ハッピーホリデー!
ついにBuild42のマルチプレイがリリース!
Build42リリースから1年、ついにマルチプレイモードがリリースされました。
待ち望んでいた人も多いのではないでしょうか?
これは「正式マルチ」じゃなくて、あくまでストレステスト版
まず一番大事なポイントから。
今回のマルチプレイは
- 不安定版(Unstable)ブランチ専用
- 目的は「負荷テスト」と「不具合洗い出し」
- 仕様もバランスも今後かなり動く前提
という位置づけです。
そのため、長期運用前提のサーバーというよりは
「友達と遊んで様子を見る」
「小規模なコミュニティでテストしてみる」
くらいの心構えで触るのが安全です。
マルチで遊ぶ前に知っておくべき制限と注意点
公式が強めのトーンで書いている注意事項だけ、整理しておきます。
推奨されている遊び方
- ホワイトリスト制サーバー、もしくはSteamの協力プレイで遊ぶのが望ましい
- 現状、1サーバー20人以上は非推奨
- ラグドール(死体の物理演算)はマルチでは一時的にオフになっている
絶対にやめた方がいいこと
- デバッグモードをオンにしたままマルチを遊ぶ
- MODを入れた状態でマルチに参加(クライアント側のみのMODも含めて全部オフ推奨)
まだMODてんこ盛りでマルチを遊ぶことはできません!
セーブデータまわりの問題
- 42.13より前に作ったセーブは「基本的に壊れると思え」とまで書かれている
さらに
- 不安定版のアップデートが入るたびに、進行中のマルチプレイ環境が壊れる可能性が高い
ということも明言されています。
ガチのロングランワールドを育てるのは、まだ待った方がいい段階です。
ビルド42.13(Unstable)の入れ方
Steam版であれば、誰でもすぐ触れます。
- Steamライブラリで
Project Zomboidを右クリック
2.プロパティ→ベータタブ - ベータ参加のプルダウンから
Unstableを選択

