宣言とは?
パックスがシェードを選んだ本当の理由
第2幕の始め、パックスはシェードに、ケスターに帝国の監獄へ送られた3年のことを知っていると明かします。誰から聞いたのかと疑うシェードに、パックスは「わしは、だからお前さんを選んだ。」と言います。
3年!それは…想像を絶する。
自分に問うてきたことだろう。どうやって奪われた時間を取り戻すかを。
今がその時だ、シェード。時は来た!取り戻せ!
パックスにとってシェードは、ケスターを倒すための切り札であり、同時にケスターに人生を奪われた本人でもありました。シェードがリーグで走る理由は、ここで「レースに勝つこと」から「奪われた時間を取り戻すこと」に変わります。
ケスターはガシイをどう見ている?
第2幕では、ケスターがパドックで何度もシェードを挑発します。そのひとつが、父から聞いたという昔話です。ブール家の「労働プログラム」に加わっていたガシイの夫婦が、建設を任されたエネルギー鉱山に破壊工作を仕掛けていた。なぜかと尋ねた子どものケスターに、父はこう答えたといいます。
哀れな暮らしを良くしてやろうとする者たちに逆らうのが、ガシイの本能なのだ!
ブール家にとって、ガスリオンを支配することは「暮らしを良くしてやること」です。逆らう者は、恩知らずか、そういう本能の持ち主でしかありません。別の挑発では、ブール家が労働プログラムでガシイに教えていることとして「諦めろ。お前には才能がない。」を持ち出します。ケスターがシェードを見下すのは、この考え方をそのまま受け継いでいるからです。
ヒビーが知った、シェードとケスターの因縁
ケスターとの対決が近づくと、ヒビーはシェードに過去を尋ねます。シェードはガスリオンの抗議の騒ぎの中で、ケスターのスピーダーにぶつかりました。そのせいで、裁判もなく月の空洞にある帝国の監獄に3年間入れられ、帝国が倒れてやっと外に出られたのです。
暗闇の中、誰とも接触せず、3年過ごした。
…しかもケスターはそれを覚えてすらいなかった。
『エピソード6』で皇帝が倒れると、反乱同盟は新共和国を作り、帝国の残りと戦いながら銀河を立て直していきます。シェードは、帝国が倒れ、新共和国が出させたので監獄から出られたと語っています。

チャンピオンシップでケスターに勝ち、勝利を取り消される
ダーベン・アコスのチャンピオンシップは、ギャラクティック・ガントレットを勝ち抜いた先で、ケスターとの直接対決です。シェードはケスターに勝ちます。

ところがケスターは、満員のスタジアムと、見に来ていた父ケドロンの前で、シェードはパックスが裏で金を出した替え玉だと言い出します。パックスがスポンサーだったのは本当なので、言い逃れができません。ケスターはシェードを「腐敗の策士ダライアス・パックスの操り人形」と呼び、勝利は無効にされます。
パックスはブール家の手で連れ去られ、ケスターは自分がリーグのコミッショナーになると宣言します。最初の決まりは、これからチャンピオンの座はポッドレーサーで守るというものでした。ケスターが乗るポッドレーサーは、もとはセブルバの物です。
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第3幕|ポッドレーサーでの決着と結末
セブルバと組み、ガラクタからポッドレーサーを作る
第3幕「ケスターのギャラクティック・リーグ」は、シェードが前のツアーを失格にされたところから始まります。ツアーはこれまでどおりスピーダーで走りますが、決勝の相手のケスターはポッドレーサーです。ヒビーは「どんなスピーダーでもポッドレーサーには追いつけないの。」と言い、シェードにもポッドレーサーが要ると考えます。
そこへセブルバが現れ、自分はポッドレーサーを2台持っていて、1台を貸すと持ちかけます。代わりに、シェードとヒビーの稼ぎを折半すること、ケスターに勝って自分のポッドレーサーを取り戻すことが条件です。セブルバは、パドックのレーサーたちを「ピエロ」と呼びながら、自分を負かした人間はそういないと言い、こう続けます。
でもお前は違う。お前なら勝てるかもな。だから助けてやる。お前の未来に投資してやるよ。
汚い手で知られた伝説のレーサーが、シェードの腕だけは認めて賭けたわけです。人の下では働かないと渋るシェードより先に、ヒビーが話を受けていました。

