実在するソ連製拳銃「マカロフPM」がモデルの、9×18mm弾を使うセミオートピストル。
PTM
PTMの詳しい説明
アップグレードされた正式採用ピストル。1960年代に東側諸国の治安維持機関および陸軍将校向けの標準支給拳銃として導入された。信頼性の高さからゾーンでは人気がある。

PTMは、9×18mm弾を使う小型のセミオートピストルです。元になったのは、ソ連で1951年に正式採用された「マカロフPM(Makarov PM)」です。
『S.T.A.L.K.E.R. 2』ではPTMという名前になっていますが、ゲーム内部の武器IDはGunPM_HG。一部の会話ではMakarovの名前もそのまま出てくるので、元ネタは分かりやすい銃です。


見た目も素直なマカロフです。短いスライド、小さなグリップ、丸みのあるトリガーガードなど、ゲーム用に大きく形を変えた感じはありません。Zoneの中ではいくらでも拾える地味な拳銃ですが、S.T.A.L.K.E.R.らしい武器を1丁挙げろと言われると、上のほうに入ってきます。
元ネタのマカロフPM
PMは、ロシア語のPistolet Makarova(Пистолет Макарова)の略です。直訳するとマカロフ拳銃。設計者ニコライ・マカロフの名前がそのまま付いています。

