12番(ショットガン)を使うショットガンです。
M860クラッカー
M860クラッカーの詳しい説明
その軽量構造と信頼性が高く評価されているポンプアクションショットガン。世界でも有数の知名度を誇るショットガンとして傑出した評判を獲得しており、ゾーン内でも依然として非常に高い人気を博している。

M860クラッカー(M860 Cracker)は、12ゲージ弾を使用するポンプアクションショットガンです。レッサーゾーンを抜けてガーベジへ入ったあたりから手に入り始め、ブームスティックやTOZ-34からの乗り換え先として使いやすい一挺です。
ダメージ160、貫通2.0、重量3.2kg、基本装弾数6発。なにより変わっているのが、改造するとチューブマガジンから10発の箱型マガジンへ変えられることです。ポンプアクションなのにマガジン交換でリロードする、少し変わった姿になります。ただ、これはGSCが適当に作った架空改造ではありません。元ネタのRemington Model 870にも、実際に箱型マガジンを使用するModel 870 DMが存在します。ゲームのM860クラッカーは、この870を大胆にカスタムした銃です。
元ネタのRemington Model 870
元になった実銃は、アメリカのRemington Model 870です。M860クラッカーは、FAB Defense系のピストルグリップ、Mesa Tactical Urbinoストック、XS Ghost Ringリアサイトとピカティニーレールを組み合わせたカスタム870になっています。

レミントンは1940年代後半、それまで販売していたModel 31の後継となるポンプアクションショットガンを開発しました。設計にはL. Ray Crittendon、Phillip Haskell、Ellis Hailston、G.E. Pinckneyらが関わり、1950年にModel 870 Wingmasterとして登場しています。Model 31は出来のいいショットガンでしたが、削り出しや手作業を多く必要とし、製造コストの高さが弱点でした。そこで870では、同時期のセミオートショットガンModel 11-48で使われた技術や部品を取り入れ、生産しやすい構造へ変更されています。
ポンプとボルトを左右2本のアクションバーでつなぎ、ボルトはレシーバーではなく銃身側の硬化された延長部へロックする構造を採用。これによって作動を滑らかにしつつ、銃身交換もしやすくなりました。発売時点ですでに15種類が用意され、その後は狩猟、射撃競技、警察、軍用と、とんでもない数の派生型が作られています。累計生産数は1000万挺を超えています。つまりゲーム内説明にある、世界的に有名で信頼性の高いショットガンという部分は、そのまま実銃の870に当てはまります。
旧三部作での扱い
少し意外なことに、Remington 870は旧三部作には出てきません。『Shadow of Chernobyl』『Clear Sky』『Call of Pripyat』で、このあたりの立ち位置を担当していたポンプアクションショットガンは「チェイサー13」です。実銃ではRemington 870とよく似た構成を持つMaverick Model 88がモデルになっています。
特に目を引くのが『Call of Pripyat』です。ミュータント狩りを依頼してくるトラッパーの夜の狩りのクエストを最後まで終えると、チェイサー13の固有版プレデターを受け取れました。このプレデターは通常版より一発の威力が大幅に高く、旧作では強力なショットガンでした。そして『S.T.A.L.K.E.R. 2』ではプレデターが再登場するのですが、なぜか銃そのものがMaverick Model 88からM860クラッカー、つまりRemington 870へ変更されています。ゲーム内説明ではトラッパーが所有していたプレデターなので、設定上は同じ銃です。見た目の実銃だけ別物になりました。旧作を知っていると、ここで少し引っかかります。
ゲームモデルと実銃の違い
M860クラッカーはRemington 870そのものではありますが、工場出荷状態の870を再現したモデルではありません。一番目立つ違いは、やはり箱型マガジン化でしょう。実銃にもRemington 870 DMがあり、2017年末に発表されたモデルでは3発または6発の着脱式マガジンが用意されていました。通常の870が銃身下のチューブへ1発ずつ装填するのに対し、870 DMはマガジンを丸ごと交換できます。『S.T.A.L.K.E.R. 2』のマガジンフィード改造も、仕組みそのものはこれが元ネタです。