タトゥイーンのセブルバの工房にあったのは、ガラクタ同然のポッドレーサーでした。ヒビーはこれを人間でも操れるポッドレーサーに作り直し、シェードはツアーの合間のポッドレーサーテストで操縦を覚えていきます。最初のテストのあと、ヒビーは「君にはポッドレーサーの反射神経が足りないよ、シェード。」と言い、それを補う装置を作ると約束します。
タトゥイーンは、アナキンとルーク・スカイウォーカーが育った砂漠の惑星で、『エピソード1』のポッドレースの舞台です。映画のポッドレースでも、人間のレーサーはアナキンただ1人でした。セブルバがシェードに目をかけるのも、そのためです。
決勝の前に、シェードはケスターを殺さないと決めていた
決勝の前、ヒビーは「ケスターを殺さないで、シェード!あいつが英雄になっちゃう!」と心配します。シェードは「ケスターを殺すつもりなんてない。あいつを倒す。」と答えます。2度目に決勝へ挑むときには、セブルバが「走りでダメなら、奴のポッドレーサーの爆弾を起爆しろ!」とけしかけます。シェードは「ケスターのポッドレーサーに爆弾なんて仕掛けてない。」と取り合いません。
ケスターに勝ったあと、何が起きる?
ギャラクティック・ガントレットを勝ち抜き、チャンピオンシップでシェードはポッドレーサーでケスターに勝ちます。
ケスターは「混雑したスタジアムに爆弾だと!?」と騒ぎ立て、「ガスリオンのストリート出身のクズに台無しにされてたまるか!」とわめきます。観客がシェードの名を叫ぶと、ケスターは「我が名を言え!」と迫り、「おめでとう、シェード。お前の勝ちだ。」と言って、ブラスターでシェードを撃ちます。
さすがに父ケドロンもこれを許さず、ケスターを連れていくよう命じます。ブール家に雇われている傭兵マリスが「パパがお遊びはおしまいだとよ。」と告げ、ケスターは父を呼びながら引きずられていきます。
撃たれたシェードは、それでも起き上がろうとします。ヒビーは「ただ手を振るだけでいいのよ。それだけで喜ぶわ、そっと手を振るだけでね…」と寄り添います。シェードはギャラクティック・リーグの新しいチャンピオンとして喝采を浴びます。
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エピローグ|リーグはどうなった?
エピローグでは、セブルバがヒビーに、これからは辺境の荒れた惑星ではなく、コルサントやナブー、カント・バイトの大きなスタジアムでレースをしたいと語っています。
コルサントは銀河の首都の惑星、ナブーは『エピソード1』でアミダラ女王が治めていた惑星です。カント・バイトは『エピソード8』に出てきた、金持ちが集まるカジノの街です。どれも、辺境とは正反対の華やかな場所です。
ケスターが去ったリーグには、まとめ役がいません。それでも、リーグを続けたいスポンサーたちは、セブルバに新しいコミッショナーを頼みます。セブルバは大げさに驚いてみせながら引き受け、ヒビーもリーグの運営に加わります。
セブルバは、シェードもいっしょにリーグを動かすものと考えていました。けれどもシェードは「そのために来たわけじゃないし、権力の怖さも痛いほど見てきた。」と断ります。ヒビーは「シェード…あなたのことは大好きよ…でも、一生あなたの船の修理はイヤ。」と言って、セブルバとリーグを動かす道を選びます。
シェードは「なんだか今は…とにかく飛びたい気分。」と答え、ヒビーの「私はここにいる。いつでもね。」で物語は終わります。
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結末の意味|シェードはなぜリーグを動かす側に回らなかった?
シェードは、ケスターとブール家の力に人生の3年を奪われました。パックスはその3年を「取り戻せ」と言ってシェードを選び、物語の最後には、セブルバとスポンサーたちが、リーグを動かす側の席をシェードの前に用意します。
それでもシェードは席に着きません。理由として口にしたのは「権力の怖さも痛いほど見てきた」でした。監獄に送られたのも、勝利を取り消されたのも、パックスが連れ去られたのも、すべてレースの外の力によるものです。
対になるのがケスターです。ケスターは父の力と金でリーグを動かし、負けると「替え玉」や「爆弾」を言い立てて勝ちを奪い返そうとしました。最後は、その父に見放されて連れ去られます。力に頼った者が、力に見放されて終わる結末です。
シェードは決勝の前にも「ケスターを殺すつもりなんてない。あいつを倒す。」と言っていました。復讐は、相手を消すことではなく、レースで勝つことで果たしています。そして最後の言葉は「とにかく飛びたい気分」でした。暗闇の監獄で3年を過ごした貨物パイロットが取り戻したかったのは、地位ではなく、思うままに飛ぶことだったのかもしれません。
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物語で気になる4つの点
ケスターの言う「爆弾」は本当にあった?
ケスターは撃つ前に「混雑したスタジアムに爆弾だと!?」と騒ぎますが、シェードが爆弾を使った場面はありません。セブルバに爆弾をけしかけられたときも、シェードは断っています。
爆弾の話は、観客の前でシェードを撃つための言い訳だったのかもしれません。第2幕の「替え玉」宣言と同じく、負けを認めずに相手を悪者にするやり方です。ただ、今度は父も味方をしませんでした。
セブルバを負かした「最初の人間」は誰?
第3幕でセブルバは、シェードは自分に勝った数少ない人間の1人だと言い、最初の1人についてこう続けます。
最初の1人、そいつが伝説のレーサーになったと思うか?いいや、奴は姿を消した。どうせ、ろくな人生を送っちゃいないだろう。
映画『エピソード1/ファントム・メナス』で、ポッドレースのセブルバを破ったのは、少年のアナキン・スカイウォーカーでした。セブルバが言う「最初の1人」は、アナキンのことかもしれません。アナキンはその後タトゥイーンを離れてジェダイになり、やがてダース・ベイダーとして帝国の側に立ち、『エピソード6』で命を落とします。セブルバの想像をはるかに超えた一生を、セブルバは知らないようです。
パックスはどうなった?
第2幕の終わりに連れ去られたあと、パックスは物語に戻ってきません。第3幕でヒビーに聞かれたシェードは、殺されたか、自分と同じように監獄に送られたかのどちらかだと答えます。
エピローグでセブルバが「パックスとケスターがくたばった今——」と言いかけると、シェードは「死んではいないよ。」とさえぎります。パックスはどこかで生きているのかもしれません。連れ去られる前に、パックスはケドロンに「約束が違う…!」と叫んでいて、ブール家とは何かの取り決めがあったようです。
ブール家はガスリオンで何をしてきた?
ブール家の企業はガスリオンを占領し、ガシイの人々を何世紀も支配してきました。第2幕でケスターが持ち出した、エネルギー鉱山に細工をしたガシイの夫婦の話も、この支配の中の出来事です。
シェードが抗議の騒ぎに巻き込まれて監獄に送られたのも、この支配の中の出来事です。ブール家の事業はリーグの惑星にも広がっていて、ケスターがリーグにこだわるのは、一族の商売のためでもあったのかもしれません。



















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