これでクライアントが不安定版42系に切り替わります。
安定してきたタイミングで、42.13の最新版はGOGにも配信予定とのことです。
マルチ以外で目立つ変更点・便利になった部分
パッチノート自体は長大なので、実際のプレイに影響が大きそうな部分だけ、現実的なところを抜きます。
1. 射撃のターゲット選択改善
- 銃の照準時に、ターゲットの優先部位が整理された
頭 → 背骨 → 骨盤 → 四肢、という順に狙いやすくなるロジックへ
感覚的には「変なところに弾が吸われにくくなった」調整で、特にヘッドショット狙いのビルドにはありがたい改善です。
2. インベントリと操作まわりのQOL強化
かなり細かい改善がまとまって入っています。代表的なものだけ挙げると、
- 歩きながら装備・脱ぎ着できる衣類やバッグの種類が増加
- 新しい装備スロット「satchel」追加
サッチェル、ウォーターバッグ、カウボーイカンティーンがこのスロットに移動 - インベントリ内のアイテムをダブルクリックしたときの挙動が賢くなった
- 絆創膏は自動的に「一番ダメージが大きい部位」に使用
- 本や地図は、そのまま読む動作に入る
- ライターやトランシーバーは装備しながら起動
- 懐中電灯系はオン・オフまで含めてトグル操作
- 箱入り食品・束ねられた物はダブルクリックで開封
- 危険な食べ物(焦げ、腐敗、毒など)をプレイヤーが認識している場合、ダブルクリックで勝手に食べなくなった
- 近くのコンテナへの「同種アイテムをまとめて移動」ボタンが追加
- ONになっているアイテムは名前に「(On)」が付くようになった
- 懐中電灯などは、装備していないとき自動で電源オフになる
「細かいけど地味にストレスだった部分」がまとめて潰されている印象です。
長時間プレイするほど、操作の軽さを実感しやすいアップデートになっています。
3. クラフト・建築UIの整理
- クラフトメニューのカテゴリ整理とサブカテゴリ追加
- 入出力スロットをシフト+クリックで検索に飛ばせるようになった
- 「手作業クラフト」パネルに「全レシピ表示」のチェックボックス追加
- 塗装、壁紙、漆喰などの内装系は右クリックからビルドメニュー側へ移動
- 武器研ぎ用のキーコンフィグ「Sharpen Weapon」が追加
手に研げる武器を持っていると、専用クラフトを直接呼べる
42系でクラフト周りが大幅に拡張された反面、UIの煩雑さも増していたので、そこを少しずつ整理しているフェーズという印象です。
4. 照明と室内の見え方
- 部屋ごとの「局所的な暗さ」は廃止され、建物単位での暗転に調整
- 板張りバリケード(メタルシート以外)やカーテンは、視界は遮るが光は一部通す仕様に
- カーテンを通った光の色や量を細かく設定できるパラメータが追加
マッパーやMOD作者向けに、フィルタのRGBや強度を個別指定可能
ゲームプレイ的には「家の中が真っ黒一辺倒ではなくなり、多少情報が取りやすくなる」方向の調整です。
ゾンビの視認性や夜間行動のしやすさにも影響しそうな部分なので、触ってみる価値があります。
5. 新特性「Motion Sensitive(乗り物酔い)」
- 乗り物に乗ると乗り物酔いがかなり出やすくなるマイナス特性
- 前進・後退ともに速度に応じて指数関数的に酔いが増加
- 急旋回やスリップ中は効果が倍
- オフロードでは進行がさらに25%加速
- ドライバー以外の同乗者も影響を受ける(ドライバーは50%軽減)
- IRON_GUTで進行30%軽減、WEAK_STOMACHで30%悪化
- コストは−4ポイント
車移動主体のプレイスタイルでは、かなり存在感があるマイナス特性になりそうです。
トレードオフとしてポイントは稼ぎやすいものの、「車酔いロールプレイ」が本格的にゲームシステムに組み込まれた形です。
バランス調整で気になるところだけ抜粋
細かい調整が大量に入っていますが、プレイ感に影響が出そうなものをいくつか。
- 探索(foraging)は「遠く離れた場所で見つけるほどXPボーナス」が付く仕様に変更
一定距離ごとに「新しい発見」を促す構造になり、歩き回る意味が増加 - 喫煙は非スモーカーにもストレス軽減効果発生(スモーカーは効果2倍)
- Jar系保存食の腐敗時間や扱いが現実的な方向に修正
- 服を裂く・解体するレシピの所要時間が40%に短縮
- 使い捨てライターなどの耐久が元に戻され、用途に見合った使用回数に
- 多くのアイテムに栄養、非腐敗フラグ、日数などのパラメータが追加され、食料関係の挙動が整理
- 探索・農業・車両などのランダムルートテーブルが再調整され、自然なドロップ構成に
「生活面の重さは残しつつ、理不尽感や時間の無駄に近い部分は削る」という方向の調整が多いです。
サウンド・アニメーション・技術面の更新
ここは完全に趣味の領域ですが、
- 新規効果音の追加(槍クラフト、キャンプファイヤーの着火、BBQ、洗濯、ブッシュをかき分ける音など)
- アニメーション周りの調整(ナイフの刺突位置、フィレット切り、ハーブラックの操作など)
- BGMのポーズ時の挙動変更(「ポーズ時も音楽」の設定が廃止され、状況に合わせて自動調整)
- Javaランタイムの更新(JRE 25)
- LinuxでWaylandを使うためのオプション追加
- MOD向けに、リソースの管理方法を整理した「名前空間付きレジストリ」システム導入
ItemTagやItemBodyLocationがクラス化され、MODからも拡張しやすくなった
など、「長期運用を見据えたエンジン側の整理」が進んでいます。
MOD環境にとっては痛みも大きいですが、長い目で見ると前向きな土台作りです。
MOD制作者向けの状況
公式からも
- 42.13でMOD周りの仕組みがかなり変わった
- MOD作者向けガイドを用意しており、今後も改善と情報提供を続ける
とアナウンスされています。
そのため、
- 既存MODはしばらく大半が非対応
- マルチ対応まで含めて作り直しに近い作業が発生している作者も多い
という前提で、プレイヤー側も焦らず待つのがよさそうです。
不安定版で遊ぶときは「ひとまずバニラで」を守った方が、トラブルは確実に減ります。
まとめ:今は「触ってみて感触を見る時期」

今回の42.13は、
- 待望のマルチプレイがついに解禁
- ただしまだテスト段階で、環境もセーブもどんどん壊れる前提
- 操作や生活面のQOL改善が大量に入り、シングルでも快適さが上がっている
- エンジンとMOD基盤が大きく組み替えられたため、MOD環境はしばらく揺れる
という内容になっています。
「ガチの生存サーバーを数百時間単位で続ける」フェーズはまだ先ですが、小さな固定メンバーでテストがてらマルチに潜るには、かなり面白いタイミングです。
ゾンビと一緒に、ゲームそのものの進化も観察しながら遊ぶくらいがちょうどいいパッチですね。

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