.45口径ACPを使うハンドガンです。
UDPコンパクト
UDPコンパクトの詳しい説明
人間工学に基づいた設計、精度、及び信頼性で知られるピストル。ゾーン内では広く愛用されており、熟練者と懐に余裕のある新人の両方から求められている。

UDPコンパクトは、.45 ACP弾を使うセミオートピストルです。標準でも15発入り、サプレッサーと大容量マガジンにも対応。ゲーム内では精度と信頼性に優れた拳銃として扱われ、ウォードの制式拳銃としても登場します。
ただ、この銃は名前をそのまま実銃へ当てはめると少しおかしくなります。
名前はUDP「コンパクト」なのに、『S.T.A.L.K.E.R. 2』の3DモデルはH&K USP Compactより、フルサイズのH&K USP Tacticalに近い形です。旧作から名前だけ引き継いだ結果、現在の見た目と名称が少しズレています。
このずれまで含めて見ると、変わった一挺です。
元ネタのH&K USP
USPは、ドイツの銃器メーカーHeckler & Kochが開発した自動拳銃です。
USPはUniversal Self-loading Pistolの略。フルサイズとCompactがあり、9×19mm、.40 S&W、.45 ACPなど複数の口径が用意されています。
撃発機構にも複数の仕様があり、DA/SAやDAOなどへ構成を変えられるのが特徴です。ひとつの拳銃をそのまま全員へ配るというより、用途や組織に合わせて仕様を変えられるシリーズになっています。
外見では、大きめのスライドと樹脂製フレームの組み合わせが分かりやすいです。S.T.A.L.K.E.R.の中で見ると、ソ連系のPTMやAPSBとは雰囲気が違います。

『S.T.A.L.K.E.R. 2』のUDPコンパクトに一番近いのは、USP Tacticalです。
USP Tacticalは、通常のUSPをサプレッサー運用などに対応させた仕様で、延長されたねじ切り銃身、高いフロントサイト、調整式リアサイト、Oリング付き銃身などを備えます。
特に分かりやすいのが、スライドの先から突き出したねじ切り銃身です。UDPコンパクトにも同じ特徴があり、サプレッサーを付けた姿まで含めると、USP Tacticalらしく見えます。
Compactなのに、Compactではない
ここがUDPコンパクトで一番ややこしいところです。
初代『Shadow of Chernobyl』のUDPコンパクトは、実際にH&K USP Compactをモデルにしていました。『Clear Sky』『Call of Pripyat』でもUDPコンパクトという名前が続きます。
ところが『Heart of Chornobyl』では、UDPコンパクトという名前だけ残して、銃のモデルはフルサイズのUSP Tacticalに近いものへ変わりました。
つまり旧三部作では「UDPコンパクト=USP Compact」だったのに、今作では「UDPコンパクト=USP Tactical寄り」です。
20年近く使ってきた架空の商品名をそのまま残した結果、実銃との対応だけ少しズレた、と考えると分かりやすいです。
個人的には、ここを無理にCompactへ寄せ直さなかったのは結構好きです。シリーズで使ってきた名前を残しつつ、今作ではより大きくて現代的なUSPへ作り直されています。
.45 ACPなのに15発入る
もうひとつ変なのが装弾数です。
『S.T.A.L.K.E.R. 2』のUDPコンパクトは.45 ACP仕様なのに、標準で15発入ります。
| 実銃 | 口径 | 標準マガジン |
|---|---|---|
| USP45 | .45 ACP | 10/12発 |
| USP45 Tactical | .45 ACP | 10/12発 |
| USP45 Compact | .45 ACP | 8発 |
| USP Compact Tactical | .45 ACP | 8/10発 |
| USP9 | 9×19mm | 10/15発 |
実銃のUSP45やUSP45 Tacticalは、標準で10発または12発。USP45 Compactなら8発です。
15発という数字だけ見ると、むしろ9×19mm仕様のフルサイズUSP9に近いです。