第二次世界大戦後のソ連では、それまで使われていたTT-33トカレフに代わる新しい拳銃が必要になりました。そこで軍将校や警察などが携帯する小型拳銃として開発され、1951年にPMが正式採用されています。
実銃は全長161mm、空の状態で約730g。使用弾薬は9×18mmマカロフ弾で、標準マガジンは8発です。今の大型オートピストルと比べるとずっと小さく、携帯しやすさを優先した拳銃なのがよく分かります。
作動方式はストレートブローバック。機構も比較的単純で、初弾をダブルアクション、その後をシングルアクションで撃てます。複雑な軍用拳銃を目指したというより、小さく、壊れにくく、扱いやすいものを大量に配る方向の銃です。
外観や基本構造にはWalther PP系列からの影響が見られます。ただ、そのままコピーした銃ではなく、ソ連側で部品構成などを整理して作られています。この単純さと大量配備された数の多さが、後の旧ソ連圏でマカロフをよく見かける理由にもなりました。
9×18mmマカロフ弾
PTMが使う9×18mm弾も、マカロフPMとセットで覚えておきたい弾薬です。
名前だけ見ると9×19mmパラベラムとよく似ていますが、別物です。薬莢の長さが1mm短いだけ、という単純な違いでもありません。9×18mmマカロフ弾は弾丸の直径も少し大きく、9×19mm用の銃へそのまま使える弾ではありません。
威力も9×19mmより控えめです。その代わり、マカロフPMのようなシンプルなブローバック式拳銃でも扱いやすく、小型拳銃との相性がいい弾になっています。
『S.T.A.L.K.E.R. 2』でもPTMは9×18mmを使います。序盤から手に入りやすい弾なので、PTM自体の性能よりも「弾を確保しやすいから使える」という場面が多いです。高価な拳銃用弾を惜しみながら撃つ武器ではありません。
ゲーム内のPTM
『S.T.A.L.K.E.R. 2』のPTMは、通常マガジン8発、重量0.5kg。実銃のマカロフPMと同じく、軽い拳銃です。
標準状態では装弾数が8発しかないので、正面から何人も相手にする武器ではありません。数発外すだけで、すぐリロードになります。その代わり取り回しは軽く、9×18mm弾も比較的集まりやすいため、序盤のサブウェポンとしては扱いやすいです。
12発入りの大容量マガジンを装着すると、この弱点はだいぶ楽になります。たった4発の差ですが、元が8発なので1.5倍です。PTMをしばらく使うなら、大きな変更です。
ピストル用サプレッサーにも対応しています。小さなマカロフにサプレッサーと大容量マガジンを付けると、見た目は大きく変わります。派手なカスタムではありませんが、安い拳銃を少しずつ使いやすくしていく感じはPTMによく合っています。
ゲーム内説明では、信頼性の高さから広く普及した拳銃として紹介されています。実際、Zoneでは特別な銃として扱われません。敵が持っている、死体から出てくる、その辺で拾う。珍しさよりも数で印象に残るタイプです。
ここで少し面白いのが年代です。ゲーム内ではPTMについて「60年代に東側諸国の警察や軍将校向けに作られた」という説明があります。
ただし、モデルになったマカロフPMは1951年に正式採用されています。本格生産も1953年には始まり、改良された仕様が1955年ごろには固まっています。
なので、ゲーム内説明の年代は実銃の経歴そのままではありません。60年代にはすでに登場から10年ほど経っている銃です。このあたりは現実のPMをベースにしつつ、ゲーム側で少し設定を整理したものだと思います。
旧三部作のPMm
マカロフは『S.T.A.L.K.E.R. 2』から追加された武器ではありません。旧三部作のころから、シリーズの最初に触る拳銃としてずっと登場しています。
『Shadow of Chernobyl』ではPMmという名前で登場します。最初から強い拳銃という扱いではなく、序盤でとりあえず使う銃です。威力も装弾数も控えめで、少し進めばほかの拳銃へ乗り換えたくなります。
それでも、S.T.A.L.K.E.R.を始めたときに最初に手にした拳銃として覚えている人は多いと思います。AKやVintar BCのような強い銃とは別の意味で、シリーズの顔になっている武器です。
『Clear Sky』と『Call of Pripyat』にもPMmは続投します。作品ごとに性能や入手状況は変わりますが、安価で古く、序盤から手に入る拳銃という役割はほぼ共通しています。
『Heart of Chornobyl』では名称がPTMへ変わりましたが、中身は引き続きマカロフPMです。PMmからPTMへ名前は変わっても、Zoneに大量に残っている古い拳銃という立ち位置はそのままです。
スキフのピストルとの関係
PTMを語るうえで避けられないのが、主人公スキフが最初から持っているスキフのピストルです。
見た目からも分かる通り、こちらもPTMをベースにした固有武器です。通常のPTMとは別アイテムになっていて、ストーリー上の重要品として扱われるため、捨てたり売ったりできません。
しかもスキフは、ムービーでもこの拳銃をよく使います。強いライフルを何本持っていても、イベントが始まるとマカロフを抜く。最初に持っていた単なる初期装備というより、完全にスキフの愛銃として扱われています。
そのせいで、通常のPTMは不遇です。
同じ9×18mm系の小型拳銃を、すでにストーリー上手放せない形で持っています。普通のPTMを拾っても「これならスキフのピストルでいいな」となりやすく、通常版へわざわざ乗り換える理由があまりありません。
PTMそのものが悪いというより、すぐ横に専用の固有版がずっといるのがつらいところです。もしスキフのピストルが存在しなければ、PTMは序盤用の軽いサイドアームとしてもう少し使う機会があったと思います。
PTMの使いどころ
PTMは、正面から敵をなぎ倒すための拳銃ではありません。
まず8発しか入りません。威力も大型拳銃ほど高くないので、防具を着た相手へ胴撃ちを続ける使い方は苦しくなります。敵が何人もいる場所でPTMだけを握って突っ込むと、だいたい途中で弾倉が空になります。
逆に、近距離で弱い敵を片付ける、メイン武器の弾を節約する、サプレッサーを付けて静かに使う、といった用途なら十分です。
重量が0.5kgしかないのも地味に大きいです。メイン武器の代わりにはなりませんが、とりあえず持っておくサブウェポンとして邪魔になりにくい。大型拳銃を何丁も持ち歩くよりはずっと気楽です。
ただ、ゲームを進めるほど通常PTMの出番は減ります。敵の装備が良くなり、もっと強い拳銃も手に入り始めるため、8発のマカロフを使い続ける理由は薄くなります。
序盤で拾ったものをしばらく使い、大容量マガジンやサプレッサーが手に入ったら付けてみましょう。最後まで主力にする銃ではありません。
なぜZoneに似合うのか
性能だけ見ると、PTMは地味です。でも、S.T.A.L.K.E.R.の世界に置くと妙にしっくりきます。
マカロフPMはソ連時代に軍や警察へ大量配備され、東ドイツやブルガリア、中国などでも生産されました。ソ連が崩壊したあとも大量の銃が旧ソ連圏に残っています。
だから、ウクライナの立入禁止区域を舞台にしたZoneで、古いマカロフがそこら中から出てくるのは自然です。
実銃そのものも、小さく、単純で、壊れにくい方向に作られています。最新の特殊部隊用ピストルでもなければ、誰もが欲しがる高級銃でもありません。古いけれど数があり、とりあえず使える。その立ち位置が、ゾーンによく合っています。
廃墟の机から出てきても違和感がないし、バンディットが持っていても違和感がない。主人公が最初に握っていても違和感がない。この「誰が持っていてもおかしくない」というところが、マカロフの強さだと思います。
PTMの評価
PTMは、性能だけ見れば最後まで使うような強い拳銃ではありません。
8発しか入らず、威力も控えめ。ゲームが進めば、もっと火力のある拳銃や扱いやすいサイドアームがいくらでも出てきます。さらに今作ではスキフのピストルが最初からあるので、通常版PTMは余計に立場が苦しいです。
それでも、この銃を完全にどうでもいいとは思えません。
旧三部作ではPMmとして序盤から出てきて、今作では名前をPTMへ変えながら、またZoneのあちこちに転がっています。強いから残っているというより、S.T.A.L.K.E.R.の世界にいるのが当たり前になっている銃です。
AK系ライフルがZoneの長物を代表するなら、拳銃側はマカロフだと思っています。特別な銃ではないのに、画面に映るだけで妙にS.T.A.L.K.E.R.っぽい。
性能としては序盤用。武器としては地味。それでもシリーズの銃として見ると、欠かせない一丁です。