ただしゲームでは10発入ります。実銃の標準870 DMマガジンは6発なので、ここからはゲーム独自です。ゲームモデルのマガジンは、見た目の大きさに対して10発の12ゲージシェルを収めるには小さく見えます。この微妙に本物らしいところを残しつつ、最後だけ豪快に盛っているのが、この銃らしいところです。基本装弾数は6発です。
性能
| 項目 | M860クラッカー |
|---|---|
| 使用弾薬 | 12ゲージ |
| ダメージ | 160 |
| 貫通 | 2.0 |
| 装弾数 | 6発(チューブ)/10発(Magazine Feed改造後) |
| 重量 | 3.2kg |
アタッチメントと改造
M860クラッカーは、序盤で拾うショットガンとしては改造の幅が広いです。光学照準器ではホログラフィックサイトとACOG 4xスコープに対応しています。技術者による改造ではレーザーサイトも追加できます。レーザーサイトは通常のアタッチメントではなく、技術者による改造として取り付けます。銃身側ではチョークによる散弾の拡散低下と、ライフルドバレル化が用意されています。ライフルドバレルへ変更すると集弾性を上げられますが、バックショットが使用できなくなります。さらに先へ進めると貫通力を上げる改造も可能なので、散弾を近距離で撃ち込むショットガンとして使うか、スラッグやダートを使う方向へ寄せるかで改造を選べます。
そしてM860クラッカー最大の特徴がマガジンフィードです。この改造には設計図が必要で、ケミカルプラント地域の中央エレベーターにあるスタッシュから入手できます。取り付けるとチューブ式から10発の箱型マガジン式へ変わり、1発ずつシェルを詰める必要がなくなります。性能そのもの以上に、これが便利です。ミュータント相手に撃ち切ったあと、6発なり8発なりを1発ずつ込め直している時間は怖いです。M860はマガジンフィードを付けると、その欠点がほとんど消えます。
入手方法
M860クラッカーはガーベジへ到達するころから普通に入手できるようになります。分かりやすいのはボタ山の商人ヒューロンから購入する方法です。その後もSTCマラカイトのヴィクトリア・ドロジニュクや、ヤニフ駅のレックが販売することがあります。
ただ、わざわざ買わなくてもストーリー上で状態のいい個体が手に入ります。メインクエスト「値上がり」を進め、リヒターとクレーン上で話す場面まで進むと、近くのネスターの隠し場所からマガジンフィード装着済みのM860クラッカーを拾えます。初回プレイなら、これをそのまま使うのが手っ取り早いです。マガジンフィードの設計図そのものはもう少し先のケミカルプラントまで行かないと取れないので、早い段階からマガジン式を試せるこの個体はありがたい存在です。
M860系のユニーク武器
通常版のほかに、M860系にはいくつか固有武器があります。まず旧作から復活したプレデター。先ほど触れたトラッパーのショットガンで、『2』では緑色のストックとフォアエンドを持つM860クラッカー系の武器になっています。基本のチューブマガジンも通常版より長く、8発仕様です。デラックスエディションにはM860モノリスもあります。こちらはモノリスをイメージした寒色系の迷彩と緑色の家具を持つバリエーションで、基本的には通常のM860クラッカーに近い性能です。
そして「Cost of Hope」では、新たにクラッパー(Clapper)が追加されました。こちらもM860クラッカーがベースですが、SilencerCo Salvo 12系の大型サプレッサーと蛇皮風の外装を持つ変わった仕様です。マフカ側のルートで入手でき、通常M860より貫通力も強化されています。詳しくは別記事で扱います。
使ってみた感想
M860クラッカーは、素の状態よりもマガジンフィードを付けてから、ぐっと使いやすくなります。10発をまとめてマガジン交換できるので、撃ち切ったあとに1発ずつ装填する時間がなくなり、連戦でも扱いやすいです。ポンプ動作が必要なのでサイガD-12ほど連射はできませんが、通常の戦闘なら十分な速さがあります。
終盤まで使うと、SPSA-14やサイガD-12との連射速度の差はさすがに気になってきます。特にブラッドサッカーのように一瞬だけ射線へ入ってくる相手では、一発ごとにポンプを動かすM860よりSaigaのほうが楽です。最後まで一番使いやすいショットガンという感じではありません。それでもガーベジへ来たあたりで手に入り、12ゲージらしい火力があり、後から10発マガジンにまで拡張できます。修理費も上位ショットガンほど重くありません。序盤は古典的なポンプアクションとして使い、中盤からはマガジン式の妙なショットガンへ変わっていく。この変化がM860クラッカーの持ち味です。870という知名度の高い実銃がベースなのに、使い込むほど普通の870から離れていきます。
