「自動装填式歩兵カービン(SIC)」の固有版の指定射手用ライフルです。Cost of Hopeで追加されました。
ジャスティス
ジャスティスの詳しい説明
「タチェンコ大尉はとうの昔に死んだ… そしてデューティーのタチェンコ将軍も、いずれ同じ道を辿る… まあ、それが正義ってやつなんだろうな…」

ジャスティス(Justice)は、7.62×54mm弾を使用するセミオートライフルで、自動装填式歩兵カービン(SIC)のユニーク版です。「Cost of Hope」のメインクエスト「過去の影」で入手できます。
通常のSICは黒い樹脂製の近代化ストックとレールを組み合わせた、現代的な姿をしています。ジャスティスはそこを木製ストックへ変更。見た瞬間の印象はぐっと古くなり、第二次世界大戦前後のソ連製半自動小銃らしい雰囲気が戻っています。しかも、持ち主はデューティー創設者のタチェンコ将軍。武器名のJusticeまで含めて、旧作を知っている人向けのネタが詰まった一挺です。
元になったSKS-31系
SICの元ネタとして現在もっとも有力なのは、セルゲイ・シモノフが1941年に開発したSKS-31系の試作自動装填式カービンです。この点は、情報が分かれています。SKS-30とされることもありますが、実銃としてはSKS-31とみられます。歴史上のSKS-30とSKS-31はよく似た兄弟機なので、混同されやすいところです。
シモノフは1940年から1941年にかけて、当時のソ連軍制式弾だった7.62×54mmRを使う短い半自動カービンを研究していました。1941年4月にはSKS-30とSKS-31を製作。基本機構は同じで、大きな違いは給弾方式です。SKS-30は10発を装填する特殊な内部マガジンを持ち、SKS-31はモシン・ナガン用の5発クリップを使う固定式5発マガジンでした。試験ではSKS-31のほうが信頼性で有利と判断され、小規模な部隊試験用として製造が計画されています。ところが1941年6月に独ソ戦が始まり、計画は大幅に遅延。実際の試験生産は1944年までずれ込みました。その後、ソ連軍はより小型の7.62×39mm系中間弾へ移行します。シモノフも設計をそちらへ発展させ、最終的に有名なSKS-45へつながりました。つまりSICの元ネタは、誰でも知っている戦後型SKSより前に作られた、マニアックな祖先です。
SICとの見た目の違い
通常のSICは、そのSKS-31系を大胆に現代化しています。実銃としては、FAB Defense系のシャーシとGL-CORE CP系ストックを組み合わせたモデルです。ゲームではさらに10発の着脱式マガジンを使用するため、1941年型SKS-31そのものとはだいぶ違います。実物のSKS-31は5発固定式なので、ここはゲーム用のアレンジです。
ジャスティスは、この近代化された外装を木製へ戻しています。ただし、これも実物SKS-31の軍用木製ストックをそのまま付けたものではないようです。SKS Sporter系ストックとTimberSmith SKS Thumbhole Stockを混ぜたようなアフターマーケット製の木製ストックです。なので、見た目はクラシックでも歴史的なSKS-31復元モデルではありません。通常SICのタクティカルな外装を全部取っ払って昔の銃に戻したように見えるのに、よく見ると普通の軍用SKSでもない。S.T.A.L.K.E.R.らしい妙なカスタムです。
タチェンコ大尉とタチェンコ将軍
ジャスティスを理解するなら、持ち主のタチェンコについても少し知っておいたほうがいいです。Cost of Hopeでは、タチェンコ大尉は軍人としてゾーンへ送り込まれた人物です。ゾーン内部で見たものから、ゾーンを破壊するまで外の世界へ戻れないと考えるようになり、彼の考えを受け継いだ人々が、のちのデューティーになりました。
一方、『Call of Pripyat』で見つかるPDAでは、彼はすでにタチェンコ将軍と呼ばれています。これは別人ではありません。PDAの最期の録音で、本人が「大尉」と「将軍」をはっきり使い分けています。かつて軍人だった頃の自分を大尉、デューティーを率いるようになった現在の自分を将軍として語っているわけです。旧作ではさらに厄介な事実も判明します。タチェンコは軍司令部との通信が途絶えるよう自分で仕組んでいました。そして空間アノマリーに閉じ込められ、救助を受けられなくなった最期の段階で、通信を切らなければ助けてもらえたこと、そうしていればデューティーも存在しなかったことをPDAへ残しています。2026年のGSC公式紹介は、この古いPDAより簡潔で、デューティー誕生までの経緯も少し違った角度から書かれています。Cost of Hopeでは、タチェンコという人物を改めて掘り下げています。
Justiceという名前