なので、ゲームの「.45 ACPで15発」という組み合わせは、実物の標準仕様とは一致しません。
さらに大容量UDPマガジンを付けると20発まで増えます。.45 ACPを20発も抱えるUSPという時点で、ゲーム向けの設定です。
ただ、ゲームで使うぶんには、この15発が大きな強みです。PTMの8発と比べると、リロードまでに撃てる数がほぼ倍になります。
S.T.A.L.K.E.R. 2での性能
| 性能 | UDPコンパクト |
|---|---|
| 弾薬 | .45 ACP |
| ダメージ | 25 |
| 貫通 | 1 |
| 連射速度 | 750rpm |
| 最適射程 | 10m |
| 威力保持率 | 30% |
| 装弾数 | 15発 |
| 重量 | 0.72kg |
| 発射方式 | セミオート |
UDPコンパクトの良さは、一発の威力よりも装弾数と撃ちやすさです。
標準で15発入るので、8発のPTMと比べるとリロード回数を大きく減らせます。大容量マガジンなら20発。拳銃としては十分すぎるくらい入ります。
サプレッサーにも対応し、技術者の改造ではレーザーデジグネーターも追加できます。
なので、正面から高火力で押し切る拳銃というより、サプレッサーを付けて人間相手に頭を狙う使い方が合っています。
15発あるので多少外しても余裕があり、数人を相手にしてもすぐリロードになりません。静音用のサイドアームとして扱いやすい銃です。
ただし、対応するのは専用のタクティカルピストルサイレンサーです。普通のピストル用サプレッサーとは別なので、最初は「持っているのに付かない」となりやすいところです。
.45 ACPなのにPTMより低威力
銃を知っていると、一番引っかかるのはここだと思います。
現在の内部値では、PTMのダメージが30。それに対してUDPコンパクトは25です。貫通はどちらも1。
つまりゲームの数字だけ見ると、9×18mmマカロフ弾を使うPTMのほうが、.45 ACPを撃つUDPコンパクトより一発のダメージが高いです。
これは実銃の弾道性能をそのまま再現した数字ではないと思ったほうがいいです。
UDPには15発の装弾数、精度、射程、サプレッサー対応といった強みがあります。技術者の改造では威力減衰や徹甲弾まわりも伸ばせます。
要するに、一発のダメージを少し下げる代わりに、撃ちやすさと装弾数へ振っている拳銃です。
それでも、.45 ACPの大きなUSPを撃っているのに、マカロフより数字が低いのは少し納得しにくいところです。UDPコンパクトで一番惜しいところです。
サプレッサーとの相性
UDPコンパクトらしさが一番出るのは、サプレッサーを付けたときです。
対応するのはタクティカルピストルサイレンサー。ゲームモデル自体もUSP Tacticalらしく、スライドからねじ切り銃身が突き出しています。
元になったUSP45 Tacticalも、最初からサプレッサー運用を考えて作られています。延長された銃身にはねじが切られ、高いサイトも付いています。
なのでUDPコンパクトにサプレッサーを付けるのは、単にゲーム上装着できるからというだけではありません。実銃のUSP Tacticalそのものが、消音器を使うことを考えた拳銃です。
見た目もよく似合います。太いスライドの先からサプレッサーが伸びると、ぐっとUSP Tacticalらしくなります。
ウォードの制式拳銃
UDPコンパクトは、ストーリー上でもそこそこ目立つ拳銃です。
ウォードではUSP系が制式拳銃として使われています。
これは装備の雰囲気にも合っています。Zoneに昔からあるPTMやAPSBは、いかにも旧ソ連圏の古い拳銃です。一方、UDPはドイツのH&K製をモデルにした西側系の拳銃です。
ウォードのように、装備が統一されていて資金もありそうな組織が持つとよく似合います。
古いマカロフを腰に差しているストーカーと、黒いUSPを持っているウォード兵では、拳銃ひとつでも見た目の印象が大きく変わります。
ゲーム内でも、UDPはZoneのプロや裕福な新人から求められる拳銃として説明されています。どこにでも転がっているPTMより少し上の銃、という立ち位置です。
旧作のUDPコンパクト
UDPコンパクトは新顔ではありません。初代『Shadow of Chernobyl』から登場している、シリーズ常連の拳銃です。
