7.62x54mmを使う指定射手用ライフルです。アップデート2.0で追加されました。
自動装填式歩兵カービン(SIC)
自動装填式歩兵カービン(SIC)の詳しい説明
正規歩兵部隊がライフルカービンに回帰する流れは、ついに第二次世界大戦中に開発された歩兵用カービンにも及んだ。高耐久弾と最新鋭のストックを備えることで、このプラットフォームは、現代のシステムと同等クラスと認められている。

自動装填式歩兵カービン(Self-Loading Infantry Carbine、SIC)は、7.62×54mm弾を使うセミオートの指定射手用ライフルです。2026年8月20日の無料大型アップデート「ゾーンに帰還せよ — アップデート2.0」で追加されました。
名前には注意点があります。アップデート2.0の発表時には「SKP」という名称でしたが、現在のゲーム内ではSelf-Loading Infantry Carbine、略してSICという名前になっています。SKPとSICという2種類の銃があるわけではなく、同じ武器です。
そして、この銃は元ネタに特徴があります。最初に見たときは自分もSVT-40系だと思ったんですが、細かく見ると第二次世界大戦中にシモノフが試作したSKS-31系と考えるほうがしっくりきます。7.62×54mmRを使うセミオートカービンというところまで一致しています。
元ネタのSKS-31
SICの元になったと考えられるSKS-31は、セルゲイ・シモノフが第二次世界大戦期に開発していた自動装填式カービンです。
SKSと聞くと、普通は戦後に採用された7.62×39mmのSKS-45を思い浮かべます。ただ、SKS-31はそれより前の世代です。1940年から1941年ごろ、ソ連軍向けに7.62×54mmRを使う半自動カービンとして開発されました。
ここがSICときれいにつながります。SKS-31もSICも7.62×54mmRを使い、射撃方式はセミオート。SKSという名前もSamozaryadnyy Karabin Simonova、つまりシモノフ自動装填式カービンという意味です。
ゲーム側のSelf-Loading Infantry Carbineという名前も、それを意識したものに見えます。直訳すれば自動装填式歩兵カービンで、わざわざ銃の固有名ではなく機能をそのまま名前にしているところまで、それっぽいです。
SKS-31は1941年の試験を経て、50丁の試験生産が決まりました。ただ、その直後にドイツ軍によるソ連侵攻が始まり、計画は大幅に遅れます。
試験銃がそろったのは1944年で、そのうち37丁が第1白ロシア方面軍へ送られました。ただし、前線へ送られたことと、実戦で使われたことは同じではありません。部隊試験は行われたものの、信頼性の問題から第一線部隊へは本格配備されず、実戦には参加しませんでした。
結局、7.62×54mmRを使うこのカービンは正式採用されませんでした。その後、ソ連軍がより小さな中間弾薬を求めるようになり、シモノフは設計を発展させます。そして7.62×39mm弾を使う、あの有名なSKSへつながっていきました。
SVT-40ではないのか?