そして、武器名のJusticeです。これは偶然とは考えにくいです。『Call of Pripyat』のタチェンコのPDAは、英語版で最後に「that’s justice, I suppose」という言葉を残して終わります。自分で通信を遮断し、デューティーを生み、その末に自分も空間アノマリーの中で死ぬ。その状況をJustice、つまり報いや正義のような言葉で締めています。Cost of Hope公開前のトレーラーでも、このタチェンコの録音と同じ台詞が使われており、早い段階から旧作とのつながりを指摘する声もありました。つまりジャスティスは、適当に格好いい英単語を付けたユニーク武器ではなく、タチェンコの最期の言葉をそのまま銃の名前にしたものです。日本語で遊んでいると、ここは気付きにくいです。旧作の日本語訳では、この最後のJusticeが「定め」など別の言葉に訳されていることもあります。英語版を知っていると、武器を拾った瞬間に意味が変わってきます。
通常のSICとの性能差
| 項目 | SIC | ジャスティス |
|---|---|---|
| ダメージ | 75 | 75 |
| 貫通 | 2.5 | 2.5 |
| 発射速度 | 500RPM | 500RPM |
| 装弾数 | 10発 | 10発 |
| 重量 | 3.90kg | 3.70kg |
性能は、通常のSICとそれほど変わりません。ゲーム解析値では、通常SICとジャスティスはどちらもダメージ75、貫通2.5、500RPM、装弾数10発です。最適射程や距離減衰、耐久指数も同じ値になっています。違うのは重量で、SICの3.90kgに対してジャスティスは3.70kgです。別のゲームデータ集では、通常SICからジャスティスになると取扱値が1.94から2.24、精度表示が3.06から3.31へ上がっています。通常版よりエイム移行が速く、エイム中の移動が速いという情報もあります。つまり、弾の威力が上がる銃というより、同じSICを少し軽く、取り回しやすくした仕様です。反動が減って耐久性も上がったように感じますが、耐久の値は通常のSICと同じです。この部分は体感とデータが一致していません。
アタッチメントと改造
木製ストックになった代償もあります。通常SICでは近代化された外装を使ってフォアグリップやレーザーサイトを追加できますが、ジャスティスではフォアグリップとレーザーサイトの改造を利用できません。これは国内の解析情報とプレイヤーの報告でも一致しています。通常SIC用の情報をそのまま流用すると危ないので、ここは実機確認かゲームデータ側でもう一段確認したいところです。これを考えると、ジャスティスは単純に性能が上というわけではありません。軽くて扱いやすいジャスティスか、レーザーやフォアグリップまで付けられる通常SICか。見た目まで含めて選ぶ感じになります。
入手方法
ジャスティスは、「Cost of Hope」のメインクエスト「過去の影」で入手します。クエストを進めると、タチェンコ記念施設から異常空間へ入り、最後にタチェンコ将軍本人に関わる場面へたどり着きます。そのイベント中、シャドーキメラが乱入し、タチェンコとの場面が終わった直後にジャスティスが残されます。
ここは情報によって説明が少し違います。カットシーンが終わった直後、床に落ちたジャスティスを拾います。その後、さらに進んだ病院でタチェンコの遺体とPDAを発見します。なので、実際の手順としてはカットシーンが終わったらすぐ周囲を見るのが安全です。ジャスティスは自動でインベントリへ入る報酬ではありません。そのままシャドーキメラを追って先へ進むと取り逃す可能性があります。海外攻略でも、Cost of Hopeの中では特に取り逃しやすいユニーク武器として注意されています。なお、この武器は後半のフリーダムとデューティーの大きなルート分岐より前に入手するため、どちらの勢力を選ぶかには左右されません。
使ってみた感想
通常のSIC自体が、アップデート2.0で追加された武器の中では評判がいいです。新武器の中でSICを一番気に入って使う人も多く、ジャスティスをそのままプリピャチまで使っているという声もあります。7.62×54mmの一発の強さと、セミオートで素早く追撃できるところが評価されています。一方、ジャスティスについては評価が少し分かれます。木製ストックを気に入っている人は多いのですが、レーザーとフォアグリップを失うため、通常SICのほうが好みという人もいます。逆に、ジャスティスの軽さと取り回しを気に入って使い続けている人もいます。
性能だけを見ると、派手なユニーク武器ではありません。それでも、この銃はそこが魅力です。1941年の試作SKSをベースにしたSICを木製仕様へ戻し、持ち主はデューティー創設者タチェンコ。そして名前は、彼が旧作で死ぬ直前に残したJustice。旧作の小さな伏線を、一丁の銃として20年近く後に拾い直した武器です。Cost of Hopeのユニーク武器の中でも、設定を知ってから持つと印象が大きく変わる一挺だと思います。
