マークマイアの沼に住む粘液の生き物ボリプラムスについて、シロディール・コレクションの学者がまとめた論文。ESO の本。
『ボリプラムスについて』
On Voriplasms
『ボリプラムスについて』の詳しい説明
ボリプラムスは感覚の器官も内臓も見えないのに、獲物に気づいて包みこみ、肉を食らって骨を吐き出す。群れで狩り、大きく育つと分かれて増えると見る学者もいる。骨を吐き出さずに皮のようにまとって歩く「ボリプラムスの死体」は死霊術と関係が無く、カタツムリが貝に住むように骨を使っている、と書き手は考える。
『ボリプラムスについて』の全訳
私自身はまだこの珍しい泥を見たことがないが、確かな筋から聞いたところでは、ボリプラムス――動き回るぬめりと泥の水たまり――は、実に驚くべきものだという! 広く調べ、我が会のジー・ラーを含むマークマイアの土地の者たちに話を聞いた。ボリプラムスについて分かったことは、次のとおりである。
ボリプラムスの本性は、いまだ謎に包まれている。浅い沼地でも草の茂る川床でも、野で出会うボリプラムスは、濃くねばついた緑のぬめりの水たまりにしか見えない。だがよく見ると、そのぬめりは水たまりのように広がって消えたりしないことに気づく。形の無いまま形を保ち、なんとも不穏にうねっているのだ。目に見える感覚の器官も、内臓のたぐいも何一つ無いのに、この驚くべき泥の塊は、実に手際よく動き、狩り、食らう。ジー・ラーによれば、二十歩以上離れた小型のグアルに気づいたボリプラムスが、目もくらむ速さで地面を滑り、哀れな獣が危険に気づく前に包みこんだのを見たという。泥はたちまち獲物を食らい尽くし、残った骨を吐き出して、さっきまで日を浴びていた水たまりへ滑り戻っていった。
このテーマについての数少ない学術書から私が確かめられたところでは、ボリプラムスにはごく初歩的な知恵があるようだ。たしかに、多くの捕食する生き物と同じく、獲物を見分け、危険を避け、自分より強い相手からは逃げる。群れをつくり、一匹でも群れでも狩りをする。どうやって通じ合っているのかは、周りの世界とどう関わっているのかと同じく、謎のままだ。解剖の試みも、今のところうまくいっていないと聞く。
この分野の学者、グウィリム大学のイクセリアス・タロスは、ボリプラムスは大きく育ってから分かれ、新しいボリプラムスになって増えるのではないかと考えている。増え方としては手際がよいが、いささか寂しいようにも思える。とはいえ、歩き回るぬめりの塊なら、それも道理にかなう。
さらに信じがたい説もある。マークマイアの野をさまようと噂される、近い仲間らしき生き物――ボリプラムスの死体と呼ばれるものだ。ボリプラムスは獲物の肉を食らうと骨を吐き出すが、この泥は骨を残し、新しい皮膚のようにしがみつく。野で出会うと、骨から肉が溶け落ち、代わりにボリプラムスのぬめりが入った骸骨の体に見える。名前とは裏腹に、ボリプラムスの死体が歩き回るのは、死霊術とも、ほかの超自然の出来事とも関係が無い。カタツムリが貝に住むように、ボリプラムスは捕えた骨を使って、泥に形と、よりしっかりした輪郭を与えているのだ。少なくとも、それが今の私の説である。シロディール・コレクションのマークマイア奥地への探検についに加われたら、さらに学んで、この書を改めたいと思っている。










