ダム戦場の給水塔や、埋もれた街のタウンホール。
その近くに置かれた赤い球体と、壁一面の白い落書きに、やたら情報量の多い図形が描かれています。
海外Reddit:r/ArcRaidersでは、この模様を「Red Orbs のダイアグラム」と呼んで徹底的に解析している人がいます。
この記事は、その投稿
NatD20 氏のスレ ─ Something Is Hidden on the Red Orbs
をベースに、日本語で内容を整理しつつ、自分なりのロア考察とコミュニティの反応をまとめたものです。
元スレはほぼ論文レベルの長さなので、「とりあえず何が分かってきているのか知りたい」という人向けのダイジェストだと思って読んでほしいです。
元ネタの整理:図を清書して見えてきたこと
NatD20 氏は、ダム戦場と埋もれた街で撮ったスクリーンショットや動画から、壁画とオーブの模様をひたすらトレースし、独自に「清書版ダイアグラム」を作成しています。


ゲーム内では壁の汚れや陰影で潰れている部分もありますが、この清書版を使うと全体像がかなりはっきり見えます。
まず目につくポイントは次の二つです。
- 左から右へ並ぶ円の列が、ほぼそのまま「太陽系の惑星配置」になっていること
- 図全体の構成が、パイオニア探査機の「パイオニア・プレート」の太陽系図と酷似していること
特に、土星付近から上に伸びる線の先に小さな「探査機っぽい記号」が描かれているところは、パイオニア・プレートの意匠を強く意識していると言ってよさそうです。
清書版をもとに、惑星に対応させるとこうなります。
- 左の大きな円が太陽
- 右に向かって、水星・金星・地球・火星
- 火星と木星の間に、正体不明の小さな円(小惑星帯の何かと仮定)
- その先に木星・土星・天王星・海王星
- 土星の真下にぶら下がる円をタイタン(月)と読むときれいに並ぶ

このあたりまでは、元スレでもほぼコンセンサスが取れている部分です。
線と記号は「信号」の図解説か
この図を面白くしているのは、惑星同士をつなぐさまざまな線と、その周囲にびっしり描かれた「謎のシグナル」です。
- 実線でつながれている惑星
- 端が少しだけ空いた状態で止まっている線
- 点線でつながる経路
そして、
0))|(((
))||(((
のような、丸・縦棒・括弧だけで構成された記号列が描かれています。
NatD20 氏は、この記号列を一つずつ切り出して「単語」扱いしながらルールを探っています。
現時点で有力とされている仮説は、おおむね次のようなものです。
- 「0」は信号の発信源
- )) や ((( は波形、つまり電波や通信
- | の本数は、信号の種類か、ビット列っぽい何かを表現している

特に分かりやすいのが、火星とその右にある「謎の円」の間です。
途中まで ))||((( の形だった信号が、点線でつながった先では 0))|((( に変化しています。

ここから、
もともと 0 が発信源だったが、それを火星そのものに置き換えた
記号列の“長さ”を合わせるために | の数を変えている
という解釈が生まれています。
数字の一致と接続先の関係
ここで面白いのが、シグナルを全部数えていくと見えてくる「数字の一致」です。
ダイアグラムに描かれた
- 惑星や謎の円、ステーション同士を結んでいる「接続(線)」の数
- その接続一つ一つに対応している「シグナルの数」
がぴったり一致しているのです。色分けして確認すると、どのシグナルも必ずどこか一つの接続に対応していて、余りも不足もありません。


