9x39mmを使うハンドガンです。
ライノ
ライノの詳しい説明
大口径のこのリボルバーは、しばしば狩猟用武器として販売されており、アフリカンバッファローやゾーンのキメラ相手にも同様に有効であることが実証されている。

ライノは、9×39mm弾を6発装填する大型リボルバーです。『S.T.A.L.K.E.R. 2』ではハンドガン中トップの基礎ダメージ100、防具貫通3を持ち、2倍スコープまで装着できます。PTMが基礎ダメージ30、APSBが20なので、一発の重さは完全に別格です。
ゲーム内では高口径の狩猟用リボルバーとして紹介され、アフリカ水牛からZoneのキメラまで相手にできるという、強気な説明が付いています。ただ、この銃は名前、見た目、弾薬が全部少しずつ変です。名前はRhinoなのに実銃のChiappa Rhinoではなく、見た目はColt PythonとTaurus Raging Bullを混ぜたような姿。そこへ本来なら消音ライフルに使う9×39mm弾を入れています。S.T.A.L.K.E.R.らしい架空の銃です。
元ネタはColt PythonとTaurus Raging Bull
まず一番間違えやすいのが名前です。「ライノ」と聞けば、実銃に詳しい人ならイタリア製のChiappa Rhinoを思い浮かべると思います。実際のChiappa Rhinoは、銃身をシリンダーのずっと低い位置へ置き、一番下の薬室から発射する変わったリボルバーです。低い銃身軸によって銃口の跳ね上がりを抑える構造が特徴で、6発シリンダーの.357 Magnum仕様などがあります。
ところが『S.T.A.L.K.E.R. 2』のライノは、見た目がまったく違います。基本となっているフレームはColt Python系で、そこへTaurus Raging Bullを思わせる太い銃身やシリンダー周辺を組み合わせたような姿です。名前だけ見てChiappa Rhinoを想像すると、実物を見ると、まるで違う銃だと分かります。
Colt Python
ライノの土台になっているColt Pythonは、Coltが1955年に発売した.357 Magnumのダブルアクションリボルバーです。現行型も6発シリンダーで、.357 Magnumと.38 Special系を使用します。

Pythonで分かりやすいのが、銃身上部にあるベンチレーテッドリブです。穴の開いたリブが銃身上に並ぶ独特な形で、『S.T.A.L.K.E.R. 2』のライノにもフレームや全体のシルエットにPythonらしさが残っています。ただしゲームの銃身はもっと太くて巨大です。そこで混ざってくるのがTaurus Raging Bullです。
Taurus Raging Bull
Taurus Raging Bullは、ブラジルのTaurusが作る大型リボルバーです。.44 Magnumや.454 Casullなどの強力な弾薬を使う仕様があり、大きくて重いモデルもあります。特に.454 Casull仕様は、いかにも大型狩猟用リボルバーという見た目です。

『S.T.A.L.K.E.R. 2』のライノは、このRaging Bull系を思わせる太いシュラウド付きの長い銃身を、Python風のフレームへ載せています。大まかに言えば、Pythonの本体にRaging Bullっぽい巨大な銃身をくっつけた銃です。何か一挺の実銃をそのまま再現したモデルではありません。
シリンダーラッチがなぜか2個ある
細かく見ると、さらに妙なところがあります。ライノには、Taurus Raging Bullのようにシリンダーを前後で固定する構造を意識したラッチが入っています。Raging Bullでは安全対策として意味のある構造ですが、ゲームモデルではPython系のフレームと混ざっているため、後部の形が独特です。
この辺を見ると、ライノは特定の一挺を忠実に再現した銃というより、複数の大型リボルバーから格好いい部分を集めて作った架空銃だと分かります。細部の整合性より、巨大なマグナムリボルバーらしい見た目を優先した感じです。
最大の謎、9×39mm
そして一番変なのが弾です。ライノは9×39mmを使います。
9×39mmは、ASラヴィナやVSヴィンターのような、消音運用を考えたソ連系ライフルで使われる弾薬です。『S.T.A.L.K.E.R. 2』でもASラヴィナ、VSヴィンター、グロムS-14などと同じ弾をライノが使います。
見た目はアメリカとブラジルの大型マグナムリボルバーを混ぜたような銃なのに、中身はソ連系の9×39mm。強引な組み合わせです。しかもリロード時に表示される弾のモデルは、長い9×39mmというより.45 ACPのような短い弾に見えます。銃の外見だけでなく、弾薬まわりまで少し噛み合っていません。
9×39mmのリボルバーは実在する
ただし、9×39mmを使うリボルバーという発想そのものが完全な架空というわけでもありません。ロシアにはRSh-12という大型リボルバーがあり、その派生として9×39mm仕様のRSh-9があります。RSh-12は12.7×55mmで5発シリンダー、RSh-9は9×39mmで6発シリンダーです。
そう聞くとライノの元ネタに思えますが、外見はまったく違います。RSh系はChiappa Rhinoのようにシリンダー下側から発射する低銃身軸の大型リボルバーで、PythonとRaging Bullを混ぜたようなゲームのライノとは別物です。9×39mmリボルバーという発想は現実にあるものの、ゲームのライノがRSh-9を再現した銃ではありません。
旧作のBig Ben
ライノが9×39mmを使う理由として、自分は旧作のBig Benを思い出します。初代『Shadow of Chernobyl』にはBig Benというユニーク版Desert Eagleがあり、この銃もなぜか9×39mmを撃ちました。通常型のBlack Kiteは.45 ACPなのに、Big Benだけ9×39mmです。もちろん現実のDesert Eagleに9×39mm仕様はありません。
ただ、旧作の巨大拳銃Big Benが9×39mm、新作の巨大拳銃ライノも9×39mmと並べると、それらしく見えます。『S.T.A.L.K.E.R. 2』ではDesert Eagle自体が消えているので、その立ち位置を大型リボルバーへ移したと考えると妙に納得できます。

