「M10ゴードン」の固有版のハンドガンです。
ギャングスター
ギャングスターの詳しい説明
80年代と90年代のギャング映画をモデルにした、この改造M10の見た目は見事だが、ゾーンでの実用性については疑問が残る。

ギャングスター(Gangster)は、M10ゴードンをベースにしたユニーク武器です。使う弾は.45 ACP。通常のM10ゴードンと同じく、とんでもない速度で弾を吐き出す小型のフルオート火器ですが、ギャングスターには40発の大容量マガジンと専用マズルブレーキが最初から付いています。
ゲーム内の説明文もなかなかひどくて、80〜90年代のギャング映画を参考に作ったカスタムM10だが、ゾーンで役に立つかは怪しい、という扱いです。見た目重視。ゲーム側から先に言われています。
| 項目 | ギャングスター |
|---|---|
| ベース武器 | M10ゴードン |
| 使用弾薬 | .45 ACP |
| ダメージ | 9.5 |
| 貫通 | 2 |
| 連射速度 | 1,333rpm |
| 最適射程 | 9m |
| 威力保持率 | 34% |
| 装弾数 | 40発 |
| 射撃モード | フルオート |
| 重量 | 1.4kg |
| 耐久指数 | 1,079発 |
| 基準価格 | 8,900クーポン |
ダメージ、貫通、連射速度は通常のM10ゴードンとほぼ同じです。大きな違いは40発マガジンとマズル部分。昔の情報には重量2.05kg、価格12,100クーポン、貫通2.1など別の数字も残っていますが、現在更新されている解析表では1.4kg、8,900クーポン、貫通2となっており、以降はこの数値を使います。
なお、一部の解析表ではギャングスターの基礎装弾数が30と表示されています。これは武器本体側の値で、実際のギャングスターには40発の大容量マガジンが固定で付いています。旧来のデータ抽出でもギャングスターは40発、通常M10は30/40発となっています。
元ネタのIngram Model 10
M10ゴードン、そしてギャングスターの元ネタは、アメリカのIngram Model 10です。一般にはMAC-10の名前で知られています。ゲーム名のGordonもそのままで、設計者のGordon Ingramから取った名前です。
実銃のModel 10は、小さいです。Gordon Ingramは1964年に最初のModel 10を製作し、1965年には改良型を作っています。当初はなかなか買い手が付きませんでしたが、1969年にサプレッサー開発で知られるMitchell WerBellと組んだことで話が進み、のちのMilitary Armament Corporationで生産されるようになりました。9×19mm版と.45 ACP版があり、シンプルなオープンボルト式。小さなボディから猛烈な速度で弾を撃ち出します。
ただ、小さいわりに素直な銃ではありません。連射が速すぎてフルオートでは銃口が上がりやすく、前方には握るためのストラップまで付けられました。WerBellが開発した大型サプレッサーを装着すると、消音だけでなく前を支える場所としても使いやすかったようです。『S.T.A.L.K.E.R. 2』の1,333rpmという猛烈な連射速度も、こうしたMAC-10のキャラクターを強く出した数字です。M10ゴードンはゲーム内でも全武器中トップクラスの発射速度です。
MAC-10という名前
MAC-10は正式名称ではありません。当時のMilitary Armament Corporationは銃をM10、M11と呼んでいました。MAC-10はMilitary Armament Corporation製のModel 10というところから広まった通称です。今では銃器資料でも普通にMAC-10と呼ばれ、こちらの名前のほうが有名です。『S.T.A.L.K.E.R. 2』がM10ゴードンとしたのは、マニアックな選択です。MAC-10ではなくM10へ戻して、そこに設計者のGordonを付けています。
ギャング映画とMAC-10
ギャングスターの説明には、80〜90年代のギャング映画を参考にしたとあります。MAC-10は実際、映画でよく見かける銃です。1980年代だけでも『Nighthawks』『Escape from New York』『Death Wish 2』『Lone Wolf McQuade』などに登場しています。特に1981年の『Escape from New York』では、Snake Plisskenが大型サプレッサーとスコープを付けたM10を使いました。
ギャングスターが特定の映画に登場したMAC-10をそのまま再現しているという記述はありません。『Escape from New York』のSnakeの銃を連想する人もいますが、ギャングスターはスコープ付きサプレッサー仕様ではありません。GSCの説明も特定作品の名前までは出していません。80〜90年代の映画で作られたMAC-10のイメージをまとめて拾ったカスタムです。
旧三部作との意外なつながり
ここがこの銃の特徴です。ギャングスター自体は旧三部作に登場しません。ところがMAC-10は、初代『Shadow of Chernobyl』の開発時点ですでにゲームへ入れる予定がありました。製品版のファイルには、wpn_mac10という武器設定が残っています。モデル、アイコン、専用アニメーションなどは作られておらず、普通にプレイして入手することもできません。完全に没武器です。