SICを最初に見て、SVT-40だと思うのは自然です。
使用弾薬は同じ7.62×54mmR。第二次世界大戦期のソ連製セミオートライフルという条件まで重なるので、まずSVT-40が頭に浮かびます。全体のシルエットも、現代化されたSVTのように見えます。
ただ、レシーバー周辺やカービンとしての構成は、SKS-31系に近い作りです。何より実在したSKS-31自体が7.62×54mmR仕様なので、SICがこの弾薬を使っている理由まできれいにつながります。
ただ、SVT-40とまったく関係のない世界の銃でもありません。当時のソ連では、シモノフのSKS-31と、トカレフがSVT-40をベースに開発したカービンが同じ試験に参加していました。
同じ時代、同じ弾薬、同じ軍の要求から生まれた銃なので、外見や考え方が似るのは不思議ではありません。SICはSVT-40そのものではなく、同時代に開発されたシモノフのSKS-31系を見るのがいちばんしっくりきます。
ゲームでは完全に現代化されている
ただし、『S.T.A.L.K.E.R. 2』のSICはSKS-31をそのまま再現した銃ではありません。
むしろ「1940年代の試作銃が生き残って、現代まで改造され続けたらどうなるか」という銃です。
実物のSKS-31は木製ストックを備え、5発固定式マガジンへ上からストリッパークリップで装填する構造でした。一方、SICは10発の着脱式マガジンを使用します。さらに20発の大型マガジンまで用意されています。
この時点で中身はほぼ別物です。
外装も大きく変わっています。通常版SICには現代的なSKS用シャーシに近い外装と、樹脂製の伸縮ストックが付いています。大型マガジンも、現代のSKS用20発マガジンを7.62×54mmR用へ無理やり巨大化したような形です。
つまり出発点は第二次世界大戦中の試作カービンなのに、Zoneではレール、樹脂ストック、光学照準器、大型マガジンまで付けられたDMRになっています。
ほとんど量産されなかった銃を70年以上生き残らせて、現代風に魔改造してしまう。この辺はS.T.A.L.K.E.R.らしさがよく出ています。
旧三部作には登場しない
SICもSKS-31も、旧三部作のバニラ版には登場しません。
『Shadow of Chernobyl』『Clear Sky』『Call of Pripyat』では、7.62×54mmRを使う武器としてSVD系やSVU系が登場していましたが、SKS系のカービンはありませんでした。
その意味では、SICはシリーズ本編では新鮮な銃です。昔からZoneにあった武器の復活ではなく、アップデート2.0で初めて公式シリーズへ入ってきたシモノフ系カービンです。
ただ、長くS.T.A.L.K.E.R.のMODを遊んでいると、そこまで新鮮に見えないかもしれません。SKS自体はAnomalyなどの大型MODでは以前からよく追加されていた銃だからです。
自分も最初に見たときは「ついにSKS系が本編にも来たか」という感覚のほうが強かったです。ただ、普通のSKS-45ではなくSKS-31を持ってきたところはひねっています。
SICの性能
| 項目 | SIC |
|---|---|
| 使用弾薬 | 7.62×54mm |
| ダメージ | 75 |
| 貫通 | 2.5 |
| 発射速度 | 500RPM |
| 装弾数 | 10発(拡張で20発) |
SICはセミオート専用のDMRです。ダメージ75、貫通2.5、発射速度500RPM、基本装弾数10発。技術者による改造で貫通を3まで伸ばせます。
同じ7.62×54mmを使うSVU-MK S-3はダメージ80、貫通3.0なので、一発の数字だけ比べるとSICのほうが少し下です。
ただ、SICは扱いやすいです。
10発を撃ち切ったらマガジンごと交換でき、さらに20発マガジンまであります。史実のSKS-31が5発固定弾倉だったことを考えると、同じ銃とは思えないほど実戦向けになっています。
特に20発マガジンを付けると印象が大きく変わります。7.62×54mmを20発、セミオートで続けて撃てるので、狙撃銃というより大口径バトルライフルに近い使い方までできます。
重量は3.90kgです。
アタッチメントと改造
SICのいいところは、サイトの選択肢が広いことです。
アップデート2.0で追加されたPK-AS系のコリメーターサイトを使えるほか、PSO系スコープにも対応します。PSO 4Xに加えて8倍のストームファルコンまで載せられるので、遠距離寄りにもできます。