初代ではフリーダムの熟練兵などが使っていて、東側の安い拳銃より少し上の西側製ピストルという立ち位置でした。
『Clear Sky』でもUSP CompactをモデルにしたUDPコンパクトが続投します。
『Call of Pripyat』では12発マガジンになり、改造すると16発まで増加。さらにフルオート化までできます。
命中精度、装弾数、反動を強化していくと使いやすくなり、旧作では「拾ったらすぐ捨てる拳銃」という感じではありませんでした。
ユニーク版のMarchもあり、マーセナリーのウルフハウンドが使っていたUDPを改造した拳銃という設定でした。
なので旧三部作を遊んでいると、UDPコンパクトには「西側製の少しいい拳銃」という印象が残ります。
今作では少し不遇
ところが『S.T.A.L.K.E.R. 2』では、通常のUDPコンパクトは少し立場が悪くなりました。
最大の理由は、スキフのピストルです。
スキフのピストルはストーリー上ずっと持ち歩くことになり、重量面でもほとんど邪魔になりません。対してUDPコンパクトは0.72kgあり、さらに専用の.45 ACP弾も持つ必要があります。
UDPには15発の装弾数、精度、サプレッサー対応という強みがあります。それでも、すでに拳銃を1丁ほぼ強制的に持っている状態で、もう1丁と別口径の弾薬まで持つかと言われると少し悩みます。
UDPを使うなら、サプレッサー、大容量マガジン、レーザーまで付けて、静音用のサイドアームとして役割をはっきり分けたほうが使いやすいです。弱い拳銃ではありません。ただ、何となく持っているだけでは使う場面がありません。自分で使う理由を作ってやる必要がある銃です。
ユニーク版のギャンビットとデッドアイ
UDP系にはユニーク版もあります。
ギャンビットは9×19mm仕様のUSP SD系、デッドアイはUSP Matchをモデルにした派生型です。
どちらもメインストーリーを進めることで登場します。
特にデッドアイは外見が大きく違います。USP Matchらしい大型コンペンセーターとコリメーターサイトを備え、普通のUDPより競技用拳銃に近い姿です。
UDPというひとつの系統の中には、実際のUSPファミリーを思わせる別々のモデルが入っています。
通常のUDPはUSP Tactical系。ギャンビットはUSP SD系。デッドアイはUSP Match系。
同じUSPをそのまま色違いで増やすのではなく、それぞれ別の実銃バリエーションへ寄せています。このあたりは、元ネタを知ってから見ると違いが分かります。
UDPコンパクトの評価
UDPコンパクトは、性能だけ見ると扱いやすい拳銃です。
15発入りで精度もよく、サプレッサー、大容量マガジン、レーザーまで使えます。サイドアームとして欲しいものはだいたいそろっています。
ただ、一発のダメージは25。しかも今作ではスキフのピストルをずっと持っているので、普通に進めるだけならUDPを追加で持つ必要があまりありません。
そこが惜しいです。旧作では、西側製の少し上等な拳銃という立ち位置が分かりやすい銃でしたが、今作ではスキフのピストルが便利すぎて、通常版UDPの出番を奪っています。
それでも、サプレッサーと20発マガジンまで付けると話は変わります。人間相手に静かに頭を狙いながら、多少外してもまだ弾が残る。PTMよりずっと余裕を持って撃てます。
普通のサブウェポンではなく、消音した対人用のピストルとして使いましょう。その役なら、UDPコンパクトの良さがよく出ます。
この銃は、シリーズの歴史まで含めると見どころが増えます。初代では本当にUSP Compactだった。その名前を20年近く残したまま、『S.T.A.L.K.E.R. 2』ではフルサイズのUSP Tacticalに近い姿へ変わりました。
しかも.45 ACPなのに15発入り、ゲーム内の威力は9×18mmのPTMより低い。細かく見るほど、実銃とゲームの都合が混ざった変なUSPです。それでも、黒い大型スライド、ポリマーフレーム、突き出したねじ切り銃身にサプレッサーを付けた姿は格好いい一挺です。
古いマカロフを拾って使うストーカーとは少し違う、金を出してまともな西側製拳銃を持つ人間の銃。ゲーム内でプロや裕福な新人が欲しがるという説明は、UDPコンパクトにはよく似合っています。