さらに、すべてのシグナルの中に出てくる「ソース記号」である 0 の数を数えると、太陽・惑星・小惑星帯の円・タイタンなど、この図に描かれた天体ノードの数とちょうど同じになります。
つまり、
- 接続の数 = シグナルの数
- 天体ノードの数 = シグナル中のソース(0)の数
という関係になっているわけです。
これだけきれいに数字が揃っていると、さすがに「何となく描いた模様です」と切り捨てるには惜しく、
「各シグナルは必ずどこかの天体から発信され、必ずどこか一つの接続に割り当てられている」という、見えないルールが存在していると考えたくなります。
このルールで図全体のシグナルを抜き出すと、いくつかの「文」に分解できます。
それを並べ替えれば、二進数や別の暗号文になるのでは、という方向での解析も進んでいますが、まだ決定打は出ていません。
ただし、信号の「流れ」についてはかなり整理が進んでいます。
- 太陽から「3つの点のある円」へ
- 「3つの点のある円」 から「土星の上空にある大型ステーション」へ
- そこから木星・タイタン・天王星へ向けて、大きな信号がビームのように伸びている
元スレではこの部分を「Flow of Information(信号の流れ)」と呼んでおり、清書された図でもはっきり確認できます。
3つの正体不明オブジェクト
太陽や惑星と違う形で描かれた記号は、大きく三種類あります。
- 太陽の左上にある「3つの点のある円(3 Dot Circle)」
- 土星の上空に縦に並ぶ二つの菱形(小さなステーションと大きなステーション(Small Station / Large Station)
- 土星の右にある、半円の輪で何重にも囲われた「シールドされた球体(Shielded Orb)」