レーザーサイトも装着でき、SVDM-2やSVU-MK S-3と共用するスナイパーライフル用サプレッサーにも対応します。
ここがSICの持ち味です。
等倍サイトとレーザーを付ければ、中距離で7.62×54mmを連続して撃つ大口径セミオートとして使えます。逆にPSOや8倍スコープを載せれば、普通の狙撃銃に近い運用もできます。
SVD系ほど狙撃専用に寄っておらず、アサルトライフルほど近距離専用でもない。その間を好きなように動かせる銃です。
専用の20発大型マガジンは、冷却塔近くのナギルツィ村共同墓地にあるスタッシュから入手できます。墓地にある木板の下の医療用バックパックが目印です。
SICの使い方
SICは、遠距離だけで使う銃ではありません。
もちろん7.62×54mmなので、中距離から頭を狙って撃つのが分かりやすい使い方です。セミオートなので、1発外してもそのまま2発目、3発目をすぐ撃てます。
ただ、10発マガジンでもそれなりに連射でき、20発マガジンを付けると近距離まで強引に押せます。
敵が一人なら頭を狙って一発。外したらそのまま追撃。複数人が出てきたら、いちいち狙撃銃のように構え直さず、そのまま連続して撃つ。SICはこの雑な使い方でも成立します。
自分は、SVDのような完全な狙撃銃というより、重い弾を使えるセミオートライフルとして見たほうが使いやすいと思います。
特にレーザーサイトと20発マガジンを付けると、元が1940年代の試作カービンだったことを忘れるくらい別物になります。
入手方法
一番簡単なのは、ロストクのリックマンから購入する方法です。アップデート2.0を導入すると、販売品としてSICが並びます。
無料で拾える個体もあります。バーントフォレストのカズコヴィ野営地付近にあるコンテナ群では、SICを回収できます。カズコヴィ野営地南側の赤いコンテナ付近を探すと見つかります。
ゲーム後半ではNPCが持っている場合もありますが、進行状況や装備テーブルに左右されます。確実に欲しいなら、リックマンから買うのがいちばん手っ取り早いです。
なお、SICは有料DLC「Cost of Hope」を買わなくても入手できます。DLCと同じ時期に追加されたため紛らわしいですが、通常版SICは無料アップデート2.0で追加された武器です。
ユニーク版のジャスティス
Cost of Hopeには、SICのユニーク版ジャスティス(Justice)も登場します。
通常版SICが現代的な樹脂シャーシなのに対して、ジャスティスは木製のサムホールストックを装着したクラシック寄りの見た目です。
こちらのほうが通常版より元のSKS-31らしく見えます。
通常版はレールと樹脂ストックで完全に現代化されていますが、ジャスティスは木製ストックへ戻されているので、1940年代の試作銃だったという出自が少し見えやすくなっています。
「過去の影」でGeneral Tachenkoに関係するイベント中に入手できます。地面から自分で拾う武器なので、そのまま進めると取り逃す可能性があります。詳しい場所はジャスティスの記事で扱います。
SICの評価
SICは、扱いやすいDMRです。
SVDのように一発の威力と狙撃へ振り切った銃ではありませんし、GP37のようなアサルトライフルほど近距離で雑に振り回せるわけでもありません。
でも、その中間の立ち位置が使いやすいです。
7.62×54mmの重い一発をセミオートで続けて撃てて、近距離なら等倍サイト、中距離ならPSO、遠距離なら8倍まで選べます。さらに20発マガジンとサプレッサーまで使えるので、1本で幅広い距離をカバーできます。
一発の数字だけ見ればSVU-MK S-3のほうが上ですが、SICは装備の組み方と扱いやすさで勝負する銃です。特に20発マガジンを付けてからが本番だと思います。
そして性能以上に印象に残るのが元ネタです。
第二次世界大戦中にほとんど量産されず、そのまま消えていったSKS-31を掘り起こし、樹脂シャーシ、レール、20発マガジン、レーザーサイトまで付けてZoneへ放り込んでいます。
普通にSKS-45を追加するほうがずっと簡単だったはずなのに、わざわざSKS-31らしき銃を選んでいる。この妙なこだわりまで含めて、元ネタを知ると楽しめる銃です。
見た目は現代的なDMRなのに、中身をたどると1941年の試作銃。SICは、元ネタを知ってからのほうが面白くなる一丁です。