しかも中身がだいぶ壊れています。設定ファイルが古いAKM-74/2のデータを流用していたため、強制的に出すとAKのモデルを使い、ダメージは5000。比較として同ページに載っているガウスガンが135なので、どう考えても実戦用の調整値ではありません。PSO-1とサプレッサーまで装着可能という謎仕様でした。
つまり、2007年の初代で没になったMAC-10が、2024年の『S.T.A.L.K.E.R. 2』でM10ゴードンとしてようやく正式登場した、という流れです。17年越し。これはギャングスターそのものの旧作ネタではありませんが、M10ゴードンの記事を書くならぜひ拾っておきたい話です。
ゲームモデルと実銃の違い
M10ゴードンは、見た目だけなら分かりやすいMAC-10です。でも、細かいところを見ると変です。まず口径。ゲームでは.45 ACPを使い、マガジンウェルも.45 ACP仕様に近い形なのに、レシーバーには9MMと刻印されています。
リアサイトも実銃そのままではありません。本来は小さなピープサイトですが、ゲームでは照準しやすいように上側を大きく切った四角いノッチになっています。そして射撃モード。実銃M10にはセレクターがありますが、『S.T.A.L.K.E.R. 2』のM10ゴードンはフルオートのみ。モデル上のセレクターは操作できません。一方、オープンボルト式という点はきちんと再現しています。M10ゴードンではマガジン容量+薬室1発という撃ち方ができず、30発マガジンなら30発。実銃も同じオープンボルト式なので、薬室に追加の1発は入りません。こういう細かいところだけ妙に丁寧に作られています。
通常M10ゴードンとの違い
ギャングスターは、通常版より一発が強くなった武器ではありません。ダメージ9.5、貫通2、1,333rpmという基本部分は同じです。違うのは主に40発マガジンと専用マズルブレーキ。通常版の30発だと、1,333rpmでは一瞬で空になります。40発になっても早いのですが、近距離で撃ち切るまでの余裕は多少増えます。
マズルブレーキは通常のM10ゴードンには用意されていないギャングスター専用品です。外見上の主な違いとして銃口部分が挙げられています。見た目は地味なので、ユニーク武器だと気付かず売ってしまうほうが心配かもしれません。
アタッチメントと改造
M10ゴードン自体にはコリメーターサイト、大容量マガジン、タクティカルピストルサイレンサーが用意されています。ギャングスターは大容量マガジンが最初から付いた状態です。コリメーターサイトについても対応情報があります。
サプレッサーには注意が要ります。古いデータではギャングスターにもタクティカルピストルサイレンサーを装着可能としています。一方、ギャングスターには通常版にはない専用マズルブレーキが最初から付いています。現行環境でこのマズルブレーキとサプレッサーを自由に交換できるかについては、情報が一致していません。少なくとも通常版M10ゴードンとは、銃口の構成が違います。
入手場所
ギャングスターはマラカイト地方のVPCミラーで入手できます。訪れるのはメインクエスト「些細な事件」です。地下施設へ入り、Switchboard Roomの机の上を探します。同じ机にはミラー起動メモも置かれています。
固定配置なので、敵からランダムドロップするユニーク武器ではありません。Switchboard Room周辺では大型のミュータントラットが出現し、電源を復旧したあとにはゾンビ化した敵が動き出します。銃だけ取って終わりではないので、弾薬は少し持っていったほうが楽です。ただ、武器自体は机の上。隠しスタッシュを探したり、ジャンプしたりする必要はありません。見逃しにくいほうです。
使ってみた感想
ギャングスター単体の話題はそこまで多くありません。ただ、ベースのM10ゴードンには妙な人気があります。サプレッサーと大容量マガジンを付けたM10を気に入って使う人が多いです。特に好かれているのが、ピストル枠に入るのにフルオートで撃てること。検出器を出したまま使えるのも便利です。
逆に、弱点も分かりやすいです。一発のダメージが低いので、弾を大量に使います。Kora-1911なら数発で済む相手にM10では何発も撃たされる、という声もあります。序盤の補助武器としてはUDPコンパクトのほうが使いやすく、M10ゴードンは厳しいという評価もあります。
ギャングスターはそこを40発にして少し楽にした銃です。ただし入手できるのはマラカイトまで進んだあと。そのころにはAPSB、ライノ、ズブル-19、強力なショットガンなど選択肢が大きく増えています。ゲーム内説明の実用性には疑問が残るという一文、わりと正直です。
強いユニーク武器を探している人より、MAC-10が好きな人向けの一挺です。性能だけならもっと楽な銃があります。でも、初代『Shadow of Chernobyl』で設定ファイルだけ残して消えたMAC-10が、17年後に正式登場して、さらに映画ネタ全開のギャングスターまで用意された。そう考えると、コレクションには残しておきたい一丁です。