ステーション二つについては、軌道上の巨大施設か中継基地を表しているだろう、というあたりまでは共通認識に近いです。
問題は 3つの点のある円 と シールドされた球体 の正体です。
“3つの点のある円“の役割
太陽のすぐそばに位置し、最初の信号を受け取っているのが 3つの点のある円 です。
立ち位置的には、
- 太陽からのエネルギーや信号を受けて処理する「ゲート」
- 太陽系外との通信を変換するフィルター
のような存在として読むことができます。
また「3つの点」そのものが、周波数・位相・強度といった3つのパラメータの象徴ではないか、という意見もあります。
NatD20 氏自身も「とにかくここがスタート地点であることだけは間違いない」としており、今後の伝承(Lore)で重要な意味を持つ可能性は高そうです。
“シールドされた球体“は隔離された何か
土星の右にある シールドされた球体 は、複数の半円が重なっており、他のどの記号とも違う描き方になっています。
見た目だけで言えば「バリアに包まれた球体」そのものです。
ロア視点では、
- 人類が最後に築いた避難施設
- ARCの中枢にあるブラックボックス
- あるいは、完全に封印された旧時代の兵器やAIコア
など、かなり妄想の余地がある部分です。
少なくとも「ただの惑星記号ではない」という点には、多くのユーザーが同意しています。
壁画版だけ一部が“消されている”謎
同じ模様は、少なくとも現時点で
- ダム戦場の赤いオーブ
- 埋もれた街タウンホールの壁画
- 宇宙港の一部の壁
で確認されています。
興味深いのは、赤いオーブ版と壁画版で使われているスタンプは同じなのに、タウンホールの壁画では一部のセクションがほとんど見えないほど薄くなっていることです。
オーブ側ではその部分もくっきり視認できます。
これについては、
- 壁画は「あとから誰かが上書きして消そうとしたもの」ではないか
- ゲーム世界の住民、あるいは ARC 側が、わざと特定部分を削り取ったのではないか
という解釈が出ています。特に、信号が交差する中心部や、ステーション周辺の「ごちゃごちゃした記号」の部分ほど消え方が激しいです。
もし意図的な表現だとすれば、「ここにこそ ARC の起源や事故の原因が描かれているが、何らかの理由で隠された」と読むこともできます。
ロアとして読む「ARC=人類製マシン」仮説
NatD20 氏が提示しているロア仮説の骨子は次の通りです。
- エグゾダスで人類は地球を離れ、主に火星へ移住した
- 火星から外惑星へ、資源採掘やテラフォーミング目的の無人機を送り出した
- 木星・タイタン・天王星への矢印はその“採掘ライン”
- その無人機ネットワークが、長い時間のなかで暴走・変異した存在が ARC である
- 火星の下に並ぶ小さな点の列は「火星上のコロニー数」を表しているかもしれない
火星が他の惑星より一回り大きく描かれていること、人類と ARC の使う弾薬や武器部品が似ていることなども、この仮説を後押ししています。
コメント欄でも
- 「ARC は人類の技術をベースにしている。弾薬やシールドが共通しているのは偶然ではない」
- 「むしろ人間側が ARC 技術をリバースエンジニアしているのではないか」
といった意見が多く、
ARC は完全な異星文明ではなく、人類起源か、少なくとも人類技術を取り込んだ存在という線はかなり支持を集めているように見えます。
それでも「ただのかっこいいアート」という線
一方で、スレの中にはかなり冷静なコメントも多いです。
- 一番ありそうなのは『アーティストがかっこいいと思って描いただけ』というオッカムの剃刀的な結論
- 実際に解読可能なコードが埋め込まれているとしても、ゲームプレイ上は何も起こらない“自己満足仕様”かもしれない
- テクスチャが AI 生成の可能性もゼロではない
OP 本人も、
時間が経てば経つほど『本当にコードなのか』という自信は減ってきている
それでも、何かのロアのヒントにはなっている気がする
とコメントしていて、「解けるパズル」なのか「雰囲気ロア」なのかはまだ判断がつかない状態です。
Reddit民の反応と追加の仮説
元スレのコメント欄は、半分くらいはスレ主の熱量に対する賞賛とネタで埋まっていますが、その中にもいくつか面白い視点があります。
イースターエッグ文化とのつながり
- BF3 / BF4 や THE FINALS のイースターエッグ祭りを経験しているプレイヤーからは
「Embark の開発陣はこういう隠し要素が大好きだから、何か仕込んでいてもおかしくない」
という声が多いです。 - 「Destiny 2 のレイドパズルを思い出す」「Elite Dangerous の宇宙パズルっぽい」といった、ゲーム外のコミュニティ解析文化との比較も出ています。
図柄の元ネタについて
- パイオニア・プレートやボイジャーのゴールデンレコード、アレシボ・メッセージなど、現実世界の“宇宙へのメッセージ”から強く影響を受けている、という指摘はほぼ全員一致です。
- 一部の記号は「hobo sign(ホーボーサイン)」と呼ばれる、放浪者同士の目印記号の影響を受けているのでは、というコメントもあります。
ロア方向の議論
- 「ARC は本来、資源採掘やテラフォーミング用のマシンで、想定外の人類を“害獣”として排除しているだけ」という説
- それに対して
「それならここまで重武装にする理由が薄い。どちらかというと人類を殺すために設計された戦争マシンだ」
「弾薬や装備が人類と共通なのは、“人類が ARC 技術をパクった”からではないか」
といった反論も出ており、
「ARC は人類起源か、完全な異星兵器か」という論点は今後の公式ロア待ちという雰囲気になっています。
メタ視点の意見
- 「誰がこの図を描いたのかを先に考えた方がいい。ARC ではないし、作中で確認できるサイボーグもほぼいない。ゲーム世界のどの勢力がこれを残したのかで意味合いが変わる」
- 「今はまだ、開発側もロアを詰め切っていない段階かもしれない。数年後に追加された情報を見てから、この図をもう一度見返すとしっくり来るタイプの仕掛けかも」
全体としては、
- 今の時点で完全に解けるパズルと考えている人は少なめ
- ただし何の意味もないテクスチャだと割り切るには、さすがに情報量が多すぎる
というあたりが、ゆるいコンセンサスになっている印象です。
いったんの結論
ここまでをまとめると、赤いオーブと壁画のダイアグラムから読み取れるのはこのくらいです。
- 図全体は太陽系をベースにした構成で、パイオニア・プレート風の意匠が強い
- 太陽から 3つの点のある円、土星上空のステーションを経由して、木星・タイタン・天王星へ信号が流れている
- 3つの点のある円と シールドされた球体 は、惑星とは異なる特別な施設や出来事の象徴
- 火星が強調されていることから、「エグゾダス後の人類の中心は火星」というロアと相性が良い
- 壁画版で一部が消されているのは、ロア的な伏線か、単なるテクスチャ表現かはまだ不明
- Reddit では「本当に解けるパズル」説と「雰囲気ロアのアート」説が拮抗しているが、いずれにせよプレイヤーの想像力を刺激しているのは間違いない
個人的には、今の段階ではまだ“半分だけ意味が決まっている図”ぐらいの立ち位置だと感じています。
今後のアップデートでロアやコーデックスが増え、別の場所で似たような図が見つかれば、この太陽系パズルも一気に具体的な意味を持ち始めるはずです。
ダム戦場や埋もれた街、宇宙港を回るときは、BP 探しや脱出ルート確認のついでに、赤いオーブと壁画を一度じっくり眺めてみてください。
そのうち「新マップで続きが見つかった」というスレが Reddit に立って、また一つ妙な解析合戦が始まるかもしれません。

コメント